千住明
千住 明 | |
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2022年 | |
基本情報 | |
生誕 | 1960年10月21日(64歳) |
出身地 | 日本 東京都杉並区 |
学歴 |
慶應義塾幼稚舎卒業 慶應義塾普通部卒業 慶應義塾高等学校卒業 慶應義塾大学工学部中退 東京藝術大学音楽学部作曲科卒業 東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程修了 |
ジャンル |
劇伴 クラシック音楽 |
職業 |
作曲家 編曲家 音楽プロデューサー |
担当楽器 |
指揮 ピアノ |
活動期間 | 1986年 - 現在 |
公式サイト | 千住明 公式サイト |
千住 明(せんじゅ あきら、1960年10月21日 - )は、日本の作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。JASRAC理事。タレントとしても幅広く活躍している。
経歴
[編集]1960年、東京都杉並区生まれ。幼稚舎より慶應義塾で学ぶ[1]。慶應義塾高等学校在学中はバンド活動にのめり込むが、同大学の教授である父親と同じ道を進むため、慶應義塾大学工学部に進学する。この時期にはAORバンド「杉山清貴&オメガトライブ」の前身となるバンド「きゅうてぃぱんちょす」でキーボードを担当し、ヤマハポピュラーソングコンテストに入賞している[2]。しかし、本格的に音楽の道を進むことを決め大学を中退、2浪を経て東京藝術大学作曲科に入学する。
東京藝術大学卒業、同大学院修了(首席)。在学中、南弘明、黛敏郎らに師事した。修了作品『EDEN』(コンピュータによる音楽作品)は東京藝術大学買上[注 1]となり、東京藝術大学芸術資料館に永久保存されている。1991年から1993年にかけて、東京藝術大学作曲科講師。1994年から1995年、2006年と慶應義塾大学文学部講師。2007年からは東京音楽大学客員教授。
活動
[編集]かつては日本テレビ、TBS、フジテレビでの野島伸司脚本・企画のドラマ音楽を多く手がけていたが、2010年に放送された『GOLD』を最後にこれらの劇伴に関わらなくなり、2023年には野島が脚本を執筆した『何曜日に生まれたの』ではなく、同作の裏番組となった『VIVANT』の劇伴に関わった。
「アニメを担当する時は、気力と体力と自信が自分には必要」とサウンドトラックなどで語っている。また、1993年の『機動戦士Vガンダム』が終わってからはアニメの仕事は避けていたと、『B'T X』のサウンドトラックの中で語っている。
中森明菜のカバー・アルバム『歌姫』シリーズをすべて手掛け、累計100万枚の売り上げを記録させている。また、2007年に中森が発表した『歌姫』に続く演歌・歌謡曲のカバー・アルバム『艶華 -Enka-』でも千住がプロデュースを担当している。
幼少時から料理に親しんでおり、今でも仕事の気分転換に調理を行っているという。テレビ出演時にはその腕前を披露することもあり、フジテレビの『アイアンシェフ』では番組のテーマソングを担当するほか、自らも審査員として出演した。 ゲスト出演した2023年8月18日放送の「アニソン・アカデミー」にて「自分で作る時は夜に外食して脂や塩分を摂る為、脂や塩分を極力入れないで作る」、「一曲書くの3時間から4時間掛かるので一曲書く間に出汁を取る」、「妹の真理子は指を使うから(バイオリニストである為)手伝いをさせてもらえなかったが、自分は随分手伝いをした」等料理に関するエピソードを語る。
家族・親族
[編集]- 父:千住鎮雄は経済性工学の研究者。慶應義塾大学名誉教授。
- 母:千住文子はエッセイスト・教育評論家。角倉家の生まれであり、先祖に角倉了以、角倉賀道がいる)。
- 兄:千住博は日本画家[注 2]。元京都造形芸術大学学長。
- 妹:千住真理子はヴァイオリニスト。母・文子の著書『千住家にストラディヴァリウスが来た日』には、妹・真理子のストラディヴァリウス購入にあたり、明が「僕が、何とかする」と言い、ニューヨーク在住の兄・博と連携しつつ、金策に奔走した様子が描かれている。
主な作品
[編集]テレビアニメ
[編集]- ママは小学4年生(1992年、日本テレビ)
- 機動戦士Vガンダム(1993年 - 1994年、テレビ朝日)
- 交響組曲 第2番 THOUSAND NESTS『機動戦士Vガンダム』より(1993年、ポーランド放送管弦楽団演奏、アンソニー・イングリス指揮)
- 沈黙の艦隊(1995年、OVA)
- B'T X ビート・エックス(1996年、TBSテレビ)
- 鉄人28号(2004年、テレビ東京)
