女刑事キャグニー&レイシー
女刑事キャグニー&レイシー Cagney & Lacey | |
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ジャンル | 海外ドラマ 刑事ドラマ |
企画 |
バーバラ・アベドン バーバラ・コーディ |
出演者 |
タイン・デイリー シャロン・グレス メグ・フォスター ジョン・カーレン アル・ワックスマン ハーヴェイ・アトキン ロバート・ヘジス カール・ランブリー マーティン・コーヴ |
オープニング |
"Ain't That the Way" Marie Cain(第1シーズン) ビル・コンティ(第2シーズン以降) |
製作 | |
製作総指揮 | バーニー・ローゼンツワイグ |
制作 | CBS |
放送 | |
放送国・地域 | アメリカ合衆国 |
放送期間 | 1982年3月25日 - 1988年5月16日 |
放送分 | 60分 |
回数 | 125 |
女刑事キャグニー&レイシー(おんなけいじキャグニーアンドレイシー、Cagney & Lacey )は、1982年から1988年までCBSで放送されたアメリカのテレビドラマ。2人組の女性刑事を主人公とする刑事ドラマで、エミー賞の作品賞を2回受賞。日本では、1980年代に地上波テレビにおいて放映され、その後海外ドラマを放送するCS放送でも放映された。
概要
[編集]ニューヨークのミッドタウン南地区を管轄するニューヨーク市警察第14分署を舞台に、二人の女性刑事キャグニーとレイシーの活躍を描いた刑事ドラマ。推理を中心としたドラマではなく、独身のキャリアウーマン・キャグニーと、既婚者で2児の母・レイシーという好対照な主人公の2人が事件に立ち向かう様子を、職場での同僚たちや家族と過ごす場面も交えて、人間性豊かに描いている。1時間ドラマ。
1981年10月、映画『ダーティハリー3』の女性刑事役の演技で鮮烈な印象を残したタイン・デイリーをレイシー役に、CBSの人気シリーズ『マッシュ』にレギュラー出演中のロレッタ・スウィットをキャグニー役に起用したパイロット版を放送し、それが好評だったことからレギュラー放送が決定したが、継続出演を希望したスウィットが『マッシュ』の降板が認められず参加できなくなり、キャグニー役をメグ・フォスターに変更して、1982年3月に木曜21時からの1時間枠でレギュラー放送を開始。しかし第1シーズン全6話が不調に終わると、CBSの上層部は「キャグニーが女性的でない」とフォスターの演技に不満を示し、番組存続の条件としてキャストの交代を要求。その結果、フォスターに代わるキャグニー役として、ユニバーサルとの契約が終了したばかりのシャロン・グレスが新たに起用され、同時にオープニングもビル・コンティ作曲のテーマ曲に変更し、時間帯も前年度まで『事件記者ルー・グラント』が放送されていた月曜22時台に移動した。しかし視聴率は第1シーズンを少し上回った程度で、CBSは低視聴率を理由に第2シーズン終了後の1983年5月に打ち切りを発表。ところがその直後からCBSや新聞各社に打ち切りに反対する抗議の手紙が来るようになり、9月にデイリーがプライムタイム・エミー賞でドラマシリーズ部門の主演女優賞を受賞した事も追い風となり、CBSは打ち切りを撤回し1984年3月にシリーズが再開。その後は安定して高視聴率を獲得するようになり、第7シーズンまで続く長寿番組となった。レギュラー放送終了後、1994年から1996年にかけてデイリーとグレス主演で単発のTVムービーが4本製作された。
作品の舞台はニューヨークだが、撮影の大半はトロント(パイロット版)とロサンゼルスで行われた。
登場人物
[編集]- メリー・ベス・レイシー刑事
- “クリス”クリスティン・キャグニー刑事
- 演:ロレッタ・スウィット Loretta Swit(パイロット版)→メグ・フォスター Meg Foster(第1シーズン)→シャロン・グレス Sharon Gless(第2シーズン以降)/吹き替え:吉田理保子
- ニューヨーク市警察第14分署の刑事。独身。
- ハービー・レイシー
- 演:ロナルド・ハンター Ronald Hunter(パイロット版)→ジョン・カーレン John Karlen/吹き替え:島香裕
- メリー・ベスの夫。かつては建築関係の仕事についていたが、不景気や持病のためなかなか復帰できずにいる。
- バート・サミュエル警部
- 演:アル・ワックスマン Al Waxman/吹き替え:藤本譲
- ニューヨーク市警察第14分署署長でクリスとメリー・ベスの理解者。別れた妻セルマとの間に生まれた3人兄弟の長男デヴィッドの非行に悩まされている。
- ワックスマンはシリーズ後期に6エピソードで監督を務めた。
- ロナルド・コールマン内勤巡査部長
- 演:ハーヴェイ・アトキン (Harvey Atkin)/吹き替え:広瀬正志
- ポール・ラガーディア刑事
- 演:シドニー・クルート(Sidney Clute)
- クルートが1985年に死去した後も、番組終了までオープニングに登場し続けた。
- ビクター・イスベッキ刑事
- 演:ジェファーソン・マッピン Jefferson Mappin(パイロット版)→マーティン・コーヴ( Martin Kove)/吹き替え:秋元羊介
- マーカス・ペトリー刑事
- 演:カール・ランブリー( Carl Lumbly)/吹き替え:佐藤正治
- イズベッキの相棒。妻クローディアと娘ローレンがいる。第7シーズン序盤に昇進に伴う異動のため14分署を去る。
- ドリー・マッケンナ刑事
- 演:バリー・プリマス
