コンテンツにスキップ

伊勢湾フェリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊勢湾フェリー株式会社
Isewan Ferry[1]
本社(2007年1月)
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
517-0011
三重県鳥羽市鳥羽三丁目1484-111
鳥羽フェリーターミナル2階
設立 1964年4月4日
業種 海運業
法人番号 2190001007338 ウィキデータを編集
事業内容 フェリー運航など
資本金 9,000万円
純利益 7,137万3,000円
(2024年3月期)[2]
総資産 12億9,589万2,000円
(2024年3月期)[2]
主要株主
愛知県(7%)
三重県(7%)
田原市(3%)
鳥羽市(3%)
外部リンク www.isewanferry.co.jp
テンプレートを表示

伊勢湾フェリー株式会社(いせわんフェリー、英語: Isewan Ferry Co., Ltd[1])は、三重県鳥羽市に本社を置く海運会社。鳥羽愛知県伊良湖田原市)を結ぶ定期航路(フェリー)を運航している。2024年2月現在、加藤汽船グループに所属する[3]

沿革

[編集]
  • 1964年4月: 名古屋鉄道近畿日本鉄道の折半出資により伊勢湾自動車運送船株式会社を設立する。
  • 1964年11月7日[4]: 鳥羽 - 伊良湖間フェリー航路の営業を開始する。
  • 1973年5月: 商号を伊勢湾フェリー株式会社に変更する。
  • 1976年10月9日[4]: 鳥羽 - 師崎(愛知県南知多町)間フェリー航路の営業を開始する。
  • 1997年7月: 本店を名古屋市から三重県鳥羽市へ移転する。
  • 2004年4月: 静岡営業所を本社営業部に統合する。
  • 2005年2月9日: 鳥羽 - 師崎航路の運航を終了する。
  • 2005年2月10日: 鳥羽 - 常滑(中部臨空都市)間フェリー航路の営業を開始する。
  • 2006年3月1日: ダイヤを改定し、常滑航路を2往復に減便する。
  • 2007年3月31日: 常滑航路の運航を終了し、常滑営業所を閉鎖する。
  • 2010年3月24日: 鳥羽 - 伊良湖航路の運航を同年9月30日で終了し、会社も清算すると発表。国土交通省中部運輸局に廃止届を提出。
  • 2010年8月20日: 「鳥羽伊良湖航路対策協議会」の会合で、同年10月1日付で現経営陣と各地方自治体(愛知県・三重県・田原市・鳥羽市)が全株式を買収(事実上のマネジメント・バイアウト)し、鳥羽 - 伊良湖航路を存続させることで合意したこと、および中部運輸局に提出されていた廃止届を取り下げることを発表する[5]
  • 2010年10月1日: 各自治体から支援を受けた新体制での事業を開始する。名鉄と近鉄は前日付けで経営から撤退した。

航路

[編集]
三河丸(フィリピンへ売船) - 伊良湖港(2005年4月)

運航中の航路

[編集]
  • 鳥羽港 - 伊良湖港
    • 国道42号および259号太平洋岸自転車道[6]海上区間を成す。
    • 距離 23.2 km[7]
    • 所要時間 55分
    • 運航便数(2022年度(2022年4月1日 - 2023年3月31日))[8]
      • Aダイヤ(2隻):7往復(鳥羽発・伊良湖発ともに7便)
      • Bダイヤ(2隻):8往復(鳥羽発・伊良湖発ともに8便)
      • Cダイヤ(2隻):9往復(鳥羽発・伊良湖発ともに9便)
      • Fダイヤ(3隻):13往復(鳥羽発・伊良湖発ともに13便)

注記

  • ゴールデンウィークお盆年末年始は早朝臨時便(1往復)を設定する日がある。なお、この期間中は乗用車の航送予約をすることができない。
  • Fダイヤは多客期(2022年度はゴールデンウィーク・お盆)のみ、Aダイヤは平日の閑散期のみそれぞれ運航。
  • 船内には特別室という有料客室を設けているが、事前に予約すること・乗船券と同時に購入することはできない(※特別室のチケットは船内売店で販売[9])。
  • 伊勢湾に生息するハセイルカスナメリ等が航路で見られる事があり、発見情報を記録・公開している[10][11][12]

かつて運航されていた航路

[編集]
  • 鳥羽港 - 常滑(中部臨空都市、通称「前島」)
    • 距離 50.0 km[7]
    • 所要時間 1時間40分
    • 2005年2月10日~2007年3月31日運航。
      • 三重交通が運行していた近鉄鳥羽駅 - 中部国際空港間の空港連絡リムジンバスを、乗客ごとフェリーに積載していた(海上では乗客はバスから降車し船内へ移動)。航路廃止と同時にバス路線も廃止となった。
  • 鳥羽港 - 師崎港
    • 距離 30.0 km[13]
    • 所要時間 1時間10分~1時間15分
    • 1976年10月9日~2005年2月9日運航[4]。常滑航路の運航開始に伴い航路廃止。

船舶

[編集]

3隻のカーフェリーで運航を行う。かつて常滑(師崎)航路を運航していた際は、更に3隻(三河丸・渥美丸・志摩丸)が在籍していた。

運航中の船舶

[編集]

