悔しいプレミア12を教訓に… トップチーム井端監督が思い描く2026年WBCへの道のり
野球日本代表「侍ジャパン」は昨年11月に開催された「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で、まさかの準優勝に終わった。連覇を逃した井端弘和監督は悔しさを味わった同大会を振り返りつつ、来年3月に迫る「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(WBC)へ向けて、熱い思いを語った。
写真提供=Full-Count
プレミア12決勝で味わった一発勝負の怖さ「勝ちきらないといけない」
野球日本代表「侍ジャパン」は昨年11月に開催された「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で、まさかの準優勝に終わった。連覇を逃した井端弘和監督は悔しさを味わった同大会を振り返りつつ、来年3月に迫る「2026 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(WBC)へ向けて、熱い思いを語った。
「課題はいろいろありました。その1つは日程でした。あれだけ連戦になることはなかったので、選手も大変だったと思います。最後(決勝)にいくところまでは全部勝てたんですけど、最後に負けるとこういう結果になるというのは自分自身でも痛感しましたし、選手も十分に分かっていると思います」
バンテリンドーム ナゴヤで初戦の豪州戦を終えると、台湾への移動を挟んで4日連続で試合をこなした。その後、日本への移動日を含めた中2日での4連戦。その最終日がチャイニーズ・タイペイとの決勝戦だった。移動と連戦でタフな日程をこなした侍ジャパンは、最後に力尽きた。
「本当の意味で負けられないのが最後だった。ここは勝ち切らないといけない、というのは改めて思いました。当然、次のWBCでは準々決勝、準決勝、決勝の3つは絶対に落とせない。そこは肝に銘じてやらないといけないと思いました」
一発勝負で命運が分かれる怖さを思い知らされた大会だった。
3月のオランダ戦メンバーは主力勢に加え、サプライズ招集の可能性も
今年3月には強化試合「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」に臨む。プレミア12終了から間もない12月上旬の段階では、オランダ戦のメンバー選考について「コーチの意見も聞いてからなので、方向性はまだ」としながらも、「プレミア12では、本来呼びたかった選手が怪我などで呼べなかったこともあります。そのあたりは来てもらわないと困ります」と語る。
怪我のために出場を辞退したのは岡本和真、吉川尚輝の両内野手(ともに読売)、伊藤大海投手、万波中正外野手(ともに北海道日本ハム)。さらに昨年のセ・リーグ2冠王の村上宗隆内野手(東京ヤクルト)も10月上旬に右足の親指の骨折が判明しており、メンバー選考から外れていた。この5選手が選出されるのかも、3月の大きな見どころとなりそうだ。
さらなる新戦力の発掘も視野に入れている。「ある程度見てきた選手というよりは、見ることができていない選手は、しっかり自分の目で把握しておきたいと思います」と、サプライズ招集の可能性にも含みを持たせた。
また、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手をはじめとする、メジャーで活躍する選手についても言及。「ある程度レベルの高いところでやっているという認識なので。シーズンを怪我なく、いい成績を出してもらえたらと思います」。レギュラーシーズン中は「集中してもらいたいので」と接触は控える予定で、「キャンプあたりで喋れたらいいなと思います」と開幕前にコミュニケーションを図り、WBC出場への意思確認などを行う意向だ。
プレミア12の決勝で見たチャイニーズ・タイペイの勝利への執念
WBCへ向けては「まずはアメリカに行くことだと思います」と日本で行われる第1ラウンド突破を掲げ、「そこからが勝負」と力強く語る。米国では準々決勝から最大3試合が予定されている。
「この3試合をどう戦うかというところ。まずは、きっちり予選を通過することは最低条件。(プレミア12では)そこからチャイニーズ・タイペイもギアが変わってきたので、全試合が決勝のつもりでやっていかないといけない」
プレミア12の大一番でチャイニーズ・タイペイが見せた勝利への執念、そして集中力。その勢いを決勝で侍ジャパンが見せつけらたことは、敗戦の中で得た大きな“収穫”とも言える。まずは第1ラウンド突破。「抜けることしか考えていない。とにかく相手よりも1点でも多く点を取って勝てたらいいと思います」と決意を示した。
第5回WBC優勝が社会に与えた大きな影響「野球人口は間違いなく増えた」
これまでWBCには選手、コーチとして参戦し、侍ジャパンの戦いぶりが社会に与える影響力の大きさを実感している。
「(WBCで)前回優勝して、野球人口は間違いなく増えたと思いますので、せっかく野球界がいい方向に進んでいる中で、次も勝たないといけないと思います。それ以降も国際大会は目白押しとなってくると思いますので、勝ち続けることが大事になってくると思っています」
侍ジャパンの指揮官という使命を背負い、井端監督は来年3月のWBC本番まで全力で駆け抜けることを約束した。
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