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ショクダイオオコンニャク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ショクダイオオコンニャク
ショクダイオオコンニャク
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: サトイモ科 Araceae
: コンニャク属 Amorphophallus
: ショクダイオオコンニャク A. titanum
学名
Amorphophallus titanum
(Becc.) Becc.
和名
ショクダイオオコンニャク
英名
Titan arum
仏炎苞の中の様子

ショクダイオオコンニャク(燭台大蒟蒻、学名: Amorphophallus titanum)は、サトイモ科コンニャク属の植物。別名スマトラオオコンニャクインドネシアスマトラ島熱帯雨林に自生する。最短でも2年に一度2日間しか咲かない、世界最大の花として有名になった。

分布

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スマトラ島固有種である[1]

解説

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花序とその付属体、および仏炎苞の複合体は直径1.5mに達するとされ、その縦寸は3.5mまでになった記録もある。肉穂花序の先端は棍棒状の付属体となり、その下の仏炎苞に包まれた部分の上部に雄花、下部に雌花が密生する。

コンニャクなどほかのコンニャク属の植物と同様に、種子から発芽した実生個体は、毎年1枚だけの巨大なを展開して同化産物を球茎に蓄積し、数年がかりで巨大な球茎を形成する。生活史の最後の年には光合成を行う葉に替わって球茎から花序だけを伸張させ、それまでに蓄積した同化産物をすべて有性生殖に向けて使い切る。開花はわずか2日ときわめて短く、開花初日には花序先端の付属体から腐臭を発して甲虫を集める。開花後8時間ほどで悪臭の最高潮に達するとされている。これらの甲虫は上に向けて漏斗状に展開した仏炎苞に着地すると這い上がれずに転がり落ち、中心の花序の部分に集められる。ここに他の花に誘引されて花粉をつけた個体がいると、花序最下部の雌花群の柱頭に花粉がなすりつけられ、受粉が成立する。翌日になると雌花の受粉機能は停止し(雌性先熟)、替わって雄花群のから花粉があふれ出して甲虫の体に降りかかり、次いで付属体と仏炎苞が枯死崩壊して虫の脱出が起きる。受粉が成立した雌花は成熟するとサトイモ科の植物に広く見られる朱色の液果となり、に食べられて種子散布がおきると考えられている。

名称

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花の形が燭台に似ることからショクダイオオコンニャクの名がある。別名スマトラオオコンニャク。英名Titan arum。学名のアモルフォファルス・ティタヌムは、その強烈な腐臭から死体花 (corpse flower) [2]、お化けのように見えるのでお化け蒟蒻とも呼ばれている。

花の大きさについて

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有名なラフレシア[注釈 1]の最大種であるラフレシア・アルノルディイ(R. arnoldii)の花は最大で直径90cmと、送粉者を誘引して受粉系となる単位器官としてはこれより小型である。しかし R. arnoldii が単体の花であるのに対し、ショクダイオオコンニャクの巨大な「花」は花序であり、そこに密生する個々の単体の花はごく小さい。そのため、単体の花としては R. arnoldii が世界最大である。両者とも腐臭を放って腐肉や獣糞で繁殖する昆虫を集めて花粉媒介させるが、ラフレシアがクロバエ科ハエに依存しているのに対し、ショクダイオオコンニャクは糞虫シデムシ類といった甲虫によって花粉が媒介される点が異なる。具体的には、シデムシ科の Diamesus osculansハネカクシ科オオハネカクシ属のCreophilus flavipennis が、送粉に大きく寄与している [4] [5] [6]

脚注

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注釈

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  1. ^ なお、2020年1月、インドネシア・西スマトラ州アガンで、過去最大のラフレシアとして、直径111cmのラフレシア・トゥアンムデの個体の花が発見されたとAFPにより報道されている[3]

出典

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  1. ^ a b Yuzammi & Hadiah, J.T. (2018). Amorphophallus titanum. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T118042834A118043213. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T118042834A118043213.en. Downloaded on 15 June 2021.
  2. ^ 悪臭放つ「死体花」が開花 米シカゴ植物園”. CNN (2015年10月11日). 2019年5月27日閲覧。
  3. ^ 巨大花ラフレシア、過去最大の個体発見 インドネシア」『AFP BB News』2020年1月4日。2024年2月18日閲覧。
  4. ^ Kite, G. C., Hetterscheid, W. L., Lewis, M. J., Boyce, P. C., Ollerton, J., Cocklin, E., Diaz, A., & Simmonds, M. S. J. (1998). Inflorescence odours and pollinators of Arum and Amorphophallus (Araceae). Reproductive biology, 295-315.
  5. ^ van der Pijl, L. (1937). Biological and physiological observations on the inflorescence of Amorphophallus. Recueil Trav. Bot. Neerl. 34: 157-167
  6. ^ Clarke, D. J. (2011). Testing the phylogenetic utility of morphological character systems, with a revision of Creophilus Leach (Coleoptera: Staphylinidae). Zoological Journal of the Linnean Society, 163(3), 723-812.

関連項目

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外部リンク

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