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「新潟日報報道部長ツイッター中傷投稿事件」の版間の差分

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=== 水俣病訴訟弁護団長への投稿 ===
=== 水俣病訴訟弁護団長への投稿 ===
被害を受けた弁護士は[[人権問題]]などについて広く発言を行うとともに水俣病訴訟の弁護団長としても著名な人物であった<ref name=mainichi20151124/>。
被害を受けた弁護士は[[人権問題]]などについて広く発言を行うとともに水俣病訴訟の弁護団長としても著名な人物であった<ref name=mainichi20151124/>。
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=== 一般ツイッター利用者への投稿 ===
=== 一般ツイッター利用者への投稿 ===
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==== 社外メディアへの対応====
==== 社外メディアへの対応====
[[11月24日]]、新潟日報社は[[J-CAST]]から記者の処分や新聞社としての謝罪を行うかを問われると、本人から聴取を行い調査を進めており適切に対応していくことを表明した<ref name=j-cast20151124>{{Cite news|title=「死ね」「うぜーよ！」新潟日報幹部が「壇宿六」の名で連発した暴言　地元弁護士批判してネットでバレて謝罪|newspaper=[[J-CAST]]|date=2015-11-24|url=http://www.j-cast.com/2015/11/24251364.html?p=all|language=[[日本語]]}}</ref>。同日、[[毎日新聞]]に対して経営管理本部は「過去の投稿も含めて調査している。対処すべきことがあれば適切に対応する」と社内調査を行っていることを明らかにする<ref name=mainichi20151124/>。翌日には、謝罪と処分を発表することとなった<ref name=asahi20151127a/><ref name=mainichi20151125/><ref name=sankei20151126b/>。
[[11月24日]]、新潟日報社は[[J-CAST]]から記者の処分や新聞社としての謝罪を行うかを問われると、本人から聴取を行い調査を進めており適切に対応していくことを表明した<ref name=j-cast20151124>{{Cite news|title=「死ね」「うぜーよ！」新潟日報幹部が「壇宿六」の名で連発した暴言　地元弁護士批判してネットでバレて謝罪|newspaper=[[J-CAST]]|date=2015-11-24|url=http://www.j-cast.com/2015/11/24251364.html?p=all|language=[[日本語]]}}</ref>。同日、[[毎日新聞]]に対して経営管理本部は「過去の投稿も含めて調査している。対処すべきことがあれば適切に対応する」と社内調査を行っていることを明らかにする<ref name=mainichi20151124/>。[[北海道新聞]]に対しては過去の投稿について「社として調査し一両日中に対処する」と応答した<ref name=hokkaido20151125/>。翌日には、謝罪と処分を発表することとなった<ref name=asahi20151127a/><ref name=mainichi20151125/><ref name=sankei20151126b/>。
新潟日報は社内調査に含まれているとしていた報道部長が対立団体の活動を実力行使で反対する団体のデモへの参加について産経新聞から問い合わせを受けると、「デモの参加や日当の有無などについて個別の案件の質問には応じない」として調査内容の公表を拒否した<ref name=sankei20151207c/>。
新潟日報は社内調査に含まれているとしていた報道部長が対立団体の活動を実力行使で反対する団体のデモへの参加について産経新聞から問い合わせを受けると、「デモの参加や日当の有無などについて個別の案件の質問には応じない」として調査内容の公表を拒否した<ref name=sankei20151207c/>。