過去の船舶

[編集]
  • 伊良湖丸(初代)[14]
    • 日立造船神奈川工場建造、1964年就航、1981年フィリピンに売船
    • 695総トン、全長51.50 m、幅12.1 m、深さ3.8 m、ディーゼル2基、機関出力1,500 PS、航海速力13ノット、旅客定員580名、トラック20台
  • 鳥羽丸(初代)[14]
    • 大洋造船建造、1964年就航、1985年3月淡島運輸に売船
    • 690総トン、全長51.50 m、幅12.1 m、深さ3.8 m、ディーゼル2基、機関出力1,500 PS、航海速力13.5ノット、旅客定員580名、トラック20台
  • 志摩丸(初代)[14]
    • 神田造船所建造、1970年就航、1986年中国に売船
    • 960総トン、全長62.41 m、幅12.8 m、深さ4.2 m、ディーゼル2基、機関出力3,200 PS、航海速力15ノット、旅客定員700名、トラック25台
  • 渥美丸(初代)[15]
    • 内海造船田熊工場建造、1973年7月竣工・就航、1988年フィリピンに売船[14]
    • 990.90総トン、全長64.44 m、幅13.00 m、深さ4.20 m、ディーゼル2基、機関出力4,000 PS、航海速力14.0ノット、旅客定員600名、乗用車42台
  • 第二豊予丸[14]
    • 神田造船所建造、1969年竣工、1976年就航(用船)、1984年用船解除
    • 999総トン、全長65.00 m、幅12.6 m、深さ4.5 m、ディーゼル2基、機関出力3,200 PS、航海速力15ノット、旅客定員400名、トラック24台
  • 伊良湖丸(2代)[15]
    • 内海造船田熊工場建造、1981年6月竣工・就航、1996年中国に売船[14]
    • 966.44総トン、全長64.23 m、幅13.00 m、深さ4.50 m、ディーゼル2基、機関出力3,600 PS、航海速力14.0ノット、旅客定員580名、乗用車47台
  • 伊勢丸(初代)[15]
    • 内海造船田熊工場建造、1984年3月竣工・就航、2004年引退、タイに売船[14]
    • 1,131.00総トン(2000年改造後は1,447総トン)、全長64.32 m、幅13.00 m、深さ4.50 m、ディーゼル2基、機関出力3,600 PS、航海速力14.40ノット、旅客定員583名、大型バス11台・乗用車5台または乗用車42台
  • 鳥羽丸(2代)[15]
    • 内海造船田熊工場建造、1984年12月竣工・就航、1995年引退、韓国に売船[14]
    • 919総トン、全長57.26 m、幅13.00 m、深さ4.00 m、ディーゼル2基、機関出力3,600 PS、航海速力15.0ノット、旅客定員583名、大型バス10台・乗用車2台または乗用車34台
  • 志摩丸(2代)[15]
    • 神田造船所建造、1986年就航、2005年引退、タイに売船[14]
    • 1,286総トン、全長64.30 m、幅13.50 m、深さ4.50 m、ディーゼル2基、機関出力3,200 PS、航海速力15.2ノット、旅客定員584名、乗用車42台
  • 渥美丸(2代)[16]
    • 神田造船所建造、1987年就航、2006年引退、フィリピンに売船[14]
    • 1,447総トン(2000年改造後は1,593総トン)、全長64.30 m、幅13.50 m、深さ4.50 m、ディーゼル2基、機関出力3,600 PS、航海速力15.0ノット、旅客定員584名、乗用車42台
  • 三河丸[14]
    • 内海造船瀬戸田工場建造、1993年就航、2007年引退、フィリピンに売船
    • 1,979総トン(2000年改造後は2,323総トン)、全長77.37 m、幅14.0 m、深さ4.9 m、ディーゼル2基、機関出力3,600 PS、航海速力16.0ノット、旅客定員584名、乗用車25台、トラック35台

本社・主な営業所所在地

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b Isewan Ferry” (英語). Isewan Ferry Co., Ltd. 2023年3月3日閲覧。
  2. ^ a b 伊勢湾フェリー株式会社 第60期決算公告
  3. ^ 会社案内”. ジャンボフェリー. 2024年2月15日閲覧。
  4. ^ a b c 『世界の艦船別冊 日本のカーフェリー:その揺籃から今日まで』海人社、2009年、317頁。 
  5. ^ 第4回鳥羽伊良湖航路対策協議会の結果概要について”. 愛知県庁 (2010年8月20日). 2011年4月10日閲覧。
  6. ^ 2020 年東京オリンピック・パラリンピック までに太平洋岸自転車道をつなぐ取り組み ~第1回太平洋岸自転車道推進協議会の開催について~”. 国土交通省関東地方整備局道路部(2018年11月26日作成). 2019年4月18日閲覧。
  7. ^ a b フェリー・旅客船ガイド 2006年春季号 (日刊海事通信社 2006)
  8. ^ 運航カレンダー(2022年度)”. 伊勢湾フェリー. 2022年5月8日閲覧。
  9. ^ 船内インフォメーション・船内売店営業再開について”. 伊勢湾フェリー. 2022年5月8日閲覧。
  10. ^ イルカ発見履歴”. 伊勢湾フェリー. 2024年11月5日閲覧。
  11. ^ 伊勢湾港におけるハセイルカ出現状況について”. 伊勢湾フェリー. 2024年11月5日閲覧。
  12. ^ イルカ・スナメリ撮影写真”. 伊勢湾フェリー. 2024年11月5日閲覧。
  13. ^ 全国フェリー・旅客船ガイド 1987年上期号 (日刊海事通信社 1986)
  14. ^ a b c d e f g h i j k 『世界の艦船別冊 日本のカーフェリー:その揺籃から今日まで』海人社、2009年、168-170頁。 
  15. ^ a b c d e 日本船舶明細書 1988 (日本海運集会所 1988)
  16. ^ 日本船舶明細書 1993 (日本海運集会所 1992)

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]