2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

最悪の年にあらず

昨年、すなわち2023年は人生最悪の年だった。と昨年の終わりに書いた。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com 今年はその最悪を更新したか、といえば、そうではなかったのである。 え? 組織を追放され職まで奪われたのに? そうなのだ。 そして、組織幹部によって…

今井むつみ『学力喪失』

以前(というかもう10年前)、ぼくが無料塾で教えている子*1が「偶数と偶数の和は偶数である」がどうしてもわからない、それをどう教えていいかわからない、ということをブログで書いた。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com その「子」が成人して、ぼくも参加し…

今井雅子「涙のエスニックおせち」

脚本家・今井雅子が「しんぶん赤旗」でエッセイを連載している。 今日付の今井のエッセイは「涙のエスニックおせち」。「十年あまり前の大晦日、夫の実家で鍋を囲んでいた」という状況を描いている。 冒頭に、義母と自分の会話を描く。 義母と自分の関係がド…

永田カビ『これはゆがんだ食レポです』

もうすぐ雑煮の季節だ。 雑煮といえば、モチがどういう状態なのかが気になる。 というのも、ぼくは雑煮に入っているモチがグダグダに煮崩れてもうスープと一体化しているかどうかというくらいのやつが大好きなのだ。 そんなぼくが永田カビの本書『これはゆが…

田村智子の描く共産主義の企業形態と「おひさま進歩エネルギー」

24年12月22日付「しんぶん赤旗」に共産党の田村智子委員長の共産主義についての講演が載っている。 www.jcp.or.jp この中で 田村氏は、“もうけ競争”の利潤第一主義から自由になるには、生産手段の社会化が必要だとし、その形は多様だとのべました。 田村氏は…

満薗勇『消費者と日本経済の歴史』

職を失ってしまったので、お金をケチるようになった。 電車代など高くてたまらないので、どうかすると片道20kmのところで自転車で移動したりなんかする。その帰りにお腹が空いてついケンタッキーに入って1000円超食べたので、つれあいに大笑いされた。 日常…

鈴木謙次さんからの手紙

前に『ある日本共産党地区委員長の日記(一九七七年〜一九八四年)』を書いた鈴木謙次さんに公開書簡のような感想を書きました。 kamiyakenkyujo.hatenablog.com その鈴木さんから返事が届きました。 ご本人の了解を得てここに紹介させていただきます(改行…

箕田海道「きみの虫歯ならいいよ」&オヤジ殺し

娘には虫歯がない。 昨今の子どもは全然虫歯にならんのな。 虫歯を有する子どもの割合ってどんどん減っている。 www.lion-dent-health.or.jp 必ず歯を磨いている(しかも「ながら」で)、というのがまず大きい。 甘いものにも執着がない。炭酸飲料水とか全然…

気まずい面会

首都圏青年ユニオンのニュースレター(24年11月、284号)を読んでいて弁護士・三浦佑哉のエッセイ(「弁護団通信」)がちょっと面白かった。 離婚した夫婦と子ども。夫婦は裁判で激しくやり合った後の、親と子の面会交流。 対立が激しかっただけに連れ去りの…

『このマンガがすごい!2025』「オンナ編」にアンケートで参加しました

『このマンガがすごい!2025』の「オンナ編」にアンケートで参加しました。151ページにぼくのランキングが載っています。 konomanga.jp 枡野浩一の南Q太作品の高評価 個人的には枡野浩一がやはりアンケートに参加していて、第1・2位に元パートナーである南…

魯迅「藤野先生」

リモート読書会で魯迅の「藤野先生」を読む。 めちゃくちゃ短い小説である。 阿Q正伝・藤野先生 (講談社文芸文庫 ロB 1) 作者:魯迅 講談社 Amazon 魯迅の自伝的な短編小説で、彼が日本に留学した時に出会った藤野厳九郎という解剖学の教師の思い出をもとに描…

瀧波ユカリ『わたしたちは無痛恋愛がしたい』5・6

組織にとって自分はどういう人間だと思われていたのか、本当のところはよくわからない。 だけれども、「都合のよい人間」だと思われていたんじゃないかと思う。 別のところですでに書いたことだからここでも書くけど、額面で月20万円台の給料で50代まで甘ん…