=== 新潟日報の対応への評価===
=== 新潟日報の対応への評価===
被害者である弁護士は報道部長の行為について「ジャーナリストとしてあるまじき行動」であると述べるとともに新潟日報の経営責任についても苦言を表明した<ref name=dailynewsonline20151130/>。被害弁護士は[[毎日新聞]]の取材に対して「彼は許される範囲を超えました。匿名投稿は自身の言動へのチェックを失うので恐ろしことである」と事件について語っている<ref name=mainichi20151125>{{Cite news|title=Local paper exec admits to insulting lawyer on Twitter|publisher=[[毎日新聞]]|url=http://mainichi.jp/english/articles/20151125/p2a/00m/0na/005000c|language=[[英語]]|date=2015-11-25}}</ref><ref name=mainichi20151124/>。
被害者である弁護士は報道部長の行為について「ジャーナリストとしてあるまじき行動」であると述べるとともに新潟日報の経営責任についても苦言を表明した<ref name=dailynewsonline20151130/>。[[北海道新聞]]の取材に対して「言論人として言ってはいけないことだ」と表明するとともに<ref name=hokkaido20151125>{{Cite news|title=報道部長が暴言ツイート　新潟日報、弁護士に謝罪|publisher=[[北海道新聞]]|url=http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0206002.html|language=[[日本語]]|date=2015-11-25}}</ref>、[[毎日新聞]]の取材に対して「彼は許される範囲を超えました。匿名投稿は自身の言動へのチェックを失うので恐ろしことである」と事件について語っている<ref name=mainichi20151125>{{Cite news|title=Local paper exec admits to insulting lawyer on Twitter|publisher=[[毎日新聞]]|url=http://mainichi.jp/english/articles/20151125/p2a/00m/0na/005000c|language=[[英語]]|date=2015-11-25}}</ref><ref name=mainichi20151124/>。


[[産経新聞]]は新潟日報による発表では飲酒やストレスのため投稿したとしているが、背後には別の要因が透けてみえるとし<ref name=sankei20151207b/>、報道部長は対立論者に対しては、人種差別主義者や右翼と決めつけては口汚くののしり、自民党を[[ナチス]]と同一視するなどしていることから[[政治思想]]が背景にあることは想像に難くないと評している<ref name=sankei20151207c/>。
[[産経新聞]]は新潟日報による発表では飲酒やストレスのため投稿したとしているが、背後には別の要因が透けてみえるとし<ref name=sankei20151207b/>、報道部長は対立論者に対しては、人種差別主義者や右翼と決めつけては口汚くののしり、自民党を[[ナチス]]と同一視するなどしていることから[[政治思想]]が背景にあることは想像に難くないと評している<ref name=sankei20151207c/>。

2015年12月18日 (金) 16:15時点における版

新潟日報社

新潟日報報道部長ツイッター中傷投稿事件（にいがたにっぽうほうどうぶちょうツイッターちゅうしょうとうこうじけん）とは、2015年11月23日に発覚した対レイシスト行動集団（通称しばき隊）構成員である新潟日報報道部長（所属支社名は伏せる）による、新潟水俣病訴訟弁護団長の弁護士や一般ユーザーへのTwitterでの中傷・脅迫事件[1][2][3][4]。報道機関の管理職であるため大きな注目を集めるとともにマスメディアへの不信感が募る事件となった[5][6][7]。

背景

2011年3月から報道部長は新潟日報の社内規定に反して無届けのまま匿名のTwitterアカウントを作成、投稿を開始した[8][2][9][10]。2013年から意見の異なる人たちに対して人権侵害につながる表現や差別的な内容を含む投稿を繰り返し投稿するようになった[2][11][10]。プロフィールには『レイシスト、ファシスト排除！戦争法をぶっ潰せ！安倍はやめろ！自民党は民主主義の敵！日本に本当の民主主義を！』と明記していた[12][9]。 また、報道部長はツイッター上で第三者を装い「新潟日報という新聞が、集団的自衛権行使に関し、反対の論陣を明確にして『地方から反対の声を！』と、社長名で訴えたらしい。もはや、地方から声を上げよう！」など新潟日報について自作自演の投稿を行っていた[13]。

報道部長はかねてより自身が好意をよせる学生団体SEALDsの活動に批判的であった水俣病訴訟弁護団長の弁護士を罵倒する書き込みを行っていた[14]。また、報道部長が所属するレイシストしばき隊に同調するツイートを繰り返していた[15][16]。このしばき隊についても弁護士は、反対派を暴力で叩きのめすという手法は民主主義の原則に反するとしてかねてより批判していた[16][17]。

