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{{韓国の事物|| title=統一教会| picture-type=| picture=| caption=| hangeul=통일교회 | hanja=統一敎會| hiragana=とういつきょうかい| katakana=トンイルギョフェ| latin=Tongil Gyohoe| alphabet-type=英語| alphabet=Unification Church}} |
{{韓国の事物|| title=統一教会| picture-type=| picture=| caption=| hangeul=통일교회 | hanja=統一敎會| hiragana=とういつきょうかい| katakana=トンイルギョフェ| latin=Tongil Gyohoe| alphabet-type=英語| alphabet=Unification Church}} |
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'''世界基督教統一神霊協会'''(せかいきりすときょうとういつしんれいきょうかい、英名:''Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity'' )は、[[大韓民国|韓国]][[キリスト教]]の土壌から発生した[[新宗教]]団体である<ref name=Lewis>[[#Lewis|Lewis 2009. pP93-96]]</ref>。[[文鮮明]]によって[[1954年]][[5月1日]][[大韓民国|韓国]][[ソウル特別市|ソウル]]<ref name="brainwashed-111">[[# |
'''世界基督教統一神霊協会'''(せかいきりすときょうとういつしんれいきょうかい、英名:''Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity'' )は、[[大韓民国|韓国]][[キリスト教]]の土壌から発生した[[新宗教]]団体である<ref name=Lewis>[[#Lewis|Lewis 2009. pP93-96]]</ref>。[[文鮮明]]によって[[1954年]][[5月1日]][[大韓民国|韓国]][[ソウル特別市|ソウル]]<ref name="brainwashed-111">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.111-122「統一協会の顔」</ref>に創設され、その後世界本部は[[ニューヨーク]]に移された。世界193か国に支部がある。日本、次いでアメリカ、イギリスで布教され、近年は東ヨーロッパと南アメリカで拡大している<ref name=Lewis/>。一般的には統一教会、またはムーニーズの名で知られる<ref name=Lewis/>。社会において家族というユニットの重要性を説く点に特徴がある<ref name=Lewis/>。 |
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発生の背景には、1930年代の韓国キリスト教における神秘主義的な異端運動があり、日本の支配から解放され朝鮮戦争を経た1950年代以降の韓国において生まれたいくつかの新宗教運動の一つである<ref name=Lewis/>。その神学は、仏教、儒教、道教、シャーマニズム、韓国のキリスト教の影響を受けており、西洋的文脈になじまない信念も見られる<ref name=Lewis/>。 |
発生の背景には、1930年代の韓国キリスト教における神秘主義的な異端運動があり、日本の支配から解放され朝鮮戦争を経た1950年代以降の韓国において生まれたいくつかの新宗教運動の一つである<ref name=Lewis/>。その神学は、仏教、儒教、道教、シャーマニズム、韓国のキリスト教の影響を受けており、西洋的文脈になじまない信念も見られる<ref name=Lewis/>。一般のキリスト教会は世界基督教統一神霊協会をキリスト教の一[[教派]]とは認めていない。教義の核心部分は「救世主である文鮮明とのセックスによって肉体の原罪は清められる」ということである<ref name="brainwashed-36">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.36-39「フォーデイズ」</ref><ref name="brainwashed-111"/>。{{main|#教義}}日本では、団体名を明示せずに布教し[[マインドコントロール]]により信者を増やし[[霊感商法]]など違法な手法で資金を集めているという批判があり、統一教会/統一協会がらみの訴訟が1986年以降100件を超え、献金勧誘行為の違法性と賠償責任を認める判決が複数あり<ref>[[#Lewis|井上まどか 2009. pP93-96]]</ref>、カルト視されている。「宗教を仮面につかっているだけの謀略集団<ref name="brainwashed-87">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.87-102「様々な体験」</ref>」「宗教という仮面をかぶった経済=政治複合組織<ref name="whatis-7">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.7-34「統一教会は何を狙っているか」。</ref>」「多国籍企業を上回る準軍事的な国際政党<ref name="whatis-7"/>」という評価もある。韓国では、異端、偽宗教といわれることもあるが、霊感商法は行っておらず、日本ほど問題にはなっていない<ref name=nakanishi>[[#nakanishi|nakanishi 2008.]]</ref>。系列企業や団体も多く、韓国では宗教団体としてだけでなく企業とも認識され、農村部では結婚相談所のような役割も果たしている<ref name=nakanishi/>。「多国籍企業を上回る準軍事的な国際政党<ref name="whatis-7">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.7-34「統一教会は何を狙っているか」。</ref>」という評価もあり、この運動における宗教間対話と平和志向を評価する向きもある<ref name=Lewis/>。 |
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日本では2015年8月26日、宗教法人の名称を'''世界平和統一家庭連合'''(せかいへいわとういつかていれんごう、英名:''Family Federation for World Peace and Unification'')に変更した<ref>[http://www.sankei.com/life/news/150901/lif1509010016-n1.html 「統一教会が名称変更 『世界平和統一家庭連合』に」、産経新聞、2015年9月1日]</ref><ref>「安倍改造政権支える宗教 集団的自衛権で創価学会とはすきま風」、週刊朝日、2015年10月23日号。</ref>。 |
日本では2015年8月26日、宗教法人の名称を'''世界平和統一家庭連合'''(せかいへいわとういつかていれんごう、英名:''Family Federation for World Peace and Unification'')に変更した<ref>[http://www.sankei.com/life/news/150901/lif1509010016-n1.html 「統一教会が名称変更 『世界平和統一家庭連合』に」、産経新聞、2015年9月1日]</ref><ref>「安倍改造政権支える宗教 集団的自衛権で創価学会とはすきま風」、週刊朝日、2015年10月23日号。</ref>。 |
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== 略称 == |
== 略称 == |
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日本では一般に、'''統一教会'''または'''統一協会'''(いずれも「とういつきょうかい」と読む、英名:''Unification Church'')の名前で知られる。海外ではムーニーズの通称でも知られる<ref name=Lewis/>。批判派は、正式名称からしても実 |
日本では一般に、'''統一教会'''または'''統一協会'''(いずれも「とういつきょうかい」と読む、英名:''Unification Church'' )の名前で知られる。海外ではムーニーズの通称でも知られる<ref name=Lewis/>。初期には自ら「統一協会」と名乗っていたが、途中から「統一教会」に変更し、キリスト教会の一派を装っている<ref name="brainwashed-108">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.108-110「統一協会とは」</ref>。批判派は、正式名称からしても実態からしても「統一教会」ではなく「統一協会」が自然だとしている<ref name="brainwashed-108"/>。世界基督教統一神霊協会はマスコミが略称として「統一協会」と書くと必ず訂正を要求していた<ref name="whatis-7"/>。以降「統一教会/統一協会」または「教団」と表記する。 |
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== 概略 == |
== 概略 == |
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{{Main2|教団の歴史|世界基督教統一神霊協会の年表}} |
{{Main2|教団の歴史|世界基督教統一神霊協会の年表}} |
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教祖の[[文鮮明]]<!-- ウィキペディアで敬称は不可 -->は[[日本統治時代の朝鮮]]、現在の[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]地域<ref name="brainwashed-111"/>で農家の二男として生まれた。1954年<ref name="brainwashed-111"/><ref name="post_829f">{{cite web|url = http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/09/post_829f.html|title = 統一教会の文鮮明教祖死去にあたって|date = 2012-09-03|author = 有田芳生|work = 有田芳生の『酔醒漫録』|accessdate = 2013年1月10日}}</ref>「[[数え年]]16歳のときに[[イエス・キリスト]]から自分が果たせなかった[[神]]の目的を果たす使命を託された」「[[キリスト教徒]]が自分を[[再臨]]の[[キリスト]]([[メシア]])として受け入れれば救われたのだが、当時のキリスト教徒の代表たちが文鮮明を受け入れなかったためキリスト教に代わるものとして設立した」と称しているのが統一教会/統一協会である。 |
