イソコナゾール
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IUPAC命名法による物質名 | |
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識別 | |
CAS番号 | 27523-40-6 |
ATCコード | D01AC05 (WHO) G01AF07 (WHO) |
PubChem | CID: 3760 |
KEGG | D04624 |
化学的データ | |
化学式 | C18H14Cl4N2O |
分子量 | 416.127 g/mol |
イソコナゾール(Isoconazole)とは、アゾール系抗真菌薬の一つである。商品名アデスタン。イソコナゾールは足や膣の感染症の治療薬としてナイジェリアとグレートブリテン島の医学研究者によって発見された。クロトリマゾールと同等の効果がある[1][2]。日本ではクリームと膣錠が使用されている。
効能または効果
[編集]- クリーム
- 膣錠
- カンジダに起因する腟炎および外陰腟炎
臨床効果
[編集]クリーム(市販後の使用成績調査)
- 白癬(2,917例):著明改善48%、改善以上77%、やや改善以上94%
- カンジダ症(401例):著明改善67%、改善以上89%、やや改善以上98%
- 癜風(172例):著明改善56%、改善以上78%、やや改善以上95%
膣錠(承認時までの臨床試験)
- 臨床症状改善率96%(338/354)、菌陰転率84%(280/333)、有効率83%(277/333)
副作用
[編集]- クリーム
- 総症例4,121例中56例(1.4%)。主な副作用は発赤、瘙痒、刺激感、接触皮膚炎、疼痛等(再審査終了時)。
- 膣錠
- 総症例3,849例中23例(0.6%)。主な副作用は疼痛、腫脹感、発赤、刺激感、瘙痒感等(再審査終了時)。
用法および用量
[編集]- クリーム
- 1日2~3回患部に塗布
- 膣錠
- 1日1回100mgを腟深部に挿入、6日間継続使用、あるいは、1週1回600mgを腟深部に挿入。真菌学的効果(一次効果)が得られない場合は、1日1回100mgをさらに6日間継続使用するか、600mgをさらに1回使用。
開発の経緯
[編集]- 1977年 - 日本でイソコナゾール硝酸塩(クリーム)の臨床試験開始。
- 1979年 - 膣錠の開発開始
- 1982年 - クリームが承認・発売(日本シエーリング(現バイエル薬品))。
- 1985年 - 膣錠が承認・発売[3](同上)。
参考文献
[編集]- The Merck Index, 12th Edition. 5176
クリーム
- Isoconazole研究班:西日本皮膚科 43:103(1981)
- 須貝哲郎:皮膚 23:147(1981)
- 白取昭ほか:基礎と臨床 15:659(1981)
- 児島孝行:新薬と臨床 29:705(1980)
膣錠
- 水野重光ほか:産婦人科の世界 34:201(1982)
- 水野重光ほか:産婦人科の世界 34:541(1982)
- Kessler,H.J.:Arzneim.-Forsch. Drug Res. 29/Ⅱ(9):1344(1979)
出典
[編集]- ^ Oyeka, C.A.; Gugnani H.C. (1992年). “Isoconazole nitrate versus clotrimazole in foot and nail infections due to Hendersonula toruloidea, Scytalidium hyalinum and dermatophytes.”. 2008年5月23日閲覧。
- ^ Cohen, L. (1984年). “Single dose treatment of vaginal candidosis: comparison of clotrimazole and isoconazole.”. 2008年5月23日閲覧。
- ^ “アデスタン腟錠300mg 添付文書”. 医薬品医療機器総合機構 (2011年6月). 2016年6月4日閲覧。
- ^ “アデスタンクリーム1% 添付文書”. 医薬品医療機器総合機構 (2010年4月). 2016年6月4日閲覧。