そして、2015年11月1日には報道部長が所属するレイシストしばき隊の構成員を兼ねる情報セキュリティ会社F-Secureの社員が漫画家はすみとしこがFacebookで公開した作品に『いいね』を押した400人以上のユーザーの個人情報を収集して名前や勤務先をまとめたブラックリスト（『はすみリスト』と呼ばれる）を作成しネット上に公開する事件が起きていた[15][13][18][14]。報道部長はこのリスト作成に賛同していたものとみられていた[15]。11月7日に、弁護士がこの行為についてプライバシーの侵害に抵触する可能性があるとしてツイッターで否定的な発言を行った[14]。これに対して報道部長がヘイトに関与した人を晒して何が悪いんだとして弁護士に議論を吹きかけ、これを弁護士が論破してしまった[14]。弁護士はこの件で逆恨みをされるようになったのではないかとしている[14]。

同月、F-Secureの事件についてツイッターでつぶやいた芸術家のろくでなし子もしばき隊関係者によって、本事件で弁護士が後日おかれる状況（後述）と同様の状況に陥いらされていた[19]。

投稿者の特定と事件表面化

報道部長は中傷対象の一人である水俣病訴訟弁護団長の弁護士についての情報を新潟日報記者としての職権により得ていた[13]。また、マスコミ関係者以外が入手困難な情報をツイッターに書き込んでいた[13]。このような特殊な書き込みやネット利用者による指摘から、被害者である弁護士とによって投稿者が新潟日報の報道部長であることが特定されることとなった[13][6]。また、被害弁護士はFacebookで報道部長に友達申請を行うととたんにブロックされたことから、11月23日に新潟日報に問い合わせるなどして報道部長が新潟日報の人物であることを確定するための裏取りを行っていた[6][20]。 ただし、Twitter・Facebookに対する開示請求で日本第1号事案を担当した弁護士の清水陽平は本件の特定方法について被害弁護士の鋭い感と行動力に基づくもので一歩間違えると名誉棄損になりかねない方法なので一般化はできないものであると指摘している[21]。 報道部長は特定されると11月23日13時頃に弁護士に電話で謝罪を行った[17][15]。これに対して、弁護士に「貴方は新潟日報の役職者であり、公人である。あなたの言動はパブリックフォーラムにおける非難をまぬかれない。」と告げられると報道部長は匿名アカウントに謝罪文をアップした[17]。

対象者への投稿内容

報道部長は、敵とみなしたものには容赦なく悪態のかぎりをつくす投稿を行っていた[16]。

水俣病訴訟弁護団長への投稿

被害を受けた弁護士は人権問題などについて広く発言を行うとともに水俣病訴訟の弁護団長としても著名な人物であった[20]。 2015年11月20日、水俣病訴訟弁護団長の弁護士へ「こんな弁護士が訴訟の主力ってほんとかよ」[22]「うぜーよ！ヘサヨ！」[15]「うるせーな、ハゲ！はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。いい加減にしろ！そんな調子で、血のにじむような覚悟で三次訴訟に臨んだ原告のためになるのか！クソ馬鹿ハゲ野郎！」[2][17][20][3][23][24][22]などと投稿した[2][3][22]。執拗な書き込みを受けた弁護団長の弁護士はツイート上に自身の携帯電話番号を公開して匿名で中傷を行っている報道部長に対して電話をするよう穏便に抗議したが、報道部長は「いやだね。なんで、そんなクソハゲと電話で話す必要あるわけ？お前、Twitterで論争かけてきたよね？不利んなったら電話はないわ。クソが」[25][26]、「このネトウヨ弁護士！」[25]、「はよ、弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ」などの発言を繰り返した[25]。

