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窪田製薬、近視対策デバイス「クボタメガネ」の開発加速へ
2020年5月19日 10:00
窪田製薬ホールディングス子会社のクボタビジョンは、同社の卓上デバイスが人の眼軸長(角膜から網膜までの長さ)に与える影響を検証した結果、対照眼と比較して短縮したと発表した。この技術を活用して、ウェアラブル近視デバイス「クボタメガネ」の開発を加速させる方針。
近視の多くは軸性近視と診断され、眼軸が伸展することにより起こるとされている。眼軸長が伸びると、眼球の中で焦点が網膜より手前に位置づけられるために、遠くが見えにくくなる。
通常、眼軸長は年齢と共に伸びる、もしくは成長が止まるもので、人工的な光により眼軸長が対照眼と比較して短くなることは、世界でも前例がないという。同社は、今回の技術を「クボタメガネ・テクノロジー」とし、今後スマートメガネやスマートコンタクトレンズに応用し、実用化を目指す。将来的にAR機器やVR機器への搭載を想定し、子供の近視予防への応用を見込んでいる。
スマートメガネ「クボタメガネ」は、2020年後半に実証試験を終え、2020年内にプロトタイプを完成させることを目標としている。なお、スマートコンタクトレンズの開発タイムラインについては、現段階では公表していない。
同社の代表執行役会長、社長兼最高経営責任者の窪田良博士は、「今回、近視患者を対象とした検証で、このような予想以上に良好なデータが得られたことを大変嬉しく思います。近視を撲滅することによって、生活の質を高めることはもちろんのこと、近視によって引き起こされる失明に至る合併症を減らすことができると期待しています。我々は、世界から失明を撲滅することを目標に、まずは近視の撲滅を目指してまいります」とコメントしている。