教祖の[[文鮮明]]<!-- ウィキペディアで敬称は不可 -->は[[日本統治時代の朝鮮]]、現在の[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]地域<ref name="brainwashed-111"/>で農家の二男として生まれたが、文鮮明が北朝鮮地域で産まれた事実は教義上都合が悪いため教えられず、内部誌では「韓国の平安北道」となっている<ref name="brainwashed-111"/>。若いうちから混淫派という新興宗教の熱心な信者となり、その教義からアイデアを得て「救世主とのセックスによって肉体の原罪は清められる」という教義の核心部分を構成し<ref name="brainwashed-36"/>、1954年<ref name="brainwashed-111"/><ref name="post_829f">{{cite web|url = http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2012/09/post_829f.html|title = 統一教会の文鮮明教祖死去にあたって|date = 2012-09-03|author = 有田芳生|work = 有田芳生の『酔醒漫録』|accessdate = 2013年1月10日}}</ref>「[[数え年]]16歳のときに[[イエス・キリスト]]から自分が果たせなかった[[神]]の目的を果たす使命を託された」「[[キリスト教徒]]が自分を[[再臨]]の[[キリスト]]([[メシア]])として受け入れれば救われたのだが、当時のキリスト教徒の代表たちが文鮮明を受け入れなかったためキリスト教に代わるものとして設立した」と称しているのが統一教会/統一協会である。 |
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韓国においては、教団設立翌年の[[1955年]]に韓国の名門女子大である[[梨花女子大学校]]で教授や女子学生など多数が入信し、文鮮明は「72時間説教」と称して女性信者を監禁、「私は神の子だから、私と肉体関係を持てば、あなたは救世主を産むことができる」と貞操を奪ったり、文鮮明が女子学生を[[婦女暴行]]した疑いで逮捕された<ref name="brainwashed-36" |
韓国においては、教団設立翌年の[[1955年]]に韓国の名門女子大である[[梨花女子大学校]]で教授や女子学生など多数が入信し、文鮮明は「72時間説教」と称して女性信者を監禁、「私は神の子だから、私と肉体関係を持てば、あなたは救世主を産むことができる」と貞操を奪ったり、文鮮明が女子学生を[[婦女暴行]]した疑いで逮捕された<ref name="brainwashed-36"/>等で騒動となり、批判された。 |
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日本の[[出入国管理及び難民認定法]]第5条には、日本に上陸を許可しない外国人の条件の一つとして「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の[[懲役]]若しくは[[禁錮]]又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」という規定があり、教祖の文鮮明はこれに該当するため日本に入国できなかった。日本をはじめ文鮮明が入国できない国での運動を進めるため妻の[[韓鶴子]]が表舞台に出るようになり、世界各地で講演を行っている。 |
日本の[[出入国管理及び難民認定法]]第5条には、日本に上陸を許可しない外国人の条件の一つとして「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の[[懲役]]若しくは[[禁錮]]又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」という規定があり、教祖の文鮮明はこれに該当するため日本に入国できなかった。日本をはじめ文鮮明が入国できない国での運動を進めるため妻の[[韓鶴子]]が表舞台に出るようになり、世界各地で講演を行っている。 |
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日本においては特に1960年代後半から1990年代前半にかけて洗脳による入信、霊感商法などで有名になり、批判された。{{main|#日本統一教会/日本統一協会}} |
日本においては特に1960年代後半から1990年代前半にかけて洗脳による入信、霊感商法などで有名になり、批判された。{{main|#日本統一教会/日本統一協会}} |
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第3次4年路程が終わる[[2012年]]までに全ての[[摂理]]を完成させることで、[[2013年]]の[[太陰暦]]([[天暦 (曖昧さ回避)|天暦]])[[1月13日]]([[グレゴリオ暦]]では[[2月22日]])には「天一国」が実現する(基元節)としている<ref>[http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2009/07/post_d207.html 〈資料〉統一教会会長、記者会見のお知らせ]([[有田芳生]]の『酔醒漫録』)</ref>。しかし教団はこれまで「[[1967年]]4月にキリストが世界に君臨」「[[1972年]]に共産主義が滅亡」「[[1985年]]までの3年間が正念場」「[[1986年]]から[[1988年]]までが日本で勝利する時」等と言っては会員を活動に駆り立てて来たが、全く文鮮明の予言通りにはなっていない<ref name="brainwashed-67">[[# |
第3次4年路程が終わる[[2012年]]までに全ての[[摂理]]を完成させることで、[[2013年]]の[[太陰暦]]([[天暦 (曖昧さ回避)|天暦]])[[1月13日]]([[グレゴリオ暦]]では[[2月22日]])には「天一国」が実現する(基元節)としている<ref>[http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2009/07/post_d207.html 〈資料〉統一教会会長、記者会見のお知らせ]([[有田芳生]]の『酔醒漫録』)</ref>。しかし教団はこれまで「[[1967年]]4月にキリストが世界に君臨」「[[1972年]]に共産主義が滅亡」「[[1985年]]までの3年間が正念場」「[[1986年]]から[[1988年]]までが日本で勝利する時」等と言っては会員を活動に駆り立てて来たが、全く文鮮明の予言通りにはなっていない<ref name="brainwashed-67">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.67-68「責任分担」</ref>。予言通りにならないと「神が95%を準備して下さったのに、人間が5%の責任分担を果たさなかったからだ」という説明がされて来た<ref name="brainwashed-67"/>。 |
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== 日本統一教会/日本統一協会 == |
== 日本統一教会/日本統一協会 == |
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== 経済活動 == |
== 経済活動 == |
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統一教会/統一協会元広報局長<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.35-82「統一教会に何が起こっているか」。</ref>で[[世界日報 (日本)|世界日報]]編集局長<ref name="whatis-7"/>だった[[副島嘉和]]によると、1975年<ref name="whatis-7"/>文鮮明から日本統一教会/日本統一協会に送金命令が下り<ref name="whatis-7"/>、毎月約20億円<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>、1985年までの<ref name="whatis-7"/>10年間に合計約2000億円が文鮮明に送金された<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>。これに伴い被害相談額だけで2001年までの25年間で1100億円を超える大きな傷跡を残した<ref name="post_829f"/>。教団には「地上天国」を実現するために「万物復帰」すなわち「すべてのものを神に返す」という教えがあり、具体的には全ての財産を文鮮明に帰属させることをいう<ref name="brainwashed-53">[[# |
統一教会/統一協会元広報局長<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35">『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.35-82「統一教会に何が起こっているか」。</ref>で[[世界日報 (日本)|世界日報]]編集局長<ref name="whatis-7"/>だった[[副島嘉和]]によると、1975年<ref name="whatis-7"/>文鮮明から日本統一教会/日本統一協会に送金命令が下り<ref name="whatis-7"/>、毎月約20億円<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>、1985年までの<ref name="whatis-7"/>10年間に合計約2000億円が文鮮明に送金された<ref name="whatis-7"/><ref name="whatis-35"/>。これに伴い被害相談額だけで2001年までの25年間で1100億円を超える大きな傷跡を残した<ref name="post_829f"/>。教団には「地上天国」を実現するために「万物復帰」すなわち「すべてのものを神に返す」という教えがあり、具体的には全ての財産を文鮮明に帰属させることをいう<ref name="brainwashed-53">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.53-54「UCグループ」</ref><ref name="brainwashed-74">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.74-78「献金の摂理」</ref>。 |