一般ツイッター利用者への投稿

主婦とみられるある利用者へ向けて[27]、「お前の赤ん坊を、豚のエサにしてやる！」[26][28][1][3][9]「クズみたいな男と娼婦のお前の間に生まれた薄汚いガキ明らかに人種差別者の子どもであり、生きてる価値はない！最大限の尊厳を与えてやる。それは、豚のエサになることだ！」[28][29][1][30]、「豚って、何でも食うらしいよ。野菜でも、人間でも（笑）。赤ん坊は柔らかいだろうね」[28][29]、「こいつを自殺させるのが、当面の希望」[26][9][28]、「速く死ね！今死ね！毒飲め、早く死ね！」[26][28]、「死ね。それとも、殺されたいのか」[30]。「これから君のこと洗わせてもらうわ。会社やら学校やら、たいへんやな」[1][30]、「歪んだナショナリストの身内をすべて戦場へ送り込め！」[16]、「滋賀県人は人間のクズで女はみんな売春婦」[30]などの脅迫・誹謗を繰り返し投稿した[1][3][30]。

このような中傷を受けたツイッター利用者たちは事件について警察へ届け出ている[31]。

政治的な投稿

総理大臣の安倍晋三に対し「安倍はヒトラーかスターリンのコスプレしてるんだろ」[3]、「安倍はクソ野郎！早く死ね」[3]、「自民党は民主主義の敵」[1]などの投稿を行った[1][3]。また、安倍首相が学校を表敬訪問する写真には「美少女に迫る異常者」としたヘイトな投稿を行った[29]。自民党の高市早苗に対して「高市早苗　所属政党　ナチス」などとした投稿を行っていた[29]。2013年8月21日には「ネトウヨの慰安婦たる片山さつきが考えた改憲法案なんかクソに決まってる！」[16]。2013年9月14日、殉職消防士慰霊式典で片山さつきが献花を行うと「先生は制服を着て亡くなる方が余程お好きなようですね。消防士の方の殉職されるところを見たことがありますが、本当に尊く、そして痛々しいもなでした。政治家が利用すべきものではありません！先生もセーラー服を着てお亡くなりになることをお勧めします」[16]。2014年9月17日には稲田朋美に対して「英霊の慰安婦こと、稲田朋美！」などとツイートを行っていた[29][16]。2013年9月には東京で行われた人種差別反対を訴えるデモへの参加について「東京大行進にいくための、新幹線グリーン席ゲットー！」[1][12]、「日当もデルからサイコー！」などの投稿をおこなった[1][12]。

新潟日報の対応と評価

新潟日報の対応

11月24日、新潟日報は編集局幹部が当該報道部長を伴って中傷された水俣病訴訟弁護団長の弁護士事務所にて「酒に酔っていた、仕事のストレスがあった」と説明した上で謝罪した[2][32][20][30][10]。11月25日、新潟日報はホームページ上で報道部長がツイッターで水俣病訴訟弁護団長の弁護士への中傷書行った事実を公表した[33]。同日、当該報道部長は「これまで、私の誹謗中傷や汚いツイートで傷つかれたすべての方に心よりお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした。」などとツイートした[3]。新潟日報は、報道部長の言動に対して新聞人としてあってはならない行為であると定義した上で、報道部長の役職を考慮して11月25日付で懲戒休職処分とし経営管理本部付とする人事発表を行った[34][2][10]。11月27日、新潟日報は新潟日報朝刊やウェブで桑山稔取締役経営管理本部長によるお詫びのコメントと報道部長の処分の発表が掲載された[35][11]。新潟日報は報道部長一個人ではなく全社員を対象としたSNS運用に関する研修を行うことを表明した[9][36]。また、同日、報道部長のツイートの多くが削除された[9]。

11月27日、新潟日報ソーシャル編集委員の一戸信哉は、報道部長について、新潟日報の部長職の発言としてふさわしくないものであり、個人としても酔った勢いでは済まされない内容であると評し、事件についてのメディア報道について、ドギツイ発言は新聞やテレビではあまり取り上げないため、新聞やテレビのニュースだけを見ている人には、事件の全体像がほとんど伝わっていないと総括している[37]。

