一部銀行、スイスフランとデンマーククローネにマイナス金利適用
[ロンドン 9日 ロイター] カストディ業務を行う米バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)などの一部銀行が、スイスフランとデンマーククローネで預金を行う顧客に対し、利子の支払いを求め始めたことが明らかになった。
両通貨に対していわゆるマイナス金利を適用し始めたのは他に、RBCインベスター・サービシーズ、ユーロクリア。米ステート・ストリートも今後適用する。
カストディ業務を行う銀行は、顧客の預け入れ資産を他の金融機関に対する短期融資に回すことで利益を得ているが、スイスとデンマークで利下げが行われたことを受け、両国の通貨建ての資金運用による利益が枯渇。このため、顧客にコストの負担を求めた形だ。
スイスとデンマークの中央銀行が利下げを実施したのは、ユーロに代わる安全資産に資金が流れるなか、ユーロに対する自国通貨の上昇を抑制するため。ユーロ圏債務危機の影響が回り巡ってカストディ銀行業務にも出始めていることが浮き彫りとなった。
BNYメロン、ユーロクリア、RBCのそれぞれの広報担当者は、数カ月前からマイナス金利を適用し始めたことを明らかにした。ステート・ストリートは「市場状況に応じて、11月1日からデンマーククローネとスイスフランに対しマイナス金利を適用し始める」とする声明を発表した。
カストディ業務を行う一部銀行がスイスフランとデンマーククローネにマイナス金利の適用を始めたことが明らかになったことを受け、ニューヨーク市場午後の取引で、ユーロがスイスフランに対し3週間ぶり高値に上昇した。
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