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教団側は、教団の重要な教えの中に、公金を絶対に私的に使用してはならないという公金の教え、結婚した夫婦が絶対に貞節を守らなければならないという貞節の教え、人の心情を絶対に傷つけてはならないという心情蹂躙の教えがあると言い、文鮮明夫婦だけではなく彼らの13人の子女も、神と人を愛し、万物を愛し、地球環境を愛するという精神から普段の生活は質素倹約で、「統一教会内に自分たち名義の器物を一つももたない」と説明する。しかし元会員の一人は「表だって口には出さないけれど、幹部は何もせず高給をとり、ぜいたくな暮らしをしているのに、という不満もあった」という<ref name="brainwashed-87" |
教団側は、教団の重要な教えの中に、公金を絶対に私的に使用してはならないという公金の教え、結婚した夫婦が絶対に貞節を守らなければならないという貞節の教え、人の心情を絶対に傷つけてはならないという心情蹂躙の教えがあると言い、文鮮明夫婦だけではなく彼らの13人の子女も、神と人を愛し、万物を愛し、地球環境を愛するという精神から普段の生活は質素倹約で、「統一教会内に自分たち名義の器物を一つももたない」と説明する。しかし元会員の一人は「表だって口には出さないけれど、幹部は何もせず高給をとり、ぜいたくな暮らしをしているのに、という不満もあった」という<ref name="brainwashed-87"/>。また文鮮明の息子の[[文孝進]]と結婚した[[洪蘭淑]]は『わが父文鮮明の正体』という文鮮明一族の内情を描いた暴露手記を出版し、文孝進がロック音楽や銃器などの趣味に没頭しまた[[アルコール依存症]]、[[薬物依存症]]に陥っており、不品行や暴力により結婚生活が破綻している様などについて書いている。 |
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人を騙すことについて、信者は「サタンのもとにある財産を神のもとに復帰するのだから決して罪にはならない<ref name="brainwashed-53"/><ref name="whatis-35"/>」「たとえウソをついて売っても相手を救うことになる<ref name="brainwashed-59">[[# |
人を騙すことについて、信者は「サタンのもとにある財産を神のもとに復帰するのだから決して罪にはならない<ref name="brainwashed-53"/><ref name="whatis-35"/>」「たとえウソをついて売っても相手を救うことになる<ref name="brainwashed-59">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.59-64「万物復帰」</ref><ref name="whatis-35"/>」と教えられている。 |
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=== 関連企業や関連団体 === |
=== 関連企業や関連団体 === |
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この「霊感商法」問題は[[国会 (日本)|国会]]でも幾度も採り上げられたが、[[警察庁刑事局]]保安部生活経済課長は「この種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、[[悪徳商法|悪質商法]]の中でも最も悪質なものの一つということで、全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。」と答弁した<ref name="k19860515">第108回国会 衆議院 法務委員会 第3号 昭和62年([[1987年]])5月15日 ([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/108/0080/10805150080003c.html 議事録])</ref>。 |
この「霊感商法」問題は[[国会 (日本)|国会]]でも幾度も採り上げられたが、[[警察庁刑事局]]保安部生活経済課長は「この種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、[[悪徳商法|悪質商法]]の中でも最も悪質なものの一つということで、全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。」と答弁した<ref name="k19860515">第108回国会 衆議院 法務委員会 第3号 昭和62年([[1987年]])5月15日 ([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/108/0080/10805150080003c.html 議事録])</ref>。 |
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「霊感商法」が社会問題化した1980年後半、教団は当初売買契約の自由、次いで[[信教の自由]]を盾にしたが、それらが通用しないと分かると[[宗教団体]]「霊石愛好会」を設立、その主催で「霊感商法」を擁護する集会を各地で開いた。「霊石愛好会」は1988年1月[[北海道]][[帯広市]]で「天地正教」として法人登記している<ref name="brainwashed-123">[[# |
「霊感商法」が社会問題化した1980年後半、教団は当初売買契約の自由、次いで[[信教の自由]]を盾にしたが、それらが通用しないと分かると[[宗教団体]]「霊石愛好会」を設立、その主催で「霊感商法」を擁護する集会を各地で開いた。「霊石愛好会」は1988年1月[[北海道]][[帯広市]]で「天地正教」として法人登記している<ref name="brainwashed-123">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.123-129「天地正教の顔」</ref>。「弥勒菩薩を本尊とする」「南無霊妙大慈尊というお経を作る」等仏教を装っているが、教祖の川瀬カヨは統一教会/統一協会の古参会員であり、天地正教の道場にある祈祷室には文鮮明の写真が飾られ、この道場で統一教会/統一協会の献身儀式が行われるなど実体的に統一教会/統一協会と一体であり、悪事を隠す仮面として仏教の装いを作っているに過ぎない<ref name="brainwashed-123"/>。 |
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教団側は信者に向けては「昭和57年ごろから文先生が創設した政治団体国際勝共連合が日本を共産主義の間接侵略から守るために[[国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案|スパイ防止法]]制定運動を活発に推進しました。これに対して[[日本共産党|共産党]]および[[日本社会党|社会党]]は制定運動の資金源が統一教会であると誤認し、教会攻撃のために引き起したのがいわゆる”霊感商法問題”です。」という説明をした<ref name="tyuwa19920912">『中和新聞』平成4年([[1992年]])9月12日号</ref><ref>『霊感商法の真相―誰もここまでは迫れなかった』[[世界日報 (日本)|世界日報]] [[1996年]]</ref>が、その一方で世間に向けては「教会一切の収益事業はおこなっておらず、教会員の献金によってのみ運営されています。…個人の職業に対しては一切関与するものではありません。ゆえにいかなる商法とも教会は関連ありません。」と教団の関与を全面否定してきた<ref name="tyuwa19920912"/>。また民事裁判では「“しあわせサークル連絡協議会”という統一教会とは法律上も活動も別個である信者による組織が行ったのであって、教団は、信者がいかなる伝道活動をしているか、いかなる企業を経営し経済活動を行っているかなどについて知る立場にはない」などと主張してきた(平成14年([[2002年]])10月28日 新潟地方裁判所)。また『中和新聞』[[1996年]]12月15日号での「霊感商法問題に関する統一教会の見解」によれば「販売の際に使用したセールストークは教団の教義とは似て非なるものであり、[[系図|家系図]]、[[手相|手相占い]]、[[姓名判断]]、[[四柱推命]]などの[[易経|易学]]や[[因果]]応報などは[[仏教]]的な教えであり、聖書の教えを根本とする教団の教えではない」として教義との関連を否定した。しかし日本弁護士連合会は1988年3月にまとめた『霊感商法被害実態とその対策について』の中で、この悪徳商法が統一教会信者によって組織的に行なわれていることを具体的証拠をもって証明し、結論として「霊感商法に関わる販売業者群の背後には統一教会の存在が推認される」とした<ref name="whatis-7"/>。また「ハッピーワールド販売促進資料」と題する霊感商法の販売[[マニュアル]]には壺の型は「文鮮明自ら考案した作品であり、御言を受け入れていない人達の救いのための条件物として作られた」と説明しており、'''霊感商法が、教会活動の一環として行われていた'''ことの証拠となった。 |
