来週の日本株は戻り試す、米財政問題解決で9月高値更新も
[東京 11日 ロイター] - 来週の東京株式市場は戻りを試す展開となりそうだ。米財政問題が解決すれば、日経平均は9月高値を目指す公算が大きい。本格化する米企業決算への期待感も支援材料となる。
半面、債務上限引き上げ期限とみられる17日までに与野党合意に至らなければ米国のデフォルト(債務不履行)リスクが高まるほか、引き上げ期間が短期間にとどまれば、本格的なリスクオンにはなりにくいという。
日経平均の予想レンジは1万3800円─1万5000円。
オバマ米大統領と共和党指導部は財政問題をめぐりホワイトハウスでの協議を継続。何ら合意には至っておらず、双方の隔たりは残っているが、共和党幹部は、11日にも合意できそうといい、政治的対立は解消に向けて進んでいる。「米財政問題の終結が近付いている。米財政問題が解決されれば、1ドル100円回復がみえてくるとともに、日経平均も9月の直近高値1万4817円50銭を試す」(立花証券・顧問の平野憲一氏)という。
米企業決算の本格化も支援材料となりやすい。米アルミ大手アルコアが8日発表した第3・四半期決算は利益が市場予想を上回り、幸先の良いスタートを切った。7─9月期は米量的緩和の縮小観測が新興国経済に作用したため、グローバル企業の業績への影響が警戒されるが、「底堅い内需を背景に米企業業績はおおむね好調な内容が期待される。個別株物色が広がれば、相場全体のサポート要因になる」(大手証券)との声が出ている。
半面、米財政問題をめぐる対立が長引けばドル安/円高、株安が進みかねない。米財務省によれば、10月17日に連邦債務が上限の16兆7000億ドルに到達するとしている。「10月末まで先延ばしできるとの見方もある」(国内証券)一方で、期限を一日でも過ぎれば米国のデフォルトリスクが意識される可能性は高い。
仮に債務上限引き上げが合意されても、短期間ならば市場は単なる先延ばしに過ぎないとして、慎重な姿勢を崩さないとの見方も多い。1年以上の引き上げを見込む民主党に対し、共和党は数週間の引き上げを提案している。「先延ばしとなった場合、世論調査などで民主・共和両党の支持率低下が明らかとなり、より決着しやすくなるだろうが、先延ばし期間中は本格的なリスクオンは望めない」(SMBC日興証券ストラテジストの圷正嗣氏)とみられている。
主なスケジュールでは国内で15日から臨時国会が召集される。中国では14日に9月中国PPI・CPI、18日に第3・四半期GDP、9月鉱工業生産、小売売上高、固定資産投資が発表される。米国では15日に10月米NY州連銀製造景気指数、17日に9月米住宅着工件数や10月米フィラデルフィア地区連銀業況指数、18日に9月米景気先行指数(コンファレンス・ボード)などが予定されているが、米政府機関の一部閉鎖に伴い発表が延期される可能性もある。
主な米企業決算の予定は15日のシティーグループ、インテル、ヤフーや16日のバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、17日のゴールドマン・サックス、グーグル、18日のモルガン・スタンレー、ゼネラル・エレクトリック(GE)など。
株式マーケットチーム
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