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ヘジテイション・マークス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ヘジテイション・マークス(Hesitation Marks)』
ナイン・インチ・ネイルズスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル エレクトロニカ
エレクトロ・ロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
The Null Corporation
プロデュース トレント・レズナー
アッティカス・ロス
アラン・モウルダー
ナイン・インチ・ネイルズ アルバム 年表
ザ・スリップ
2008年
ヘジテイション・マークス
(2013年)
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ヘジテイション・マークス』(Hesitation Marks)はアメリカ合衆国インダストリアル・ロックバンドナイン・インチ・ネイルズ(以下、NIN)の8枚目のスタジオ・アルバム2013年9月3日にリリースされた。タイトルはリストカット時のためらい傷(傷痕)を意味している[1]。 2009年の活動休止後、初めて発表された作品であり、「イヤー・ゼロ~零原点…」以来、再びメジャーレーベルを通して発売された。第56回グラミー賞で最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム賞にノミネートされた[2]

背景

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2009年2月にその年に行われるツアーをもって、当面の間、NINの活動を休止することがトレント・レズナー(以下レズナー)から発表された。ジェーンズ・アディクションとのジョイントツアーや8月のサマーソニックでの来日公演を含むツアーを終え、活動を休止した。

NINの活動休止後、レズナーは妻らと結成したハウ・トゥ・デストロイ・エンジェルスの活動を本格化させた。 またデヴィッド・フィンチャーが監督を務めた映画「ソーシャル・ネットワーク」(2010年公開)のサウンドトラックをアッティカス・ロスと共に担当した。同サウンドトラックは第68回ゴールデングローブ賞作曲賞[3]ならびに第83回アカデミー賞作曲賞[4]を受賞した。二人は続けて2011年にフィンチャーの次の作品「ドラゴン・タトゥーの女」のサウンドトラックを担当した。(2014年の「ゴーン・ガール」も手がけている。)

2012年にレズナーより活動再開が示唆され、翌2013年2月に正式に活動再開とツアー日程が公表された。その中には、7月に開催されるフジロックフェスティバルへのヘッドライナー出演も含まれていた[5]

製作、レコーディング

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制作は2012年に始まり、1年を通して水面下に進められていた[6]。「ゴースツ I-IV」、「ザ・スリップ」と同じくアッティカス・ロス、アラン・モウルダーと共に制作された。 当初、インタースコープ・レコードより発売予定のNINのベスト・アルバムに新曲を2曲( "Everything" と "Satellite")収録するつもりでセッションを始めたところ、アルバムとして発表できるだけの曲ができた。

レコーディングには、フリートウッド・マックリンジー・バッキンガムザ・フーディアンジェロジョン・メイヤー・トリオ等の活動で知られ、本作リリース後のツアーの一部にも参加したピノ・パラディーノや、2005年以降NINのスタジオ・アルバム、ライブ活動に参加しているアレッサンドロ・コルティーニ、「ザ・フラジャイル」や「ゴースツ I-IV」にも参加しているエイドリアン・ブリュー、本作リリース後のツアーに参加したジョシュア・ユースティスアイラン・ルービンらが参加している。

アートワーク

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アートワークは「ザ・ダウンワード・スパイラル」や「クロージャー」のパッケージデザインを手がけたラッセル・ミルズが再び起用された。 US盤と日本盤、オーストラリア/EU盤の通常CDはそれぞれアートワークが異なる。アートワークには、漆喰、油脂、アクリル、ワイヤーの他、血や土が使用されている[7]

リリース

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「イヤー・ゼロ~零原点…」(2007年)をユニバーサル・ミュージックインタースコープ・レコード)からリリースして以降、「ゴースツ I-IV」、「ザ・スリップ」は自身の立ち上げたレーベル(The Null Corporation)からリリースしていたが、本作ではメジャーレーベルであるコロムビア・レコードよりリリースされた。

メジャーレーベルと再び契約することになったのは、アメリカ国外へも自作を適正な形で流通させるためだとしている[8][9]

公式サイトを通じて購入すると、通常のマスタリング版の他、“Audiophile Mastered Version” と呼ばれる高級オーディオ機器での再生用に特別にマスタリングされたバージョンをダウンロードできる[10]

アメリカでは、発売初週に107,000枚を売り上げ、Billboard 200で3位を記録した[11]。2013年12月までに187,000枚を売り上げた。 カナダでは、発売初週に12,000枚を売り上げ、NINとして初めて、アルバム・チャートで1位を記録した。9月にはゴールドディスクに認定された。 イギリスでは、12,286枚を売り上げ、バンド史上最高位となるチャート2位を記録した。

反響・評価

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Metacriticによると、ケラング!ローリングストーン等、40媒体におけるレビュー平均は77/100であり、批評面では概ね好意的に評価された[12]

第56回グラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞にノミネートされた他、ローリングストーン[13]ステレオガム[14]スピンにおいて2013年のベスト・アルバム一覧に挙げられた。日本においても、rockin'onの”2013年ベスト・アルバム50枚!”において23位に選出された[15]

収録曲

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"The Eater of Dreams"を除き、全曲、作詞作曲は、トレント・レズナー。("The Eater of Dreams"はアレッサンドロ・コルティーニとの共作。)

  1. The Eater of Dreams - 0:52
  2. Copy of a - 5:23
  3. Came Back Haunted - 5:17
  4. Find My Way - 5:16
  5. All Time Low - 6:18
  6. Disappointed - 5:44
  7. Everything - 3:20
  8. Satellite - 5:03
  9. Various Methods of Escape - 5:01
  10. Running - 4:08
  11. I Would for You - 4:33
  12. In Two - 5:32
  13. While I'm Still Here - 4:03
  14. Black Noise - 1:29

脚注

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  1. ^ Hesitation Marks”. ローリング・ストーン. 2015年12月24日閲覧。
  2. ^ Grammy Awards 2014: Full Nominations List”. billboard. 2015年12月24日閲覧。
  3. ^ Winners & Nominees 2011”. 2015年12月24日閲覧。
  4. ^ The 83rd Annual Academy Awards”. the Internet Movie Database. 2015年12月24日閲覧。
  5. ^ NINE INCH NAILS、BJORK 出演決定!出演アーティスト第1弾発表!”. 2015年12月24日閲覧。
  6. ^ トレント・レズナー、ナイン・インチ・ネイルズの新作は完成していると語る”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  7. ^ ナイン・インチ・ネイルズ、新作のアートワークに実際の血を使用”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  8. ^ Trent Reznor on Nine Inch Nails’ Columbia Signing: ‘I’m Not a Major Label Apologist’”. SPIN. 2015年12月24日閲覧。
  9. ^ ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー、アルバムの価格の問題について語る”. RO69. 2015年12月24日閲覧。
  10. ^ nine inch nails:hesitation marks (audiophile mastered version)”. nin.com. 2015年12月24日閲覧。
  11. ^ Ariana Grande Debuts At No. 1 On Billboard 200”. 2015年12月22日閲覧。
  12. ^ Hesitation Marks by by Nine Inch Nails”. metacritic. 2015年12月24日閲覧。
  13. ^ 50 Best Albums of 2013”. Rolling Stone. 2015年12月24日閲覧。
  14. ^ The 50 Best Albums Of 2013”. stereogum. 2015年12月24日閲覧。
  15. ^ 「2013年ベスト・アルバム50枚!」『rockin'on』第43巻第2号、ロッキン・オン、2014年2月。 

外部リンク

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