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WASP-50

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
WASP-50[1]
WASP-50[1]
仮符号・別名 Chaophraya[2]
星座 エリダヌス座
見かけの等級 (mv) 11.44[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  02h 54m 45.1342702056s[1]
赤緯 (Dec, δ) −10° 53′ 53.026038098″[1]
赤方偏移 0.000084[1]
視線速度 (Rv) 25.24 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 3.281 ミリ秒/年[1]
赤緯: 8.963 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 5.3816 ± 0.0540ミリ秒[1]
(誤差1%)
距離 606 ± 6 光年[注 1]
(186 ± 2 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 5.1[注 2]
WASP-50の位置
物理的性質
半径 0.861 ± 0.057 R[3]
質量 0.855 ± 0.019 M[3]
表面重力 log g 4.509 ± 0.016[4]
スペクトル分類 G9V[1]
光度 2.27 ± 0.43 L[3]
表面温度 5,400.0 ± 100.0 K[5]
金属量[Fe/H] -0.12 ± 0.08[5]
年齢 8.1 +4.5
−7.0
×109[4]
他のカタログでの名称
2MASS J02544513-1053530[1], Gaia DR2 5160557726183065984[1], GSC 05290-00462[1], TYC 5290-462-1[1]
Template (ノート 解説) ■Project

WASP-50は、エリダヌス座恒星11等星太陽系外惑星が発見されている。

概要

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G9のスペクトルを持つ黄色の主系列星[1][6]ガイア計画で観測された年周視差によると地球から約606光年の位置にある[注 1]。半径、質量とも太陽よりやや小さい。

2011年、太陽系外惑星探索コンソーシアムWASP(Wide Angle Search for Planets)」のチームが2010年から2011年にかけて行ったトランジット法による探査で、木星の約1.44倍の質量を持つ太陽系外惑星WASP-50bが発見された[5]。主星からわずか0.03天文単位 (au) の軌道を約2日の周期で公転している[5]

WASP-50の惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Maeping) 1.437 ± 0.068 MJ 0.02913 ± 0.00064 1.9550959 ± 0.0000051 0.009 ± 0.006 84.74 ± 0.24° 1.138 ± 0.026 RJ

名称

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2019年、世界中の全ての国または地域に1つの系外惑星系を命名する機会を提供する「IAU100 Name ExoWorldsプロジェクト」において、WASP-50 と WASP-50b はタイ王国に割り当てられる系外惑星系となった[6]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、タイ王国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て、2019年12月に最終結果が発表される予定である[7]。このプロジェクトは、「国際天文学連合100周年事業」の一環として計画されたイベントの1つで、タイ国内での選考、国際天文学連合 (IAU) への提案を経て太陽系外惑星とその主星に固有名が承認されるものであった[7]。2019年12月17日、IAUから最終結果が公表され、WASP-50はChaophraya、WASP-50 bはMaepingと命名された[2]。Chaophraya はタイを流れる大河チャオプラヤー川 (Chao Phraya) に、Maeping はチャオプラヤー川の支流の1つであるピン川 (Mae Ping, Mae Nam Ping) に、それぞれちなんで名付けられている[2]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q WASP-50”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2019年7月13日閲覧。
  2. ^ a b c Thailand | NameExoworlds”. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月13日閲覧。
  3. ^ a b c d WASP-50b”. The Extrasolar Planets Encyclopaedia. exoplanet Team. 2019年7月12日閲覧。
  4. ^ a b Tregloan-Reed, Jeremy et al. (2013). “An extremely high photometric precision in ground-based observations of two transits in the WASP-50 planetary system”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 431 (1): 966-971. arXiv:1212.0686. Bibcode2013MNRAS.431..966T. doi:10.1093/mnras/stt227. ISSN 0035-8711. 
  5. ^ a b c d Gillon, M. et al. (2011). “WASP-50 b: a hot Jupiter transiting a moderately active solar-type star”. Astronomy & Astrophysics 533: A88. arXiv:1108.2641. Bibcode2011A&A...533A..88G. doi:10.1051/0004-6361/201117198. ISSN 0004-6361. 
  6. ^ a b List of stars and planets | IAU100 Name ExoWorlds - An IAU100 Global Event” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合. 2019年7月13日閲覧。
  7. ^ a b Methodology | IAU100 Name ExoWorlds - An IAU100 Global Event” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合. 2019年7月13日閲覧。

外部リンク

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