11月28日、北九州市で開かれた情報ネットワーク法学会の研究大会では急遽本事件をあつかった緊急討議として「ソーシャルメディア社会における組織と個人の責任」のセッションが行われ新潟日報ソーシャル編集委員の一戸信哉などが登壇した[38][39]。

12月1日、小田敏三社長は新潟日報政経懇話会会員へお詫びの手紙を送り「新聞人としてあってはならない行為であり、関係の皆様に大変なご心配をおかけすることになり、深くおわび申し上げます」「この不祥事に関連してご懸念や不快に思われる事案などがありましたらご指摘いただければ幸いです」と会員への謝罪を行った[35]。小田敏三社長による一般読者向けの謝罪はなされなかった[35]。

12月5日、新潟日報ソーシャル編集委員の一戸信哉は、11月27日に新潟日報モアに掲載した本事件についてのコラムが社論に沿って発言しているためにしばき隊などを隠蔽しているという読者からの反響に対して新潟日報ではなく自身の突っ込みが甘いものであると受け止めていると表明する[39]。また、本事件における記者「個人としての投稿」問題について、朝日新聞の池上彰従軍慰安婦問題コラム不掲載事件（池上彰の新聞ななめ読み）のときに朝日新聞の「記者アカウント」制度によって朝日新聞記者たちによって自社への批判がなされたように新聞社と記者との間にソーシャルメディア上の緊張関係があれば今回のような事件は起きなかったのではないかと評した[39]。

社外メディアへの対応

11月24日、新潟日報社はJ-CASTから記者の処分や新聞社としての謝罪を行うかを問われると、本人から聴取を行い調査を進めており適切に対応していくことを表明した[15]。同日、毎日新聞に対して経営管理本部は「過去の投稿も含めて調査している。対処すべきことがあれば適切に対応する」と社内調査を行っていることを明らかにする[20]。北海道新聞に対しては過去の投稿について「社として調査し一両日中に対処する」と応答した[23]。翌日には、謝罪と処分を発表することとなった[2][32][33]。 新潟日報は社内調査に含まれているとしていた報道部長が対立団体の活動を実力行使で反対する団体のデモへの参加について産経新聞から問い合わせを受けると、「デモの参加や日当の有無などについて個別の案件の質問には応じない」として調査内容の公表を拒否した[12]。

新潟日報の対応への評価

被害者である弁護士は報道部長の行為について「ジャーナリストとしてあるまじき行動」であると述べるとともに新潟日報の経営責任についても苦言を表明した[6]。北海道新聞の取材に対して「言論人として言ってはいけないことだ」と表明するとともに[23]、毎日新聞の取材に対して「彼は許される範囲を超えました。匿名投稿は自身の言動へのチェックを失うので恐ろしことである」と事件について語っている[32][20]。

産経新聞は新潟日報による発表では飲酒やストレスのため投稿したとしているが、背後には別の要因が透けてみえるとし[30]、報道部長は対立論者に対しては、人種差別主義者や右翼と決めつけては口汚くののしり、自民党をナチスと同一視するなどしていることから政治思想が背景にあることは想像に難くないと評している[12]。

評論家の古谷経衡は報道部長による釈明について「「酔っていた」と陳謝したが、過去のつぶやきを総覧すると、その釈明も怪しくなる。」と評するとともに、ツイッターにおける誹謗中傷を抑制することに画期的な解決方法はないが巻き込まれないようにするための自衛策として話題を限定することやツイッターを辞めるなどの対策を提起している[40]。

行橋市議の小坪慎也は産経デジタルのコラムで新潟日報の対応について、異動程度で世論が納得するのであろうか[7]、身内びいきで処分が甘すぎると評価している[29]。また、特に問題なのは新聞社としての報道方針を決め得る立場である報道部長という職にあったことであるとしている[29]。

