過程重視な日本人、結果重視な欧米人
Bonjour à tous!
どうも。
「なぜ他言語を学ばなければいけないのか〜その2〜」を書こうと思ったのですが、うまく話がまとまらないので別のトピックを先に仕上げました。
去年まだ日本にいる時分に、ヨーロッパのとある国から来た先生から、
「欧米人は結果重視であるが、日本人は非常に過程重視な国民である」
という話をされたことがあります。
具体的にその先生の経験の中では、
もはや単に"みんなで決めた"というアリバイ作りのためとしか思えない、実質的に発言権の認められてない下位の役職まで総動員した非常に生産性の低い会議
契約上は毎日出勤する義務もないにもかかわらず(その先生の成果は全て論文で評価されるので労働時間は関係無い)、毎日来ている方が結果に関わらずエラいというような職場の雰囲気
などだそうです。相当うんざりしているようでした。まあこうした愚痴は日本人の先生からもたまに聞くのですが。
そこで、僕もちょっと他に例がないか考えてみました。
・スポーツ
アマチュアスポーツでは「ケガをおして練習・試合をしている」ということが評価されることが多いと思います。もう一種の美学といったほうがいいかもしれません。たとえそのケガが明らかに休養を必要とし、無理すれば後々復帰が遅れ、結果的に個人やチームの利益を損なってしまっても。さすがにプロスポーツはシビアにお金に関わるのでそうした風潮はないと思いますが。
・仕事
残業をしているやつの方がエラいとか、有給・産休をとるやつはけしからんとか、業務時間外でも会食とか飲み会とかで会社のメンバーと積極的に交流すべきだなどという考え方。(そして結果よりもそうした過程・貢献姿勢の方を無意識に評価の中心にしている場合が結構あると思う)
2015/05/27 追記
こういうのって結局、"最終的な結果に関わらず、組織のために自己を犠牲にしている人間の方がエラい"っていう意識が根底にあると思います。すなわち"過程重視"ですね。いわゆるブラック企業の存在や、再三問題視されている長時間労働が一向に解決しないのも、結局はこうした結果よりも過程重視という日本人の根底意識が変わらないことが原因なのではないでしょうか。
はっきり言って、フランス人の仕事ぶりは日本人から見ると相当怠けているように見えます。5時になるとさっさと帰るし、業務時間内でもコーヒー飲んでよくおしゃべりしているし、朝の始動もなんかだらだらしてるし。さらに休暇は日本人からすると信じられないほど長い。でも結果、一人当たりのGDPを見ると日本より上なんですよね(下記リンク)。おれ達こんなに必死こいて働いてんのに!?!?ってなる。泣ける。なんか、日本もまだ捨てたもんじゃないとかいう風潮をちらほら見かけますが、そうであって欲しいと淡い期待を持ちつつも、老害じみた戯言を言っていないで、イケイケだった80年代へのノスタルジーはもう捨てないと変わっていけないと僕は思います。
さらに仕事の効率を示す、労働生産性(就業者1人当り国内総生産、就業1時間当たり国内総生産、第2節 労働生産性の現状)を見るともっとひどい。
イタリア・スペインとか仕事嫌いな上に経済力もそれほど高くないイメージがありますが、日本はそれらの国よりまだ低いんですね。
ただこれについては、統計の取り方についてちょっと留保すべき点があるという意見もありますが(下記リンク)、
いずれにしろ、Karoshi(過労死)という言葉が世界に知られてしまうほどの自他共に認めるワーカホリックな国民であるにも関わらず、実際は全然結果が伴っていないという事実は無念極まりないわけであります。「日本はやっぱりすごいよ!」みたいなプロパガンダまがいの話ばかり共有したがる風潮が巷では流行っているようですが、冷静にいいところと悪いところを本気で見たほうがいいと思います。新興国を見下すような雰囲気が本当に怖いですね。「生き残るのが大変な世の中になってきた」と経営者とか偉い人たちが盛んに言っていますが、それが単なる定番お説教のひとつなのではなく本当に脅威が迫っているんだと実感すべきだと思います。
最後は日本の経済の話になってしまいましたが、過程ばっかり重視した結果がこれなのではないかという思いもするわけです。眠いので最後雑にまとめてしまった。
おわり
A bientôt!