教団側は信者に向けては「昭和57年ごろから文先生が創設した政治団体国際勝共連合が日本を共産主義の間接侵略から守るために[[国家秘密に係るスパイ行為等の防止に関する法律案|スパイ防止法]]制定運動を活発に推進しました。これに対して[[日本共産党|共産党]]および[[日本社会党|社会党]]は制定運動の資金源が統一教会であると誤認し、教会攻撃のために引き起したのがいわゆる”霊感商法問題”です。」という説明をした<ref name="tyuwa19920912">『中和新聞』平成4年([[1992年]])9月12日号</ref><ref>『霊感商法の真相―誰もここまでは迫れなかった』[[世界日報 (日本)|世界日報]] [[1996年]]</ref>が、その一方で世間に向けては「教会一切の収益事業はおこなっておらず、教会員の献金によってのみ運営されています。…個人の職業に対しては一切関与するものではありません。ゆえにいかなる商法とも教会は関連ありません。」と教団の関与を全面否定してきた<ref name="tyuwa19920912"/>。また民事裁判では「“しあわせサークル連絡協議会”という統一教会とは法律上も活動も別個である信者による組織が行ったのであって、教団は、信者がいかなる伝道活動をしているか、いかなる企業を経営し経済活動を行っているかなどについて知る立場にはない」などと主張してきた(平成14年([[2002年]])10月28日 新潟地方裁判所)。また『中和新聞』[[1996年]]12月15日号での「霊感商法問題に関する統一教会の見解」によれば「販売の際に使用したセールストークは教団の教義とは似て非なるものであり、[[系図|家系図]]、[[手相|手相占い]]、[[姓名判断]]、[[四柱推命]]などの[[易経|易学]]や[[因果]]応報などは[[仏教]]的な教えであり、聖書の教えを根本とする教団の教えではない」として教義との関連を否定した。しかし日本弁護士連合会は1988年3月にまとめた『霊感商法被害実態とその対策について』の中で、この悪徳商法が統一教会信者によって組織的に行なわれていることを具体的証拠をもって証明し、結論として「霊感商法に関わる販売業者群の背後には統一教会の存在が推認される」とした<ref name="whatis-7"/>。また「ハッピーワールド販売促進資料」と題する霊感商法の販売[[マニュアル]]には壺の型は「文鮮明自ら考案した作品であり、御言を受け入れていない人達の救いのための条件物として作られた」と説明しており、'''霊感商法が、教会活動の一環として行われていた'''ことの証拠となった。 |
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*資産家による献金 - 「篤志家」、「サミット」と呼ばれる部門が資産家を対象にその預金や土地や家を売却代金を献金することを勧めた。 |
*資産家による献金 - 「篤志家」、「サミット」と呼ばれる部門が資産家を対象にその預金や土地や家を売却代金を献金することを勧めた。 |
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*巨大プロジェクトによる資金集め |
*巨大プロジェクトによる資金集め |
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**国際ハイウェイ構想 - 「東洋と西洋の諸国を高速道路で連絡し、地上天国の実現を促進する」という「国際ハイウェイ構想」を提唱、「国際ハイウェイ建設事業団」を結成、第一段階として日本、韓国、中国、南アジア、中近東を経由してソ連に至る高速道路を建設するとし、その一部として[[日韓トンネル]]を建設する[[日韓トンネル研究会]]を結成、[[佐賀県]][[鎮西町]](現[[唐津市]]鎮西町)に調査斜坑掘削を始め、巨大プロジェクトを売り物に技術者、学者、資金集めをしており<ref name="brainwashed-143">[[# |
**国際ハイウェイ構想 - 「東洋と西洋の諸国を高速道路で連絡し、地上天国の実現を促進する」という「国際ハイウェイ構想」を提唱、「国際ハイウェイ建設事業団」を結成、第一段階として日本、韓国、中国、南アジア、中近東を経由してソ連に至る高速道路を建設するとし、その一部として[[日韓トンネル]]を建設する[[日韓トンネル研究会]]を結成、[[佐賀県]][[鎮西町]](現[[唐津市]]鎮西町)に調査斜坑掘削を始め、巨大プロジェクトを売り物に技術者、学者、資金集めをしており<ref name="brainwashed-143">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.143-146「日韓トンネルの顔」</ref>、1980年代に信者達が多額の献金をしたと言われているが、実際には日韓トンネルの調査斜坑掘削で400m程掘った以外に具体化の動きはない<ref name="brainwashed-143"/><ref name="whatis-35"/>。関係者は100年たっても完成しないだろうと公言しているという<ref name="whatis-7"/>。 |
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**パンダ・モータース - [[1988年]]から[[中華人民共和国|中国]]に「パンダ・モータース」という自動車工場を作るとして信者に献金が要請された。[[広東省]][[恵州市]]に15,000,000[[坪]]の土地を借りて10億[[ドル]]以上を投資し年間30万台の自動車を作る計画で、家や土地まで[[担保]]に入れて借金する信者まで出したが、この計画は完成しなかった。 |
**パンダ・モータース - [[1988年]]から[[中華人民共和国|中国]]に「パンダ・モータース」という自動車工場を作るとして信者に献金が要請された。[[広東省]][[恵州市]]に15,000,000[[坪]]の土地を借りて10億[[ドル]]以上を投資し年間30万台の自動車を作る計画で、家や土地まで[[担保]]に入れて借金する信者まで出したが、この計画は完成しなかった。 |
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*教会にノルマを課し高額な本の販売 - ただし教団は「『聖本』も『天聖経』も商品ではない」とし、「贈呈にあたっては、献金のみが考慮されているものではありません。」と述べている<ref>[http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 TBSテレビ「報道特集」への抗議及び謝罪・訂正要求2006年6月19日]([http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 「世界基督教統一神霊協会」公式ウェブサイト]</ref>。 |
*教会にノルマを課し高額な本の販売 - ただし教団は「『聖本』も『天聖経』も商品ではない」とし、「贈呈にあたっては、献金のみが考慮されているものではありません。」と述べている<ref>[http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 TBSテレビ「報道特集」への抗議及び謝罪・訂正要求2006年6月19日]([http://www.uc-japan.org/news.aspx?id=338&pg=0 「世界基督教統一神霊協会」公式ウェブサイト]</ref>。 |
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日本での選挙の際にも信者を運動員として派遣し主に保守系候補を積極的に支援することが知られ、1986年の[[第14回参議院議員通常選挙|衆]]・[[第38回衆議院議員総選挙|参]]ダブル選挙では教団が肩入れした候補150人のうち134人を当選させ、後にその全員が教義セミナーを受講したと勝共連合の機関紙が伝えた<ref>『思想新聞』1986年7月20日号</ref>。その反面、対立候補に対しては中傷ビラを配るなどのネガティブキャンペーンも行い、過去には街宣車を出動させ大々的に行われたこともある<ref name="syu19780601">第084回国会 衆議院 地方行政委員会 第24号 昭和53年(1978年)6月1日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/084/0050/08406010050024c.html 議事録])</ref>。 |
日本での選挙の際にも信者を運動員として派遣し主に保守系候補を積極的に支援することが知られ、1986年の[[第14回参議院議員通常選挙|衆]]・[[第38回衆議院議員総選挙|参]]ダブル選挙では教団が肩入れした候補150人のうち134人を当選させ、後にその全員が教義セミナーを受講したと勝共連合の機関紙が伝えた<ref>『思想新聞』1986年7月20日号</ref>。その反面、対立候補に対しては中傷ビラを配るなどのネガティブキャンペーンも行い、過去には街宣車を出動させ大々的に行われたこともある<ref name="syu19780601">第084回国会 衆議院 地方行政委員会 第24号 昭和53年(1978年)6月1日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/084/0050/08406010050024c.html 議事録])</ref>。 |
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信者が自由民主党の事務所に派遣された際には「統一協会ではなく勝共連合から来ましたと言いなさい」と言い含められたという<ref name="brainwashed-78">[[# |
信者が自由民主党の事務所に派遣された際には「統一協会ではなく勝共連合から来ましたと言いなさい」と言い含められたという<ref name="brainwashed-78">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.78-86「献身生活」</ref>。 |
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秘書として議員の元へ送り込まれる者も多く、中には1議員が9人の信者を起用していた例もあり<ref name ="san19980922"/>、その数は衆参両院で三桁に上るとの見方もある。在任中の[[法務大臣]]であった[[保岡興治]]が政策秘書として使う信者(1800双)<ref group="注釈">教団の行う合同結婚式は参加するカップル数により、それぞれ「6500組合同結婚式」「3万組国際合同結婚式」などと命名され、信者は自身が祝福(結婚)を受けた式の参加人数により「6500双(6500組)」「3万双(3万組)」と呼ばれる。</ref><ref>[http://www.ucjp.org/?page_id=21 祝福結婚とは]</ref>を[[秘書官]]に登用したことが週刊誌で報じられ<ref>{{Cite journal|和書|title=森内閣にまたも大問題 保岡興治法相の秘書官はあの『合同結婚式』参加者|journal=FRIDAY|issue=2000年9月8日号|publisher=講談社}}</ref>国会で追及を受けたこともある<ref name="san20000830">第149回国会 参議院 決算委員会 第2号 平成12年(2000年)8月30日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/149/0015/14908300015002c.html 議事録])</ref>。1992年3月には国会議員による法務大臣への働きかけが奏功し、本来であれば米国で1984年に受けた実刑判決の影響で日本へ入国できない文鮮明が、14年ぶりの来日を果たし各地で説教した<ref>{{Cite news|url=http://utenti.multimania.it/esashi/abesin21.JPG|title=統一教会・文教主の特別入国 自民6議員も要請状 法務省回答|newspaper=朝日新聞|date=1992-11-07}}{{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref><ref name ="san19980922">第143回国会 参議院 法務委員会 第3号 平成10年(1998年)9月22日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/143/1080/14309221080003c.html 議事録])</ref>。 |