中宮崇は報道部長と同じレイシストしばき隊のメンバーが起こしたF-Secureの事件の対応と瓜二つであると批評している[13]。また、本事件やF-Secureの事件におけるサヨクについて病的であるとし、本事件の被害弁護士のような地道に活動を行っている真面目な左翼と混同するべきではないと評している[41]。

コラムニストの小田嶋隆は当初は事件外形だけを見て新聞社の社員が引き起こした暴言事件に過ぎないもので職を解かれるほどのものでないと思っていたが、タウン誌やウェブ媒体の記事を読むことにより全国紙に書かれていない粗暴な言葉が採録されており新聞社の報道部長が書いていたと思うとびっくりしたと述べている[42]。

産経デジタルは報道部長の所属するレイシストをしばき隊の一派から同様の被害を受けていた芸術家のろくでなし子に本事件についての独占手記を求めた[19]。ろくでなし子は、自分たちを絶対の正義と信じ、背いた者はすべて敵で悪であるため手段を選ばず何をしてもよいと思う人たちによる集団ヒステリーはとても恐ろしいものであり、自分は正しいから相手の間違いを粛清するのは許されるという考えでは敵対関係や戦争しか生まれないと批評した[43]。

ノンフィクションライターの降旗学は事件の一番の問題は報道部長がメディアを生業としてきたジャーナリストであり、ある組織に所属して活動した瞬間からジャーナリストではなく活動家として組織のスポークスマンになることであると指摘している[31]。ジャーナリストの春山修司は報道部長という要職を「ぱよちん団」（対レイシストしばき隊）メンバーに任せていたのだから厳罰に処すべきであると述べている[6]。

社会学者の河合薫は報道部長が釈明として飲酒や職場のストレスを理由としたことについて、ストレスの専門家として「ストレスをナメンナよ！」「何よりも致命的なのは、彼が、活字の王様といわれる新聞社の50代の管理職ということだ。」と批判している[26]。

評論家のトニー・マラーノは情報セキュリティ会社の幹部がはすみとしこの作品に賛同した400人以上の個人情報リストをネット上にバラ巻いた事件と報道部長による暴言事件もどちらも同じように家族もいる50代の働き盛りが犯した事件であって軽薄な行動で、自分の仕事に誇りを持っていたならできないものであると批評している[44]。

