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シノド聖書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シノド聖書(1876年)の内表紙。当時の正書法で印刷されているが、現在の正書法の版がある。

シノド聖書(シノドせいしょ、ロシア語: Синодальный перевод=シノド翻訳、英語: Synodal Bible)は、ロシア正教会が典礼に使っている教会スラブ語とは別に、ロシア語へ翻訳して、1876年にシノド(聖務会院)により承認されたキリスト教聖書を指す。

概要

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聖書のロシア語への翻訳は、1813年にアレクサンドル1世ロシア聖書協会サンクトペテルブルクに設立する許可と共に始まった。1820年には新約聖書の翻訳・出版が終り、旧約聖書翻訳が「ルツ記」まで進んだところで、1825年ごろ中断された。この翻訳により外国からの影響を広がるのを恐れた保守的なニコライ1世が、聖書協会を閉鎖したからであった。しかし、1855年にアレクサンドル2世が即位してから翻訳は続けられた。

ロシア聖務会院(シノド)はモスクワ、サンクトペテルブルク、カザンキエフの4人の学者に完成を委託して、1876年には以前の新約聖書(1820年)も多少修正して聖書全書『シノド聖書』が発行された。フィラレートモスクワ府主教が承認を与えている。

翻訳の基となったのは、旧約聖書はヘブライ語マソラ本文テキストで、新約聖書は当時入手できたギリシャ語テキストであった[1]。これはフィラレート府主教が1834年以述べた発言にはっきりしている。それまでは旧約聖書翻訳は、七十人訳聖書ギリシャ語訳または教会スラヴ語訳に頼っていた。

ロシア語正書法は何回かの大きな変遷を経ており、『シノド聖書』は19世紀後半の正書法に則っており、現在の正書法(おもにソ連時代に定まったもの)によるシノド聖書も出版されている[2]。ロシア正教会だけでなく、ロシアのカトリック教会、プロテスタント教会(バプテスト教会[3]など)でも使われている。

また、ものみの塔聖書冊子協会は独自に翻訳した新世界訳聖書ロシア語訳が完成するまでの時期に刊行したマカリー訳[4]での新約聖書(協会では「クリスチャン・ギリシャ語聖書」)と新約聖書のみが新世界訳の版での旧約聖書(協会では「ヘブライ語・アラム語聖書」)ではシノド訳を使っていた。

シノド聖書は、その語彙とスタイルは千年にわたり使われてきた教会スラヴ語(南部スラブ語)に影響を受けており、その後のロシア語とロシア文学に大きな影響を与えたといえる。

翻訳文の例

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『シノド聖書』の翻訳文の例
聖書箇所 翻訳文(20世紀後半にロシア語現行正書法に訂正)
創世記 1章1-5節
Бытие 1:1-5
В начале сотворил Бог небо и землю. Земля же была безвидна и пуста, и тьма над бездною, и Дух Божий носился над водою. И сказал Бог: да будет свет. И сталсвет. И увидел Бог свет, что он хорош, и отделил Бог свет от тьмы. И назвал Бог свет днем, а тьму ночью. И был вечер, и было утро: день один.
ヨハネ 1章1-5節
От Иоанна 1:1-5

В начале было Слово, и Слово было у Бога, и Слово было Бог. Оно было в начале у Бога. Все чрез Него начало быть, и без Него ничто не начало быть, что начало быть. В Нем была жизнь, и жизнь была свет человеков. И свет во тьме светит, и тьма не объяла его.

ヨハネによる福音書3章16節 Ибо так возлюбил Бог мир, что отдал Сына Своего Единородного, дабы всякий верующий в Него, не погиб, но имел жизнь вечную.

脚注

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  1. ^ シノド聖書の歴史(ロシア聖書協会) (ロシア語)
  2. ^ The Holy Bible - Russian: Synodal Translation (1876)
  3. ^ サンクトペテルブルクのバプテスト教会 (ロシア語)
  4. ^ 詩篇のみパフスキー神父による翻訳で残りはマカリー掌院による旧約聖書の翻訳。2人は19世紀のロシア正教会の神品で神の名前を「エホバ」と訳している。

参照項目

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外部リンク

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