秘書として議員の元へ送り込まれる者も多く、中には1議員が9人の信者を起用していた例もあり<ref name ="san19980922"/>、その数は衆参両院で三桁に上るとの見方もある。在任中の[[法務大臣]]であった[[保岡興治]]が政策秘書として使う信者(1800双)<ref group="注釈">教団の行う合同結婚式は参加するカップル数により、それぞれ「6500組合同結婚式」「3万組国際合同結婚式」などと命名され、信者は自身が祝福(結婚)を受けた式の参加人数により「6500双(6500組)」「3万双(3万組)」と呼ばれる。</ref><ref>[http://www.ucjp.org/?page_id=21 祝福結婚とは]</ref>を[[秘書官]]に登用したことが週刊誌で報じられ<ref>{{Cite journal|和書|title=森内閣にまたも大問題 保岡興治法相の秘書官はあの『合同結婚式』参加者|journal=FRIDAY|issue=2000年9月8日号|publisher=講談社}}</ref>国会で追及を受けたこともある<ref name="san20000830">第149回国会 参議院 決算委員会 第2号 平成12年(2000年)8月30日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/149/0015/14908300015002c.html 議事録])</ref>。1992年3月には国会議員による法務大臣への働きかけが奏功し、本来であれば米国で1984年に受けた実刑判決の影響で日本へ入国できない文鮮明が、14年ぶりの来日を果たし各地で説教した<ref>{{Cite news|url=http://utenti.multimania.it/esashi/abesin21.JPG|title=統一教会・文教主の特別入国 自民6議員も要請状 法務省回答|newspaper=朝日新聞|date=1992-11-07}}{{リンク切れ|date=2013年11月}}</ref><ref name ="san19980922">第143回国会 参議院 法務委員会 第3号 平成10年(1998年)9月22日([http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/143/1080/14309221080003c.html 議事録])</ref>。 |
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== 宗教活動 == |
== 宗教活動 == |
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教義の核心部分は「'''救世主とのセックスによって肉体の原罪は清められる'''」であり、これは混淫教という新興宗教からアイデアを得たものである<ref name="brainwashed-36"/>。女性信者は「薄化粧にせよ」「髪が長いとそこからサタンが入る(のでショートカットにせよ)」と教えられ、それが文鮮明の好みなのだという<ref name="whatis-7"/>。信者は「信じて滅びよ」、すなわち文鮮明のためなら死んでも感謝するという絶対的信仰を持つよう教えられる<ref name="whatis-35"/>。 |
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文鮮明が再臨主であることを主張する[[予言]]の解説本を出したり、[[霊界]]の宗教者や政治家達が文鮮明をメシアと崇めているという「霊界通信」本を出している<ref group="注釈">『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 天上天下の救世主━真の父母』(2000年2月14日)、『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 四大聖人たちの霊界セミナー』(2001年6月5日、いずれも(株)成和出版社の編集・発行)</ref>。 |
文鮮明が再臨主であることを主張する[[予言]]の解説本を出したり、[[霊界]]の宗教者や政治家達が文鮮明をメシアと崇めているという「霊界通信」本を出している<ref group="注釈">『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 天上天下の救世主━真の父母』(2000年2月14日)、『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 四大聖人たちの霊界セミナー』(2001年6月5日、いずれも(株)成和出版社の編集・発行)</ref>。 |
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浅見定雄は統一教会/統一協会のマインドコントロールの仕組みを解析し、以下の7点に要約している。 |
浅見定雄は統一教会/統一協会のマインドコントロールの仕組みを解析し、以下の7点に要約している。 |
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#隔離 - 信者が自分の親に説明し難くなった場合に「親に会わない口実」「統一教会をどう説明するか」などの手引書を作っており家族に秘密にさせる<ref name="brainwashed-30">[[# |
#隔離 - 信者が自分の親に説明し難くなった場合に「親に会わない口実」「統一教会をどう説明するか」などの手引書を作っており家族に秘密にさせる<ref name="brainwashed-30">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.30-35「ライフトレーニング」</ref>。ビデオも一人で見る<ref name="brainwashed-25">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.25-30「合宿セミナー」</ref>。 |
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#雰囲気 - 親切にする。歌やゲームもある共同生活<ref name="brainwashed-25"/>。 |
#雰囲気 - 親切にする。歌やゲームもある共同生活<ref name="brainwashed-25"/>。 |
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#反復 - 同じことを徹底的に反復して教え込む<ref name="brainwashed-25"/>。 |
#反復 - 同じことを徹底的に反復して教え込む<ref name="brainwashed-25"/>。 |
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#呪いの暗示 - 脱退すると霊に打たれる、霊界で先祖が苦しんでいる、水子が祟っている、等と不安を持たせる<ref name="brainwashed-25"/><ref name="brainwashed-78"/>。 |
#呪いの暗示 - 脱退すると霊に打たれる、霊界で先祖が苦しんでいる、水子が祟っている、等と不安を持たせる<ref name="brainwashed-25"/><ref name="brainwashed-78"/>。 |
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アンケート<ref name="brainwashed-6">[[# |
アンケート<ref name="brainwashed-6">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.6-11「駅頭にて」</ref>、戸別訪問等が最初の窓口である。統一教会である旨名乗らず、内容も明かさず、通りがかりの人に賛美のシャワーを浴びせて<ref name="brainwashed-6"/>「教養講座」「カルチャーセンター」「自己啓発」「無料映画会<ref name="brainwashed-6"/>」「マンガ研究会<ref name="brainwashed-6"/>」などとだましてビデオセンターに連れ込む。夕食後はアンケートに電話番号を書いた人に電話を掛ける。全ての台詞には手引となる問答集があり、会員はそれを叩き込まれて鸚鵡返しにしゃべっている。 |
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⚫ | ビデオセンターで12巻のビデオ受講<ref name="brainwashed-12">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.12-17「ビデオセンター」</ref>の後、ツーデイズ修練会(2日間)<ref name="brainwashed-12"/>、ライフトレーニング(約2週間)<ref name="brainwashed-12"/>、フォーデイズ修練会(4日間)<ref name="brainwashed-12"/>と続くが、内容は「エバが淫行したことで人間はサタンの子孫であり、これを救える救い主は一人しかいない」という話が繰り返し教えられるだけで、結局「その救い主は誰か」は明らかにされない<ref name="brainwashed-12"/>。ライフトレーニングは長期にわたるため親に不審を抱かせる場合もあるが、説明する手引書も用意されている<ref name="brainwashed-30"/>。聖書の引用はされるが決して「聖書の何ページを開け」とは言わず、前後の文脈を無視した引用部分を読み上げるだけである<ref name="brainwashed-46">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.46-47「世界情勢」</ref>。 |
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ビデオセンターで12巻のビデオ受講 |