- 雪の女王(2005年、NHK総合)[3]
- RED GARDEN(2006年、テレビ朝日)
- 鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(2009年、毎日放送)
- 革命機ヴァルヴレイヴ(2013年、毎日放送)
- バッテリー(2016年、フジテレビ)
テレビドラマ
[編集]- 誰かが彼女を愛してる(1992年、フジテレビ)伴一彦脚本
- 高校教師(1993年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 人間・失格〜たとえばぼくが死んだら(1994年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 家なき子(1994年、日本テレビ)野島伸司企画、高月真哉脚本
- いつも心に太陽を(1994年、TBSテレビ)小松江里子脚本
- 未成年(1995年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 家なき子2(1995年、日本テレビ)野島伸司企画、山崎淳也脚本
- 世紀末の詩(1998年、日本テレビ)野島伸司脚本
- 青の時代(1998年、TBSテレビ)小松江里子脚本
- 聖者の行進(1998年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 美しい人(1999年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 君が教えてくれたこと(2000年、TBSテレビ)武田百合子脚本
- Summer Snow(2000年、TBSテレビ)小松江里子脚本
- ドラマ家族模様 バブル(2001年、NHK)鎌田敏夫脚本
- ストロベリー・オンザ・ショートケーキ(2001年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 第28回ドラマアカデミー賞劇中音楽賞受賞
- 連続テレビ小説 ほんまもん(2001年、NHK)西荻弓絵脚本
- 恋を何年休んでますか (2001年、TBSテレビ) 吉田紀子脚本
- 婚外恋愛(2002年、テレビ朝日)浅野妙子脚本
- 名古屋仏壇物語(2002年、NHK)輿水泰弘脚本
- 高校教師(2003年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 仔犬のワルツ NTV開局50年特別企画(2004年、日本テレビ)野島伸司企画、吉野万理子脚本
- 砂の器(2004年版)(2004年、TBSテレビ)龍居由佳里脚本
- NHK夜の連続ドラマ 結婚のカタチ(2004年、NHK)青柳祐美子脚本
- 日曜劇場 夫婦。(2004年、TBSテレビ)遊川和彦脚本
- 日曜劇場 あいくるしい(2005年、TBSテレビ)野島伸司脚本
- 日曜劇場 恋の時間(2005年、TBSテレビ) 吉田紀子脚本
- ドラマ・コンプレックス戦国自衛隊・関ヶ原の戦い(2006年、日本テレビ)石原武龍脚本
- 大河ドラマ 風林火山(2007年、NHK)井上靖原作、大森寿美男脚本(第49話では武田軍の兵士役で直接出演している)
- 感染爆発〜パンデミック・フルー(2007年、NHK)林宏司脚本
- 「古代史ドラマスペシャル」・大仏開眼(2010年、NHK)池端俊策脚本
- GOLD (2010年、フジテレビ、池頼広と担当)野島伸司脚本
- 99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜 (2010年、TBSテレビ)橋田壽賀子脚本
- ドラマスペシャル 心の糸 (2010年、NHK)龍居由佳里脚本[4]
- ドラマ10 激流〜私を憶えていますか?〜(2013年、NHK) 吉田紀子脚本
- 土曜ドラマ 足尾から来た女(2014年、NHK) 池端俊策脚本
- LEADERS リーダーズ(2014年、TBSテレビ)
- レッドクロス〜女たちの赤紙〜(2015年、TBSテレビ)橋本裕志脚本
- 日曜劇場 流星ワゴン(2015年、TBSテレビ)八津弘幸脚本
- アルジャーノンに花束を(2015年、TBSテレビ)
- ドラマ10 水族館ガール(2016年、NHK)荒井修子脚本
- 百合子さんの絵本 〜陸軍武官・小野寺夫婦の戦争〜(2016年、NHK) 池端俊策脚本
- LEADERS II(2017年、TBSテレビ) 八津弘幸脚本
- VIVANT(2023年、TBSテレビ)八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈脚本
ドラマ以外のテレビ番組
