コンテンツにスキップ

ジメチルアセトアミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジメチルアセトアミド
{{{画像alt1}}}
識別情報
略称 DMA, DMAC, DMAc[1]
CAS登録番号 127-19-5 チェック
PubChem 31374
ChemSpider 29107 チェック
UNII JCV5VDB3HY チェック
EC番号 204-826-4
MeSH dimethylacetamide
ChEBI
ChEMBL CHEMBL11873 チェック
RTECS番号 AB7700000
バイルシュタイン 1737614
特性
化学式 C4H9NO
モル質量 87.12 g mol−1
外観 無色の液体
匂い アンモニア臭
密度 0.937 g/mL
融点

−20 °C

沸点

165 °C

への溶解度 混和
log POW −0.253
蒸気圧 300 Pa
λmax 270 nm
屈折率 (nD) 1.4375
粘度 0.945 mPa·s [2]
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −300.1 kJ/mol
標準燃焼熱 ΔcHo −2.5835–−2.5805 MJ/mol
標準定圧モル比熱, Cpo 178.2 J/(K·mol)
危険性
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性) 経口・吸飲による有害性
GHSシグナルワード DANGER
Hフレーズ H312, H319, H332, H360
Pフレーズ P280, P308+313
NFPA 704
2
2
0
引火点 63 °C (145 °F; 336 K)
発火点 490 °C (914 °F; 763 K)
爆発限界 1.8–11.5%
許容曝露限界 TWA 10 ppm (35 mg/m3) [皮膚][4]
半数致死量 LD50 2.24 g/kg (皮膚, ウサギ)
4.3 g/kg (経口, ラット)
4.8 g/kg (経口, ラット)
4.62 g/kg (経口, マウス)[3]
半数致死濃度 LC50 2475 ppm (ラット, 1時間)[3]
関連する物質
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジメチルアセトアミドは化学式C4H9NOで表される有機化合物である。N,N-ジメチルアセトアミドとも呼ばれ、DMADMAcと略されることがある。 無色で水に可溶であり、吸湿性を持つ。高沸点の極性溶媒として、有機合成化学において広く用いられる。アルコールエーテルケトンハロゲン化物芳香族などの他の溶媒とも容易に混ざる。しかし、脂肪族炭化水素とはほとんど混ざらない。

アミドの部分は触媒で加水分解される。

CH3CON(CH3)2 + H2O + HCl → CH3COOH + (CH3)2NH·HCl

またナトリウムメトキシドなど強塩基を用いる反応の溶媒にしばしば用いられる[5]

工業的にもよく用いられる溶媒であるが、人体に有害であり、吸入や皮膚の接触は避けなければならない。発がん性や催奇性があると疑われている。日本では消防法により危険物第4類に指定されている。

出典

[編集]
  1. ^ Munro, D. D.; Stoughton, R. B. (1965). “Dimethylacetamide (DMAC) and Dimethylformamide (DMFA). Effect on Percutaneous Absorption”. Archives of Dermatology 92 (5): 585–586. doi:10.1001/archderm.1965.01600170101020. PMID 5844405. 
  2. ^ Iloukhani, H., K. Khanlarzadeh. "Densities, viscosities, and refractive indices for binary and ternary mixtures of N, N-dimethylacetamide (1)+ 2-methylbutan-2-ol (2)+ ethyl acetate (3) at 298.15 K for m liquid region and at ambient pressure". Journal of Chemical & Engineering Data, 51.4 (2006): 1226–1231. doi:10.1021/je050538q.
  3. ^ a b Dimethyl acetamide”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年11月23日閲覧。
  4. ^ NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0218
  5. ^ S. Zen, E. Kaji, Organic Syntheses, Coll. Vol. 6, p.503, 1988 (Vol. 57, p.60, 1977). (オンライン版)

外部リンク

[編集]