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⚫ | <ref name="brainwashed-12">[[# |
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「救世主が文鮮明である」旨明かされるのはフォーデイズの最後である<ref name="brainwashed-36"/>。 |
「救世主が文鮮明である」旨明かされるのはフォーデイズの最後である<ref name="brainwashed-36"/>。 |
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その神学は主に、旧約聖書と新約聖書の間にみられる「対話」の強調を基盤に、これらの対応点の研究から今の時代に何が起こるか知ることができるというものであり、『原理議論』にまとめられている<ref name=Lewis/>。 |
その神学は主に、旧約聖書と新約聖書の間にみられる「対話」の強調を基盤に、これらの対応点の研究から今の時代に何が起こるか知ることができるというものであり、『原理議論』にまとめられている<ref name=Lewis/>。 |
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教団の教義は「統一原理」と呼ばれ、旧約聖書、新約聖書を教典に教理解説書『原理講論』を用いる、 |
教団の教義は「統一原理」と呼ばれ、旧約聖書、新約聖書を教典に教理解説書『原理講論』を用いる、神が世界を創造した目的や法則を述べた「創造原理」、人間の[[宗教における罪|罪]]の起源を説いた「堕落論」、本来、神が創造しようとした世界を再建するための原理を説いた「復帰原理」の3部からなり、『聖書』では比喩や象徴で表されていた真理を明らかにしたものと説明されている<ref name="brainwashed-111"/>。しかし実態はキリスト教とはほど遠く、[[しんぶん赤旗|赤旗]]社会部によると[[血分け|混淫教]]がそのルーツである<ref name="brainwashed-111"/>。文鮮明の思想の本質は血統転換である。罪の根は、サタン(堕落した天使長[[ルシファー|ルーシェル]])と人類始祖エバとの性的関係である。堕落によってサタンの血統になってしまった人類は、人類の真の父母として来られるメシア(救世主)によって、生み換えてもらわなければ神の血統に転換できないとされている。具体的には「'''文鮮明とのセックスによって人間は清められ、無原罪の子を産むことができる'''」ということを聖書に出て来る言葉で粉飾したに過ぎない<ref name="brainwashed-111" />。 |
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神は霊とエネルギーという二重の性質からなるとされ、この2つによってあらゆるものが生まれる。神はエデンの園でアダムとイブを作り、神自身の二重性を反映させた。しかし、アダムとイブが性的な関係を通して早すぎる結合に至ったため、人類は神の手を離れた。堕落した人類はサタンの手中に堕ち、そこにとどまったままであるとされる。最初の人類のように、神の愛を中心に結婚し、完全な子供を産み、真実の家族を作ることで、地上の楽園を建設することが目指される。教主の文鮮明は1992年に自身がイエスが完遂できなかった使命を引き継ぐ救世主であると宣言したが、『原理講論』にはそのような記述はない |
神は霊とエネルギーという二重の性質からなるとされ、この2つによってあらゆるものが生まれる。神はエデンの園でアダムとイブを作り、神自身の二重性を反映させた。しかし、アダムとイブが性的な関係を通して早すぎる結合に至ったため、人類は神の手を離れた。堕落した人類はサタンの手中に堕ち、そこにとどまったままであるとされる。最初の人類のように、神の愛を中心に結婚し、完全な子供を産み、真実の家族を作ることで、地上の楽園を建設することが目指される。教主の文鮮明は1992年に自身がイエスが完遂できなかった使命を引き継ぐ救世主であると宣言したが、『原理講論』にはそのような記述はない<ref name=Lewis/>。 |
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第三次四年路程が終わる[[2012年]]までの[[摂理]]完成と、それによる[[2013年]][[1月13日]]の「天一国」<ref group="注釈">「天一国」とは、神のもと全人類をはじめ地上界、霊界に完全一体ができることで、全ての天主が一つの家族として暮らす地上界・天上界の統一王国を創建するというものである。</ref>実現を謳っている(ただし、近年は[[太陰暦|陰暦]]と日付が対応している'''[[天暦 (曖昧さ回避)|天暦]]'''と称する暦<ref group="注釈">統一教会/統一協会では、天暦は「陰暦と陽暦を統一したもの」とされ、陰暦とはあくまでも別物としている。しかし、暦の日付では陰暦と合致している。</ref>を導入しているため、この'''1月13日'''も天暦でのこととされ、[[太陽暦|陽暦]](グレゴリオ暦)では[[2月22日]]となる)。文鮮明もこの日までに「私の責任を果たすだろう」という旨の発言をしており、そのために、韓国における21万財団(天福宮)の完成、文鮮明本人の自叙伝を各家庭や個人が430冊購入し普及させることが必須であるとしている<ref>[http://kokoro.mo-blog.jp/weblog/2010/05/2013113_7f40.html 91歳文鮮明師の危うさ “2013年1月13日” 韓国「現代宗教」3月号を読んで](北風と太陽)</ref>。 |
第三次四年路程が終わる[[2012年]]までの[[摂理]]完成と、それによる[[2013年]][[1月13日]]の「天一国」<ref group="注釈">「天一国」とは、神のもと全人類をはじめ地上界、霊界に完全一体ができることで、全ての天主が一つの家族として暮らす地上界・天上界の統一王国を創建するというものである。</ref>実現を謳っている(ただし、近年は[[太陰暦|陰暦]]と日付が対応している'''[[天暦 (曖昧さ回避)|天暦]]'''と称する暦<ref group="注釈">統一教会/統一協会では、天暦は「陰暦と陽暦を統一したもの」とされ、陰暦とはあくまでも別物としている。しかし、暦の日付では陰暦と合致している。</ref>を導入しているため、この'''1月13日'''も天暦でのこととされ、[[太陽暦|陽暦]](グレゴリオ暦)では[[2月22日]]となる)。文鮮明もこの日までに「私の責任を果たすだろう」という旨の発言をしており、そのために、韓国における21万財団(天福宮)の完成、文鮮明本人の自叙伝を各家庭や個人が430冊購入し普及させることが必須であるとしている<ref>[http://kokoro.mo-blog.jp/weblog/2010/05/2013113_7f40.html 91歳文鮮明師の危うさ “2013年1月13日” 韓国「現代宗教」3月号を読んで](北風と太陽)</ref>。 |
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== 学問・文化活動 == |
== 学問・文化活動 == |
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文鮮明は「神の意思を学術界にもたらすため」と称し、霊感商法やインチキ募金などの経済活動で得た財源を使い、1974年9月[[世界平和教授アカデミー]]を設立、賞金を餌に学者を集め、雑誌『知識』を発行した<ref name="brainwashed-138">[[# |
文鮮明は「神の意思を学術界にもたらすため」と称し、霊感商法やインチキ募金などの経済活動で得た財源を使い、1974年9月[[世界平和教授アカデミー]]を設立、賞金を餌に学者を集め、雑誌『知識』を発行した<ref name="brainwashed-138">[[#わたしは"洗脳"された|『わたしは"洗脳"された』]]pp.138-142「アカデミーの顔」</ref>。世界平和教授アカデミーは金に糸目をつけない戦略で「学際研究シンポジウム」「若手研究者の集い」「女性研究者後援会」など様々な名目でホテルやホールを借り切って会議を開き、専門分野の学者に案内状を送りつけた<ref name="brainwashed-138"/>。統一教会/統一協会や文鮮明の名前は一切出さずとにかく幅広く学者とのつながりをつけることを重視しているため、そうとは知らずに出席した学者の第一印象は「まったくの学問的会合だった」という<ref name="brainwashed-138"/>。 |
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宗教界向けには独自に力を注ぎ、「世界宗教会議日本会議」なる団体を結成して「共産主義の宗教政策」「西側諸国衰退の本質的原因」などをテーマとした宗教者セミナーを各地で開いている<ref name="brainwashed-138"/>。総合宗教紙を装った『宗教新聞』を発行し寺社教会に無料で送りつけている<ref name="brainwashed-138"/>。 |
宗教界向けには独自に力を注ぎ、「世界宗教会議日本会議」なる団体を結成して「共産主義の宗教政策」「西側諸国衰退の本質的原因」などをテーマとした宗教者セミナーを各地で開いている<ref name="brainwashed-138"/>。総合宗教紙を装った『宗教新聞』を発行し寺社教会に無料で送りつけている<ref name="brainwashed-138"/>。 |
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**本間てる子 『秋田の母ちゃん統一協会とわたりあう』(ウインかもがわ 2003年8月) ISBN 978-4876997695 |
**本間てる子 『秋田の母ちゃん統一協会とわたりあう』(ウインかもがわ 2003年8月) ISBN 978-4876997695 |
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**櫻井義秀、中西尋子『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会 2010年3月) ISBN 978-4832967205 |
**櫻井義秀、中西尋子『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会 2010年3月) ISBN 978-4832967205 |
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**{{Cite book|和書 |title=わたしは |