ジャーナリストの宮脇睦は報道部長の属する左派系団体構成員の複数が同じような反社会的な活動をしていたのであるから、犯罪予告や殺人教唆といった反社会的行為においてオウム真理教と両者を重ねてしまい「報道する価値」があり、報道部長のほかに実名が特定された4名の構成員の尋常ならざる精神状態は報道によって一般市民に警戒を喚起する必要があると評している[45]。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i “「君のこと洗わせてもらうわ」と脅迫　デモ参加は「日当もデルからサイコー！」　暴言部長の書き込みの数々… (1/2ページ)” (日本語). 産経新聞. (2015年11月27日). http://www.sankei.com/affairs/news/151127/afr1511270030-n1.html 
  2. ^ a b c d e f g h “新潟日報、中傷ツイート社員を懲戒休職処分” (日本語). 朝日新聞. (2015年11月27日). http://www.asahi.com/articles/ASHCW3R2MHCWUOHB00C.html 
  3. ^ a b c d e f g h i “「赤ん坊を、豚のエサに」「安倍はヒトラーかスターリンのコスプレ」…弁護士以外にも多数書き込み (1/2ページ)” (日本語). 産経新聞. (2015年11月26日). http://www.sankei.com/affairs/news/151126/afr1511260016-n1.html 
  4. ^ 時事通信 (2015年11月25日). “新潟日報支社部長が弁護士中傷＝ツイッターで「仕事やめろ」” (日本語). ウォール・ストリート・ジャーナル. 2015年11月30日閲覧。
  5. ^ 鶴野充茂 (2015年11月27日). “匿名ツイッター暴言バレた部長、海外なら即解雇” (日本語). 日経ビジネス. http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/245872/112600012/?rt=nocnt 
  6. ^ a b c d e 春山修司 (2015年11月30日). “【新潟日報幹部Twitter暴言事件】渦中の人物が「ぱよちん団」メンバーで大騒動” (日本語). デイリーニュースオンライン. http://dailynewsonline.jp/article/1048077/?page=all 
  7. ^ a b 小坪慎也. “身内びいきの新潟日報よ、中傷ツイート記者の処分が甘すぎる” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月13日閲覧。
  8. ^ “「君のこと洗わせてもらうわ」と脅迫　デモ参加は「日当もデルからサイコー！」　暴言部長の書き込みの数々…(2/2ページ)” (日本語). 産経新聞. (2015年11月27日). http://www.sankei.com/affairs/news/151126/afr1511260016-n2.html 
  9. ^ a b c d e f Shusuke Murai (2015年11月27日). “Niigata editor suspended after pseudonymous, slanderous tweets come to light” (英語). Japan Times. http://www.japantimes.co.jp/news/2015/11/27/national/niigata-editor-suspended-pseudonymous-slanderous-tweets-come-light/#.VmbuHmbouUl 
  10. ^ a b c d 真野敏幸 (2015年11月27日). “新潟日報 元支社部長を懲戒休職　暴言ツイート１３年から” (日本語). 毎日新聞. http://mainichi.jp/articles/20151127/k00/00e/040/199000c 
  11. ^ a b “暴言繰り返し投稿 新潟日報元部長 無期限休職に” (日本語). NHK. (2015年11月27日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151127/k10010321421000.html 
  12. ^ a b c d e “【衝撃事件の核心】壇宿六（闇のキャンディーズ）＝新潟日報報道部長がツイッターで繰り広げた罵詈雑言…酒の上の不埒で許されるのか？（3/3ページ）” (日本語). 産経新聞. (2015年12月7日). http://www.sankei.com/premium/news/151205/prm1512050027-n3.html 
  13. ^ a b c d e f 中宮崇. “「赤ん坊を、豚のエサにしてやる」新潟日報サヨク記者の本性” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月1日閲覧。
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  15. ^ a b c d e f “「死ね」「うぜーよ！」新潟日報幹部が「壇宿六」の名で連発した暴言　地元弁護士批判してネットでバレて謝罪” (日本語). J-CAST. (2015年11月24日). http://www.j-cast.com/2015/11/24251364.html?p=all 
  16. ^ a b c d e f g 降旗学 (2015年11月28日). “ツイッターで暴言三昧、新潟日報報道部長の因果応報（下）” (日本語). ダイヤモンド・オンライン. http://diamond.jp/articles/-/82307 
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  19. ^ a b ろくでなし子. “ろくでなし子独占手記「ぱよぱよちーん」騒動の全真相” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月1日閲覧。
  20. ^ a b c d e f 真野敏幸 (2015年11月24日). “支社報道部長がツイッターで弁護士に暴言、謝罪” (日本語). 毎日新聞. http://mainichi.jp/articles/20151125/k00/00m/040/068000c/ 