- 第2シーズンと第4シーズンの数回に登場。
- ジョナ・ニューマン刑事
- マニー・エスポジート刑事
- 演:ロバート・ヘジス( Robert Hegyes)/吹き替え:荒川太郎
- ニューマンの後任として第6シーズンから着任。
- アル・コラッサ刑事
- 演:ポール・マンティ Paul Mantee
- ニューマン、エスポジートとコンビを組むベテラン刑事。
- ヴェルナ・ディー・ジョーダン刑事
- 演:メリー・クレイトン Merry Clayton
- ペトリーに代わるイズベッキの相棒として14分署に赴任した中年の女性刑事。
- チャーリー・キャグニー
- 演:ディック・オニール Dick O'Neill/吹き替え:堀勝之祐
- クリスの父親。元警官。アルコール中毒になり、それがもとで第6シーズンの終盤に死亡する。
- マイケル・レイシー
- ハービー・レイシー・ジュニア
- 演:トニー・ラトーレ( Tony La Torre
- メリー・ベスの息子。
サブタイトル
[編集]1982年から1988年にドラマシリーズとして7シーズンにわたって全125話放送されたが、これに先立つ1981年に、テレビ映画のパイロット版として1話が制作・放映されていた。
第1シーズン(1982年)
[編集]#1 Bang, Bang, You're Dead
#2 Pop Used to Work Chinatown
#3 Beyond the Golden Door
#4 Street Scene
#5 Suffer the Children
#6 Better Than Equal
第2シーズン(1982年-1983年)
[編集]#7 Witness to an Incident 私は見た!
#8 One of Our Own チーム・メイト
#9 Beauty Burglars 美容院怖い!
#10 High Steel 灰色の青写真
#11 Hot Line 殺しのホットライン
#12 Internal Affairs スパイ大作戦
#13 Mr. Lonelyhearts ミスター孤独
#14 Conduct Unbecoming 賭ける、駆ける
#15 I'll Be Home for Christmas クリスマスプレゼント
#16 Recreational Use
#17 Hopes and Dreams 赤い自転車
#18 The Grandest Jewel Thief of Them All 華麗なる大泥棒
#19 Affirmative Action 対決・ルーキー刑事
#20 Open and Shut Case ごく簡単な事件
#21 Jane Doe #37 ジェーン・ドゥ37号
#22 Date Rape 憎むべき男
#23 Burn Out 燃えつきて…
#24 Chop Shop ばらしや稼業
#25 Let Them Eat Pretzels 裏取引
#26 The Gang's All Here 14分署の大失態
#27 A Cry for Help 女性の敵
#28 The Informant 密告者
第3シーズン(1984年)
[編集]#29 Matinee 昼下がりの出来事
#30 A Killer's Dozen 警官ストに赤いバラ
#31 Victimless Crime 被害者なき犯罪
#32 The Bounty Hunter 賞金稼ぎアメリカン
#33 Baby Broker ベビーブローカー
#34 Partners 私のパートナー
#35 Choices 続、私の大事な人
第4シーズン(1984年-1985年)
[編集]#36 Child Witness 小さな証言者
#37 Heat 暑くて長い一日
#38 Insubordination 不服従
#39 Old Debts 借りは返せ
#40 Fathers and Daughters 父と娘
#41 Taxicab Murders タクシーに乗らないで
#42 Unusual Occurence 少年を撃った
#43 Thank God It's Monday 素晴らしき週末
#44 Hooked あなたを信じたい
#45 Lady Luck 人の命を救ったら…
#46 Out of Control 立派な母親
#47 American Dream アメリカの夢
#48 Happily Ever After 私の好きな生き方
#49 Rules of the Game 昇進のルール
#50 Stress 普通の生活に戻りたい
#51 Who Says It's Fair - Part 1 目の前に暗闇(Part 1)
#52 Who Says It's Fair - Part 2 目の前に暗闇(Part 1)
#53 Lost and Found そして失うものは…
#54 Two Grand 華麗なる大泥棒、再び登場
#55 Con Games 根くらべ
#56 Violation 犯されて
#57 Organized Crime マフィアの手
第5シーズン(1985年-1986年)
[編集]#58 On the Street 娼婦A
#59 Ordinary Hero 悲しき英雄
#60 The Psychic 女刑事対占い師
#61 Lottery 賢者の贈り物
#62 Entrapment 私はうそはつけない
#63 The Clinic 女性クリニック
#64 Mothers & Sons 母と子
#65 Filial Duty
#66 Old Ghosts
#67 Power
#68 Play It Again, Santa