**{{Cite book|和書 |title=わたしは"洗脳"された―統一協会元会員の証言|publisher=[[新日本出版社]]|others= [[赤旗]]社会部 編|date=1989 |ref=わたしは"洗脳"された}} ISBN 4-406-01773-9 |
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** [[米本和広]]『カルトの子 心を盗まれた家族』[[文藝春秋]] ISBN 4-163-56370-9 |
** [[米本和広]]『カルトの子 心を盗まれた家族』[[文藝春秋]] ISBN 4-163-56370-9 |
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** [[日本弁護士連合会]]消費者問題対策委員会(編)『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』(教育史料出版会 1999年10月) ISBN 978-4876523702 |
** [[日本弁護士連合会]]消費者問題対策委員会(編)『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』(教育史料出版会 1999年10月) ISBN 978-4876523702 |
2016年1月7日 (木) 00:56時点における版
以前のシンボルマーク | |
略称 | 統一教会、統一協会 |
---|---|
設立 | 1954年 |
設立者 | 文鮮明 |
種類 | 宗教法人 |
本部 | 韓国ソウル市 |
関連組織 | 国際勝共連合 |
統一教会 | |
---|---|
各種表記 | |
ハングル: | 통일교회 |
漢字: | 統一敎會 |
発音: | トンイルギョフェ |
日本語読み: | とういつきょうかい |
ローマ字: | Tongil Gyohoe |
英語: | Unification Church |
世界基督教統一神霊協会(せかいきりすときょうとういつしんれいきょうかい、英名:Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity )は、韓国キリスト教の土壌から発生した新宗教団体である[1]。文鮮明によって1954年5月1日韓国ソウル[2]に創設され、その後世界本部はニューヨークに移された。世界193か国に支部がある。日本、次いでアメリカ、イギリスで布教され、近年は東ヨーロッパと南アメリカで拡大している[1]。一般的には統一教会、またはムーニーズの名で知られる[1]。社会において家族というユニットの重要性を説く点に特徴がある[1]。
発生の背景には、1930年代の韓国キリスト教における神秘主義的な異端運動があり、日本の支配から解放され朝鮮戦争を経た1950年代以降の韓国において生まれたいくつかの新宗教運動の一つである[1]。その神学は、仏教、儒教、道教、シャーマニズム、韓国のキリスト教の影響を受けており、西洋的文脈になじまない信念も見られる[1]。一般のキリスト教会は世界基督教統一神霊協会をキリスト教の一教派とは認めていない。教義の核心部分は「救世主である文鮮明とのセックスによって肉体の原罪は清められる」ということである[3][2]。
日本では、団体名を明示せずに布教しマインドコントロールにより信者を増やし霊感商法など違法な手法で資金を集めているという批判があり、統一教会/統一協会がらみの訴訟が1986年以降100件を超え、献金勧誘行為の違法性と賠償責任を認める判決が複数あり[4]、カルト視されている。「宗教を仮面につかっているだけの謀略集団[5]」「宗教という仮面をかぶった経済=政治複合組織[6]」「多国籍企業を上回る準軍事的な国際政党[6]」という評価もある。韓国では、異端、偽宗教といわれることもあるが、霊感商法は行っておらず、日本ほど問題にはなっていない[7]。系列企業や団体も多く、韓国では宗教団体としてだけでなく企業とも認識され、農村部では結婚相談所のような役割も果たしている[7]。「多国籍企業を上回る準軍事的な国際政党[6]」という評価もあり、この運動における宗教間対話と平和志向を評価する向きもある[1]。
日本では2015年8月26日、宗教法人の名称を世界平和統一家庭連合(せかいへいわとういつかていれんごう、英名:Family Federation for World Peace and Unification)に変更した[8][9]。
略称
日本では一般に、統一教会または統一協会(いずれも「とういつきょうかい」と読む、英名:Unification Church )の名前で知られる。海外ではムーニーズの通称でも知られる[1]。初期には自ら「統一協会」と名乗っていたが、途中から「統一教会」に変更し、キリスト教会の一派を装っている[10]。批判派は、正式名称からしても実態からしても「統一教会」ではなく「統一協会」が自然だとしている[10]。世界基督教統一神霊協会はマスコミが略称として「統一協会」と書くと必ず訂正を要求していた[6]。以降「統一教会/統一協会」または「教団」と表記する。
概略
教祖の文鮮明は日本統治時代の朝鮮、現在の北朝鮮地域[2]で農家の二男として生まれたが、文鮮明が北朝鮮地域で産まれた事実は教義上都合が悪いため教えられず、内部誌では「韓国の平安北道」となっている[2]。若いうちから混淫派という新興宗教の熱心な信者となり、その教義からアイデアを得て「救世主とのセックスによって肉体の原罪は清められる」という教義の核心部分を構成し[3]、1954年[2][11]「数え年16歳のときにイエス・キリストから自分が果たせなかった神の目的を果たす使命を託された」「キリスト教徒が自分を再臨のキリスト(メシア)として受け入れれば救われたのだが、当時のキリスト教徒の代表たちが文鮮明を受け入れなかったためキリスト教に代わるものとして設立した」と称しているのが統一教会/統一協会である。
韓国においては、教団設立翌年の1955年に韓国の名門女子大である梨花女子大学校で教授や女子学生など多数が入信し、文鮮明は「72時間説教」と称して女性信者を監禁、「私は神の子だから、私と肉体関係を持てば、あなたは救世主を産むことができる」と貞操を奪ったり、文鮮明が女子学生を婦女暴行した疑いで逮捕された[3]等で騒動となり、批判された。
日本の出入国管理及び難民認定法第5条には、日本に上陸を許可しない外国人の条件の一つとして「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」という規定があり、教祖の文鮮明はこれに該当するため日本に入国できなかった。日本をはじめ文鮮明が入国できない国での運動を進めるため妻の韓鶴子が表舞台に出るようになり、世界各地で講演を行っている。
日本においては特に1960年代後半から1990年代前半にかけて洗脳による入信、霊感商法などで有名になり、批判された。
第3次4年路程が終わる2012年までに全ての摂理を完成させることで、2013年の太陰暦(天暦)1月13日(グレゴリオ暦では2月22日)には「天一国」が実現する(基元節)としている[12]。しかし教団はこれまで「1967年4月にキリストが世界に君臨」「1972年に共産主義が滅亡」「1985年までの3年間が正念場」「1986年から1988年までが日本で勝利する時」等と言っては会員を活動に駆り立てて来たが、全く文鮮明の予言通りにはなっていない[13]。予言通りにならないと「神が95%を準備して下さったのに、人間が5%の責任分担を果たさなかったからだ」という説明がされて来た[13]。
日本統一教会/日本統一協会
1958年、当時まだ国交のなかった日本での伝道のため崔奉春(日本名:西川勝)を密入国させ[2]1959年[11]10月[2]に日本統一教会/日本統一協会を立ち上げ、1964年には東京都知事の認証で宗教法人となった[2][11]。1960年代初めには立正佼成会の庭野日敬会長(当時)の指示で統一教会/統一協会の教えを学んでいた立正佼成会の青年部の信者50名ほどが統一教会/統一協会に転じ、2年後に日本の会長になった久保木修己をはじめ、後に教団幹部となる者が出た。
日本において最初に問題になったのは原理研究会であった。大学生の子どもの様子がおかしい、ホームや教会に寝泊まりしながら販売活動や募金活動や布教活動に奔走しており、家に戻れと言っても言うことを聞かず、原理研究会や統一教会/統一協会の批判をすると血走った尋常ではない目で反論して来る、果ては大学を中退し、合同結婚式に参加する[14]。これを朝日新聞が1965年7月7日に「親泣かせの原理運動」と報じた[6]のが皮切りである。
1967年9月[14]には洗脳を受けて家出した子どもの親たちが「原理運動対策全国父母の会」を結成[14][6]し、教団本部に対し
- 原理運動のために家出する者を「すばらしい」とほめて、家庭を破壊するような指導をやめる[14]
- 学業を続ける者を「罪悪なり」とする大学の原理研内の風潮を改める[14]
- 子女に無理な献金を強要し、無報酬労働をさせない[14]
などの9項目を申し入れた[14]が効果はまるでなかった[14]。
1977年6月に早稲田大学で反原理運動が始まり、全国に広がった[6]。
1980年代からは印鑑、壷、多宝塔、高麗人参濃縮液等の販売の比重が高まり[6]、「マインドコントロールで一般の人を信者とし、霊感商法などで金をだまし取る」と批判を浴びて社会問題化し有名になった。
日本統一教会/日本統一協会は資金面でも人材面でも世界の統一教会/統一協会の供給源になっている[2]。経済活動で得た金の大半を文鮮明に送金、その額は一時年間約1億ドル(当時のレートで約240億円)に達してその私腹を肥やした他、その反共右翼政治活動の資金源となっていた[2]。信者は言葉も分からないまま外国へ送られ花売りやキャンデー売りをさせられ、場合によっては観光ビザで入国して現地の系列企業で働き国外退去を命じられた例もある[2]。美人の女性会員を動員して対米議会工作に当たらせたとも言われ、元会員の証言では文鮮明が日本の女性会員を集めて「君たちを各国大使の貢ぎ物にする」と語ったことがある[2]。
崔奉春は「日本宣教の父」と言われていたが1987年1月に退会し、末端会員を「伝道」「募金」「経済」と称する金集めに駆り立てる教団のやり方を批判、「良心的に生きない人は偽善者ではないのか」「私は、信仰の道を行っても、絶対に自分の良心と理性だけは、殺したくない」と語っている[2]。
経済活動
統一教会/統一協会元広報局長[6][15]で世界日報編集局長[6]だった副島嘉和によると、1975年[6]文鮮明から日本統一教会/日本統一協会に送金命令が下り[6]、毎月約20億円[6][15]、1985年までの[6]10年間に合計約2000億円が文鮮明に送金された[6][15]。これに伴い被害相談額だけで2001年までの25年間で1100億円を超える大きな傷跡を残した[11]。教団には「地上天国」を実現するために「万物復帰」すなわち「すべてのものを神に返す」という教えがあり、具体的には全ての財産を文鮮明に帰属させることをいう[16][17]。