  21. ^ 清水陽平 (2015年11月29日). “新潟日報元部長「暴言ツイート」問題「匿名アカウント」の誹謗中傷をやめさせるには？” (日本語). 弁護士ドットコムNEWS. https://www.bengo4.com/internet/n_4003/ 
  22. ^ a b c “新潟日報の支社部長、新潟水俣病弁護団長に暴言ツイート” (日本語). 朝日新聞. (2015年11月25日). http://www.asahi.com/articles/ASHCS7T92HCSUOHB00W.html 
  23. ^ a b c “報道部長が暴言ツイート　新潟日報、弁護士に謝罪” (日本語). 北海道新聞. (2015年11月25日). http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0206002.html 
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  25. ^ a b c 降旗学 (2015年11月28日). “ツイッターで暴言三昧、新潟日報報道部長の因果応報（上）” (日本語). ダイヤモンド・オンライン. http://diamond.jp/articles/-/82305?page=3 
  26. ^ a b c d e 河合薫 (2015年12月1日). “「罵倒ツイッター」が映す地位に溺れる人々 毎日、真面目に働くことが自分のカタチを作る” (日本語). 日経ビジネス. http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/200475/112700023/?rt=nocnt 
  27. ^ “新潟日報部長、匿名ツイッターで弁護士に誹謗中傷繰り返す” (日本語). (2015年11月25日). http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151125/dms1511251203007-n1.htm 
  28. ^ a b c d e 降旗学 (2015年11月28日). “ツイッターで暴言三昧、新潟日報報道部長の因果応報（下）” (日本語). ダイヤモンド・オンライン. http://diamond.jp/articles/-/82307?page=2 
  29. ^ a b c d e f g 小坪慎也. “身内びいきの新潟日報よ、中傷ツイート記者の処分が甘すぎる” (日本語). 産経デジタル. 2015年11月30日閲覧。
  30. ^ a b c d e f g “【衝撃事件の核心】壇宿六（闇のキャンディーズ）＝新潟日報報道部長がツイッターで繰り広げた罵詈雑言…酒の上の不埒で許されるのか？” (日本語). (2015年12月7日). http://www.sankei.com/premium/news/151205/prm1512050027-n2.html 
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  33. ^ a b “「赤ん坊を、豚のエサに」「安倍はヒトラーかスターリンのコスプレ」…弁護士以外にも多数書き込み (2/2ページ)” (日本語). 産経新聞. (2015年11月26日). http://www.sankei.com/affairs/news/151126/afr1511260016-n2.html 
  34. ^ “「お気の毒な人だ」と被害弁護士　匿名Twitterで中傷投稿した新潟日報部長　不適切な書き込みは以前から？ (2/2)” (日本語). 産経新聞. (2015年11月26日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1511/26/news051_2.html 
  35. ^ a b c “「不快に思う事案あれば指摘して」新潟日報が社長名でおわびの手紙” (日本語). 上越タウンジャーナル. (2015年12月3日). https://www.joetsutj.com/articles/99239349 
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  38. ^ 一戸信哉 (2015年11月28日). “情報ネットワーク法学会で「ソーシャルメディア社会における組織と個人の責任」を議論します” (日本語). 新潟日報. http://www.niigata-nippo.co.jp/sp/more-ct/blog/shinyai/2015/11/043519.html 
  39. ^ a b c 一戸信哉 (2015年12月5日). “記者のソーシャルメディア利用をどうコントロールするのか” (日本語). 新潟日報. http://www.niigata-nippo.co.jp/blog/shinyai/2015/12/043547.html 
  40. ^ 古谷経衡. “ツイッターで自滅する人間をどうすればよいのか” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月1日閲覧。
  41. ^ 中宮崇. “「赤ん坊を、豚のエサにしてやる」新潟日報サヨク記者の本性” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月13日閲覧。
  42. ^ 小田嶋隆 (2015年11月27日). “「超法規的な正義の暴力」について” (日本語). 日経ビジネス. http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/112600021/?bpnet&rt=nocnt 
  43. ^ ろくでなし子. “ろくでなし子独占手記「ぱよぱよちーん」騒動の全真相” (日本語). 産経デジタル. 2015年12月2日閲覧。
  44. ^ トニー・マラーノ (2015年12月4日). “【痛快！テキサス親父】見てもいない漫画に圧力とは集団リンチだ「言論の自由」脅かす行為だぜ” (日本語). 夕刊フジ. http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20151204/dms1512041550011-n1.htm 
  45. ^ 宮脇睦 (2015年12月8日). “「お前の赤ん坊は豚」を報道しないニュースバリュー0.2” (日本語). マイナビニュース. http://news.mynavi.jp/column/itshacho/346/ 

関連項目

外部リンク

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