[編集]- NHKスペシャル (NHK)
- NHK 日本 映像の20世紀(1999年 - 2000年、NHK)
- 夢の扉 〜NEXT DOOR〜 (2004年 - 2011年、TBSテレビ)
- みんなのうた 「光のゲンちゃん」 (2008年4月 - 5月、NHK)
- スーパー競馬 (1995年 - 2007年、フジテレビ)
- アイアンシェフ (2012年 - 2013年、フジテレビ) 前述の通り審議委員として出演することもある。
- テレビ未来遺産 (2013年 - 2016年、 TBSテレビ)
映画
[編集]- りぼん〜RE-BORN(1988年)
- 226(1989年)
- ツルモク独身寮(1991年)
- ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年)
- 東方見聞録(1992年)
- 高校教師(1993年)
- 家なき子(1994年)
- RAMPO〜インターナショナル・ヴァージョン(1995年)
- わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語(1996年) 第20回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞
- タイム・リープ(1997年)
- どんぐりの家(1997年)
- 愛を乞うひと(1998年) 第22回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞
- アリーテ姫(2000年)
- 劇場版 幻想魔伝 最遊記(2001年)
- 目下の恋人(2002年)
- クラッシュ(2003年)
- 黄泉がえり(2003年) 第27回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞
- ミラーを拭く男(2004年)
- 鉄人28号(2005年)
- HINOKIO(2005年)
- この胸いっぱいの愛を(2005年)
- 涙そうそう(2006年)
- 象の背中(2007年)
- 風が強く吹いている(2009年)
- テイルズ オブ ヴェスペリア〜The First Strike〜(2009年)
- マジック・ツリーハウス(2012年)
- 追憶(2017年)
- つるばみ色のなぎ子たち (時期未定[5])
CM
[編集]- アサヒビール「スーパードライ」
- 日産自動車(2001年) 企業CM
- Panasonic「VIERA」「DIGA」(2006年)
- ソフトバンクモバイル(2010年)「予想外な家族・白戸(ホワイト)家」シリーズCM
舞台
[編集]- 宝塚歌劇団花組、戦国BASARA 真田幸村編(2013年)主演:蘭寿とむ、蘭乃はな
ゲーム
[編集]- トライアングルストラテジー(2022年)[6]
純音楽
[編集]- ヴァイオリンとストリングオーケストラの為の『彩霧』(1994年、NHK Hi-vision委嘱)
- ヴァイオリン協奏曲『Return to the Forest』(2000年)
- ヴァイオリンとストリングオーケストラの為の「四季」(2004年、日本空港ビルデング委嘱)
- 交響曲 第1番(2005年、山形交響楽団委嘱)
- 『日本交響詩』(2005年、NHK放送80周年記念委嘱作品)
- ブレス・アンド・ロザリー〜オーケストラの為の〜(2006年、山形交響楽団委嘱)
- 映像音楽による組曲『白神山地〜命そだてる森』〜横笛とオーケストラの為の〜(2007年、山形交響楽団委嘱)
- オペラ『隅田川』(2007年、東京文化会館委嘱)
- 詩篇交響曲『源氏物語』(2008年)
- 合唱曲『ここからいちばんとおいところ』『夢の太陽』(2009年、第76回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲)
- オペラ『万葉集』(2009年、東京文化会館委嘱)
- andante 〜母・千住文子に捧ぐ〜(2013年)
- オペラ『滝の白糸』(2014年、オーケストラ・アンサンブル金沢委嘱)
その他
[編集]- 辛島美登里のクリスマスコンサートのアレンジャーとして1999年より参加。
- 「Voyage」(2006年、愛・地球博三井・東芝館「グランオデッセイ」主題歌(歌:大貫妙子))
- 北里大学校歌「生命の北辰(いのちのほくしん)」を2012年に作曲・編曲[7]。(作詞 黛まどか)[7]
- 陸前高田市立高田東中学校校歌 2013年作曲(作詞 覚和歌子)
- 東京都立千早高等学校校歌 作曲
- 広尾学園小石川中学校・高等学校校歌 作曲
- 慶應義塾普通部 125周年記念歌「その先へ」(作詞 澤地隆)
