Mybatisとリポジトリの関係

Mybatisとリポジトリの関係

MyBatisとリポジトリの関係

MyBatisとリポジトリパターンの関係を理解するには、まずそれぞれの役割を明確にする必要があります。

MyBatisの役割

MyBatisは、Javaアプリケーションとデータベースとの間でのデータ操作を簡素化するためのオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)フレームワークです。
MyBatisでは、SQL文をXMLファイルまたはアノテーションで定義し、Javaのメソッドにマッピングします。
これにより、SQL文を直接記述することなく、Javaのコードからデータベース操作を行うことができます。

リポジトリパターンの役割

リポジトリパターンは、データアクセス層とビジネスロジック層を分離するためのデザインパターンです。
リポジトリは、データベースへのアクセスを抽象化し、データの取得、保存、更新、削除などの操作を提供します。
リポジトリパターンを使用すると、データアクセスの実装を変更することなく、ビジネスロジック層でのデータ操作が可能になります。

MyBatisとリポジトリの統合

MyBatisとリポジトリパターンを統合することで、データベースアクセスの抽象化と管理を一元化できます。
以下はその流れです:

1. リポジトリインターフェースの定義
リポジトリインターフェースは、データアクセスメソッドを定義します。
例えば、TestEntityというクラスがあるとします。
このクラスに対するデータアクセスを管理するリポジトリインターフェースを作成します。
インターフェースには、findById、save、deleteなどのメソッドが含まれます。

2. MyBatis Mapperの定義
Mapperは、SQL文とリポジトリメソッドのマッピングを担当します。
TestEntityのリポジトリのためのMapperをXMLファイルまたはアノテーションで定義します。
例えば、findByIdメソッドに対応するselect文をMapperで定義します。

3. リポジトリの実装
リポジトリの実装クラスで、Mapperを利用して実際のデータ操作を行います。
リポジトリの実装は、Mapperインターフェースを注入し、定義されたメソッドを呼び出してデータベース操作を行います。

例: TestEntityリポジトリの実装

以下に、TestEntityというクラスに対するリポジトリの例を示します。

1. リポジトリインターフェース

TestEntityRepositoryというインターフェースを定義します。
このインターフェースには、findById、save、deleteなどのメソッドが含まれます。

2. Mapperの定義

TestEntityMapperというMapperインターフェースを定義し、TestEntityに対するSQL文をselectタグやinsertタグで定義します。

<mapper namespace="com.example.mapper.TestEntityMapper">
    <select id="findById" parameterType="int" resultType="com.example.model.TestEntity">
        SELECT * FROM test_entity WHERE id = #{id}
    </select>
    <insert id="save" parameterType="com.example.model.TestEntity">
        INSERT INTO test_entity (name, value) VALUES (#{name}, #{value})
    </insert>
    <delete id="delete" parameterType="int">
        DELETE FROM test_entity WHERE id = #{id}
    </delete>
</mapper>

3. リポジトリ実装

TestEntityRepositoryImplという実装クラスを作成し、TestEntityMapperを注入してデータ操作を実装します。

@Repository
public class TestEntityRepositoryImpl implements TestEntityRepository {
    private final TestEntityMapper testEntityMapper;

    @Autowired
    public TestEntityRepositoryImpl(TestEntityMapper testEntityMapper) {
        this.testEntityMapper = testEntityMapper;
    }

    @Override
    public TestEntity findById(int id) {
        return testEntityMapper.findById(id);
    }

    @Override
    public void save(TestEntity entity) {
        testEntityMapper.save(entity);
    }

    @Override
    public void delete(int id) {
        testEntityMapper.delete(id);
    }
}

このように、MyBatisとリポジトリパターンを組み合わせることで、データベースアクセスの抽象化とコードの分離が実現できます。
リポジトリパターンにより、ビジネスロジック層のコードがデータアクセスの詳細に依存しなくなるため、メンテナンス性が向上します。