#69 Rebukes
#70 Act of Conscience
#71 DWI
#72 The Gimp
#73 Family Connections
#74 Post Partum
#75 The Man Who Shot Trotsky
#76 Exit Stage Centre
#77 Capitalism
#78 Extradition ロスでリラックス
#79 A Safe Place 安らぎを求めて
#80 Model Citizen 突然の他人
#81 Parting Shots さよならニューマン
第6シーズン(1986年-1987年)
[編集]#82 Schedule One 第一級重要犯罪
#83 Culture Clash 機械の歯車
#84 Sorry, Right Number 呪われた週末
#85 Disenfranchised 親の資格
#86 Role Call
#87 The Zealot
#88 The Marathon
#89 Rites of Passage
#90 Revenge
#91 To Thine Own Self Be True
#92 Cost of Living
#93 Waste Deep
#94 Favours
#95 Ahead of the Game
#96 Easy Does It
#97 To Sir, With Love
#98 Divine Couriers
#99 Right to Remain Silent
#100 Special Treatment
#101 Happiness is a Warm Gun
#102 Turn, Turn, Turn - Part 1 アイ・ラブ・チャーリー
#103 Turn, Turn, Turn - Part 2 アイ・ラブ・キャグニー
第7シーズン(1987年-1988年)
[編集]#104 No Vacancy ハリーの災難です。
#105 The City is Burning 色々な人々がいて…
#106 Loves Me Not さよならペトリー
#107 Different Drummer おばあさんは魔女
#108 You've Come a Long Way, Baby あたし達なりの道のり
#109 Video Verite 売り込みは楽じゃない
#110 Greed クイズの達人
#111 Secrets 秘め事はなしにして
#112 Do I Know You?
#113 Old Flames
#114 Trading Places
#115 Shadow of a Doubt
#116 Hello Goodbye
#117 School Daze
#118 Land of the Free
#119 A Class Act
#120 Button, Button
#121 Amends 闇の中からヘルプ
#122 Friendly Fire
#123 Yup やっぱりヤッピー
#124 A Fair Shake - Part 1 迫る影 Part I
#125 A Fair Shake - Part 2 迫る影 Part II
TVムービー(1994年-1996年)
[編集]- Cagney And Lacey: The Return (1994)
- TVシリーズ終了から6年後を描く。キャグニーは結婚してキャグニー=バートン姓となり、地方検事局の捜査官として働いていた。一方のレイシーは警察を退職し主婦として過ごしていたが、夫ハービーが心臓発作で倒れ、再び家庭を支えるため、銃器窃盗犯を追っていたキャグニーに協力する。
- Cagney And Lacey: Together Again (1995)
- Cagney And Lacey: The View Through the Grass Ceiling (1995)
- Cagney And Lacey: True Convictions (1996)
受賞歴
[編集]プライムタイム・エミー賞の作品賞を2回をはじめ、7つの賞を14回受賞している[2]。
- ドラマシリーズ部門・作品賞 2回(1985年、1986年)
- ドラマシリーズ部門・主演女優賞 6回(1983年・1984年・1985年・1988年:タイン・デイリー、1986年・1987年:シャロン・グレス)
- ドラマシリーズ部門・助演男優賞 1回(1986年:ジョン・カーレン)
- ドラマシリーズ部門・脚本賞 1回(1985年、パトリシア・グリーン)
- ドラマシリーズ部門・演出監督賞 2回(1985年:カレン・アーサー、1986年:ジョーグ・スタンフォード・ブラウン)
- シリーズ部門・フィルム音響編集賞 1回(1985年)
- シリーズ部門・フィルム編集賞 1回(1985年、ジム・グロス)
- テレビシリーズ ドラマ部門・最優秀女優賞(1986年:シャロン・グレス)
日本での放映局
[編集]- 日本テレビ(ナイト・スクリーン枠での放送)
- 読売テレビ
- 中京テレビ
- 長野放送(金曜 0:20 - 1:15)[3]
- スーパーチャンネル
- 『寺谷一紀(ラジオ関西)のまいど!まいど!』(テーマ曲が同番組のテーマ曲 。『寺谷一紀の~』Wikipediaに記事あり)
脚注
[編集]- ^ 放送期間中にデイリーが妊娠したため、それに合わせて番組でも3人目の子供が誕生した。
- ^ Academy of Television Arts & Sciences
- ^ 『長野放送二十年の歩み』(1989年5月25日、長野放送発行)175p『平成元年3月基本番組表』より。