- 新潟テレビ21イメージソング「笑顔のつながり~YOU&ME&UX」作曲・編曲(作詞:サエキけんぞう、歌:木村真紀)
出演
[編集]テレビ
[編集]- 星の牧場(1981年、NHK総合)
- 田舎に泊まろう!(2007年9月9日、テレビ東京)谷村新司と沖縄へ
- 地球街道(2008年1月20日・27日、テレビ東京)
- 極める! 千住明の聖地学(2011年1月31日 - 2月、NHK教育)語り手
- 日曜美術館(2011年度・2012年度、NHK教育)森田美由紀と共に司会
- SWITCHインタビュー 達人達(2013年4月20日、NHK教育)荒木飛呂彦と対談
- 子供たちに残したい 美しい日本のうた(2017年4月8日 - 、BS朝日) - 音楽アドバイザー
ラジオ
[編集]- 東日本復興支援プロジェクト J-WAVE HEART TO HEART SEASON 1(2013年3月10日 - 2013年12月1日・2014年3月30日、J-WAVE、毎月1回第1週目日曜22時05分 - 22時54分[注 3][8])
- アニソン・アカデミー(2023年8月19日、NHK-FM)ゲスト[注 4]
受賞歴
[編集]- 1997年
- 第20回日本アカデミー賞 優秀音楽賞(『わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語』)
- 1999年
- 第22回日本アカデミー賞 優秀音楽賞(『愛を乞うひと』)
- TOYP大賞
- 2001年
- 第28回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 劇中音楽賞(『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』)
- 2004年
- 第27回日本アカデミー賞 優秀音楽賞(『黄泉がえり』)
- 第40回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 劇中音楽賞(『砂の器』)
- 2024年
- 第47回日本アカデミー賞 優秀音楽賞(『こんにちは、母さん』)[9]
著書
[編集]- 『音楽の扉』時事通信社 2003年
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 卒業や修業制作のうち特に優秀な作品を大学が買い上げて収蔵する制度。毎年10作程度の作品が買上げられているがそのほとんどは美術学部・美術研究科の作品であり、明は作曲科として8人目の買上げだった。
- ^ 兄の博も東京藝術大学出身であり、修了作品が同じく東京藝術大学買上となっている。
- ^ レギュラー期間中の放送日時
- ^ 番組内で手がけた印象深い作品として、機動戦士Vガンダム、鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST、RED GARDEN、アリーテ姫、雪の女王を挙げている。
出典
[編集]- ^ “日本テレビ音楽株式会社:千住明先生インタビュー”. www.ntvm.co.jp. 2021年9月3日閲覧。
- ^ テレビ東京 (2010年7月10日). “ミューズの晩餐”. 2013年5月5日閲覧。
- ^ “雪の女王”. トムス・エンタテイメント 2016年5月6日閲覧。
- ^ "聴覚障害者の母と息子の強い絆を描いた「心の糸」を4/14にBSPと4Kで放送". NHK. 2023年3月9日. 2023年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月16日閲覧。
- ^ “片渕須直監督:新作アニメは「つるばみ色のなぎ子たち」 「マイマイ新子」“千年前の少女”の物語”. まんたんウェブ (MANTAN). (2023年5月21日) 2023年5月21日閲覧。
- ^ “『トライアングルストラテジー』作曲者・千住明氏インタビュー「ゲームを楽しんでいる人たちが“またあの世界に行かなきゃ”と、のめり込めるものを作った」”. ファミ通.com (2021年12月27日). 2022年2月13日閲覧。
- ^ a b 北里大学-記念事業-「北里大学校歌「生命の北辰(いのちのほくしん)」の完成披露発表会を開催しました」
- ^ “2013年03月10日のラジオ番組表(東京・ラジオ1)”. テレビ番組表の記録. 2014年3月30日閲覧。
- ^ “『第47回 日本アカデミー賞』受賞者・作品発表 授賞式司会は羽鳥慎一、岸井ゆきの【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年1月25日). 2024年1月25日閲覧。