麻生幾
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麻生 幾(あそう いく、1960年 - )は、日本の小説家[1]。海上保安庁政策アドバイザーも歴任した[2]。
略歴
[編集]1960年、大阪府生まれ[1]。『週刊文春』の事件記者として活動していた1996年、日本政府の危機管理システムの欠陥を描いたノンフィクション『情報、官邸に達せず』を発表する(前年に阪神・淡路大震災が起きている)。翌1997年、江陵浸透事件を基にした「北朝鮮潜水艦敦賀湾に漂着す」を『文藝春秋』に発表する。これを基に初のフィクションとなる『宣戦布告』を執筆し、映画化もされた。
本名非公開の覆面作家として知られ[3]、メディアへの露出を避け、『北海道新聞』や『スポーツ報知』など紙メディアに限り、サングラス着用の顔写真を公開してきたが、2015年9月25日にBS日本で放送された『深層NEWS』にて、メディアの前で初めて素顔で出演した[4]。その後、素顔での露出も増えている。
安全保障やインテリジェンス分野を中心に執筆しており、外事警察やSATのほか、スカイマーシャルなどの取材に定評がある[5]。国交省、自衛隊、警察、内閣危機管理センターの知られざる戦いを描いた『前へ!-東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録』などのノンフィクション作品も発表し、圧倒的な取材力は他の追随を許さないと評される[6]。
六角弘(本名:佐々木弘。元週刊文春記者でジャーナリスト)主宰の「六角マスコミ塾」講師である。
著作
[編集]- 『情報、官邸に達せず』 (文藝春秋、1996年 / 新潮文庫、2001年)
- 『極秘捜査 ―警察・自衛隊の「対オウム事件ファイル」―』 (文藝春秋、1997年 / 文春文庫、2000年)
- 『宣戦布告』 (講談社【上・下】、1998年 / 講談社文庫【上・下】、2001年)
- 『戦慄 ―昭和・平成裏面史の光芒―』 (新潮社、1999年)
- 【加筆・改題】『封印されていた文書(ドシエ) 昭和・平成裏面史の光芒part1』 (新潮文庫、2002年)
- 『ZERO』 (幻冬舎【上・下】、2001年 / 幻冬舎文庫【上・中・下】、2003年)
- 『消されかけたファイル 昭和・平成裏面史の光芒part2』 (新潮文庫、2002年)
- 『38℃ 北京SARS医療チーム「生と死」の100日』 (新潮社、2004年)
- 『ケース・オフィサー』 (扶桑社【上・下】、2004年 / 幻冬舎文庫【上・下】、2009年)
- 『瀕死のライオン』 (幻冬舎【上・下】、2006年 / 幻冬舎文庫【上・下】、2010年)
- 『エスピオナージ』 (幻冬舎、2007年 / 幻冬舎文庫、2013年)
- 『特命』 (幻冬舎、2008年)
- 『ショットバー』 (幻冬舎、2009年)
- 『外事警察』 (日本放送出版協会、2009年 / 幻冬舎文庫、2012年)
- 『奪還』 (講談社、2010年 / 講談社文庫、2013年)
- 『前へ!――東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録』 (新潮社、2011年 / 新潮文庫、2014年)
- 『外事警察 CODE:ジャスミン』 (日本放送出版協会、2011年 / 幻冬舎文庫、2014年)
- 『女性外交官・ロシア特命担当 SARA』(幻冬舎、2016年)
- 『アンダーカバー ―秘録・公安調査庁―』(幻冬舎、2018年3月)
- 『観月』 (文藝春秋、2020年)
- 『トツ!』 (幻冬舎、2020年 / 幻冬舎文庫、2022年)
- 『QUEEN スカイマーシャル 兼清涼真』(角川春樹事務所、2021年)
- 『SPはなぜYを撃たなかったか《緊急特集 テロルの総決算》』 (文藝春秋、2022年)
- 『リアル』 (角川春樹事務所、2024年)
- 『ピースキーパー SST 海上保安庁特殊部隊』 (幻冬舎、2024年)
文庫版はすべて、単行本版に加筆修正を行っており、内容は異なる点が多い。
映像化
[編集]- 映画『宣戦布告』(2002年、東映)
- テレビドラマ『外事警察』(2009年、NHK) - 『外事警察』が原案。
- 映画『外事警察 その男に騙されるな』(2012年、東映 / S・D・P) - 『外事警察 CODE:ジャスミン』が原案。
脚注
[編集]- ^ a b 『奪還』(麻生 幾):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
- ^ 【協会のうみまる】海上保安庁政策アドバイザーの麻生幾さん. 海上保安協会 . 2022年10月25日閲覧。
- ^ 『観月』 麻生幾 著 (文芸春秋・1870円)|【西日本新聞me】
- ^ “自衛隊活動、国連軍とのせめぎ合いに…麻生幾氏”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2015年9月25日). オリジナルの2015年9月25日時点におけるアーカイブ。 2021年10月5日閲覧。
- ^ “「スカイマーシャル」という知られざる空の守護者の特殊任務の現実を描いた、麻生幾、圧巻の警察サスペンスの登場! | インタビュー | Book Bang -ブックバン-”. 角川春樹事務所. (2021年9月) 2022年10月5日閲覧。
- ^ 麻生幾さんの無料連載小説が始まりました!|文藝春秋digital
外部リンク
[編集]- 麻生幾 (@ikuaso095) - X(旧Twitter)