教団側は、教団の重要な教えの中に、公金を絶対に私的に使用してはならないという公金の教え、結婚した夫婦が絶対に貞節を守らなければならないという貞節の教え、人の心情を絶対に傷つけてはならないという心情蹂躙の教えがあると言い、文鮮明夫婦だけではなく彼らの13人の子女も、神と人を愛し、万物を愛し、地球環境を愛するという精神から普段の生活は質素倹約で、「統一教会内に自分たち名義の器物を一つももたない」と説明する。しかし元会員の一人は「表だって口には出さないけれど、幹部は何もせず高給をとり、ぜいたくな暮らしをしているのに、という不満もあった」という[5]。また文鮮明の息子の文孝進と結婚した洪蘭淑は『わが父文鮮明の正体』という文鮮明一族の内情を描いた暴露手記を出版し、文孝進がロック音楽や銃器などの趣味に没頭しまたアルコール依存症、薬物依存症に陥っており、不品行や暴力により結婚生活が破綻している様などについて書いている。
人を騙すことについて、信者は「サタンのもとにある財産を神のもとに復帰するのだから決して罪にはならない[16][15]」「たとえウソをついて売っても相手を救うことになる[18][15]」と教えられている。
関連企業や関連団体
世界基督教統一神霊協会の財産を管理するため1963年に世界基督教統一神霊協会維持財団が設立[15]され、その元に多くの企業を擁している。韓国では財閥の一つとみなされ、系列企業は「統一教グループ[15]」と呼ばれ、宗教としてより統一系企業の方が有名[6]で、文鮮明は事業家としてのイメージが強いという[6]。文鮮明の親族がそれらの企業の幹部になっていることもある。キリスト教を自称しながら、日本では霊感商法に関する社会の追及を逸らしごまかすため「霊石愛好会」や「天地正教」といった仏教色の強い団体までも作っていた[13]。近年は非政府組織(NGO)、特定非営利活動法人(NPO)などのボランティア団体を通しての浸透を図っている。また系列企業は普通の企業を装い和服や不動産の売買など多様な経済活動をしている[2]。
募金活動
真の目的を明かさず、難民救済などと嘘を言って行なわれていた[14]。集まったカンパから自分たちの食費を出しており、従事者も当時から全額が難民に届いていないことを知っていた[15]。極端な睡眠不足で自動車を運転するので交通事故も多く、例えば1988年12月には7人が乗ったワゴン車が尾鷲市でガードレールに激突し2人の女性信者が即死している[15]。
訪問販売活動
これまで信者たちは「万物復帰」の教えの実践として様々な経済活動をして来た。草創期の信者たちはパンの耳を食べながらリヤカーを引き、廃品回収を行っていた。また街頭や個別訪問で花、ボールペン、高麗人参、ハンカチや化学雑巾、コーヒーなど様々な物を販売した。苦学生を装い、玄関で土下座して売ることから「土下座商法」と呼ばれたこともある[2]。また数名で「マイクロ隊」と呼ばれる隊を組み、マイクロバスやワンボックスタイプのライトバンに寝泊りしながら、全国をインチキ募金[2]や珍味やハンカチ[2]やマスコット[2]等の販売で回った。
1970年代からは献身者を集団でマンション等に住みこませて経済活動を行う「店舗」と呼ばれる拠点を全国的に作り、印鑑や高麗人参茶(エキス)等を販売した。
無償で教団に奉仕する献身者が大多数だった頃は委託販売形式を利用し、帳簿上は信者に給料を支払ったことにするが実際は毎月15,000円ほどの小遣いだけを渡すというような方法で、組織的な脱税ともみなされかねないことを行ってきた[19][20][21]。
蕩減商品
教団では日本の朝鮮統治時代の罪を蕩減(とうげん、清算の意)するためとして、韓国の教団関連企業の商品を日本の「ハッピーワールド」を通して、需要や売れ行きに関係なく、一定数の商品を強制的に仕入れさせてきており、これを「蕩減商品」と呼んだ。蕩減商品には大理石壺、多宝塔、高麗人参エキス、高麗人参茶、「メッコール」等の清涼飲料水や工作機械等がある。
霊感商法
先祖の因縁話などをもとにした詐欺・脅迫まがいの物品販売であった[6]。
手口のマニュアル化とその「成果」
元信者によれば、効能を謳って販売し薬事法(現医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)違反に問われ販売に行き詰まっていた高麗人参や、美術品としてはあまり売れなかった韓国の統一教会系企業一信石材が製造した大理石壺を売るために、教義を使って売って行こうということになったのが霊感商法の始まりだという[22]。それまでのトークに代え、「壺は霊界を解放するため」とか、“救いのためには血統を転換しなければならない”という教団の教義を使い、「高麗人参は血を清めるため」というようにトークを体系化して行き、基本トークを作り上げ、1977年から1978年頃には霊能者役のトーカーが全国から400人ほど集められて体験交流会が行われた[22]。
トークの体系化により、それまで5-6時間かかっていた販売時間が2-3時間に短縮され、3日間ぐらいの展示会で1億-2億円(悪いところでも5千万円)の売り上げがあった。この展示会を毎日のように北海道から九州まで行い、1983年から1984年までの間は、韓国の文鮮明のもとに100億円を送金する月まであったとされる[22]。「一信石材」から壺や多宝塔を統一教会系の商社ハッピーワールドが輸入し、全国に8社あった「世界のしあわせ」(旧社名)に卸し、統一教会の信者が委託販売員という名目で働く100社以上の販社で販売した[23]。
1980年代初めから、占いなどを切っ掛けに、ゲストを「霊場」と呼ばれる会場に連れて行き、家系図などを鑑定しながら、霊能者を装った信者が聞き出した本人や家族の不幸の原因を先祖の因縁話を使って説明し「先祖が救われる」「このままでは不幸になる」などと不安を煽り、法外な値段で壺、多宝塔などを買わせてきた[24]。
典型的な手口
無料の姓名判断、印相鑑定、手相占い等でアプローチする。最初はいい運勢であることを賛美しながら、相手に話をさせ、ウイークポイントを見つける。今度は少し心配な所があると言い、無料だから、気軽に見てもらえばと、“霊場”と呼ばれる会場に誘う。ゲストを連れて行った案内役の信者は、霊能者を装った信者を徳の高い「先生」のように扱い、「霊山でご修業を積まれ、過去、現在、未来を見通す霊力をお持ちです」「大変人気のある方で、相談に乗ってもらえるのはかなりラッキー」など、いかにその霊能者が優れているかを説いて信頼させる[注釈 1][注釈 2]。
先生役の信者は宗教的な名前を名乗り、初めに予め調査してあった相談者(ターゲット)の情報を、あたかも霊感を使って当てているかのように話す。この際、相談者の警戒心を解くため、非常に好意的で肯定的な内容を話すことが多いと言う。事情を知らない相談者は、たとえ初めは半信半疑であっても、次第に次々と当てられていく自分の事柄を聞くうちに、本当に霊能者のことを信じてしまうという。
その後頃合を見計らい、今度は一転して否定的な予言を始める。このままでは、家族が自分や病気に会う、それもいつか病気になる。とか、言い訳がいくらでもできそうな言葉を使う(普通に考えればいつか病気になるのは当然である)。絶家になるなどと不安を煽る。その具体的な解決方法として、神秘的な力のある壺や多宝塔を買うように勧められる。ゲストの財産状況や、壺や像などに支払える具体的な金額、どの程度霊能者の意見を信じているか、等は、相談者の案内役を通して全て霊能者や「タワー長」と呼ばれる統括責任者に筒抜けになる仕組みになっている。場合によっては先祖のお告げだと言って、事前に調べたゲストが出せるくらいの金額を示したりすることもあり、それらを知らない相談者は次々と自分のことを言い当てる霊能者を結果的には信じ、法外な値段で壺や多宝塔などを買ってしまう。
場合によっては、長時間その場から返さない、会場係がゲストを引き止めたり、最初に手荷物を預かることで帰りにくくする、といった手法が使われていることもある。靴を隠してしまうという手口もある。
物品の契約をしたゲストにはクーリングオフ(訪問販売の一種と考えられる場合が多いので)を阻止するために、それにあたる期間は人に言えば御利益がなくなる、あるいは不幸な目に遭う等と説明をしたり、現金一括払いに持ち込もうとするなど、全てにおいて用意周到に考え抜かれている[25]。
霊感商法に対する批判
この商法を『しんぶん赤旗』が「霊感商法」と名づけて批判、『朝日ジャーナル』などのマスメディアで度々その被害や手口が報じられた。 1987年2月には全国の弁護により「全国霊感商法被害対策弁護士連絡会」が結成された[6]。国民生活センターや各地の消費生活センター等に多くの苦情が寄せられ、多額の金銭的被害を生んだこの商法は大きな社会問題となった。教団の関連施設などに警察の捜査が及び、信者は証拠書類が捜査機関に渡らないように逃げ回ったという。
「霊感商法」に関係した各地の販社は、設立後2-3年で次々と解散し、遠隔地に住所移転したり社名を変えたりした[6]。またこの霊感商法の最盛期には「TV100」と言って、月に100億円を献金するようにとの文鮮明の指示があり、実際に何度か目標額を達成し、そのお金を韓国に送金していたという。「TV100」は“Total Victory”の略と言われ、ハッピーワールド元社長で当時の経済の責任者であった古田元男は「文鮮明からの指示ではなかったが、小柳定夫副社長(当時)と相談し、文鮮明が言ったかのように誇張して話したことがある」と語っている[26][22]。
この「霊感商法」問題は国会でも幾度も採り上げられたが、警察庁刑事局保安部生活経済課長は「この種の商法というのは人の弱みといいますか、人の不安につけ込むというもので、悪質商法の中でも最も悪質なものの一つということで、全国の警察に繰り返し厳しく取り締まるように指示をしておるところでございます。」と答弁した[27]。
「霊感商法」が社会問題化した1980年後半、教団は当初売買契約の自由、次いで信教の自由を盾にしたが、それらが通用しないと分かると宗教団体「霊石愛好会」を設立、その主催で「霊感商法」を擁護する集会を各地で開いた。「霊石愛好会」は1988年1月北海道帯広市で「天地正教」として法人登記している[28]。「弥勒菩薩を本尊とする」「南無霊妙大慈尊というお経を作る」等仏教を装っているが、教祖の川瀬カヨは統一教会/統一協会の古参会員であり、天地正教の道場にある祈祷室には文鮮明の写真が飾られ、この道場で統一教会/統一協会の献身儀式が行われるなど実体的に統一教会/統一協会と一体であり、悪事を隠す仮面として仏教の装いを作っているに過ぎない[28]。
教団側は信者に向けては「昭和57年ごろから文先生が創設した政治団体国際勝共連合が日本を共産主義の間接侵略から守るためにスパイ防止法制定運動を活発に推進しました。これに対して共産党および社会党は制定運動の資金源が統一教会であると誤認し、教会攻撃のために引き起したのがいわゆる”霊感商法問題”です。」という説明をした[29][30]が、その一方で世間に向けては「教会一切の収益事業はおこなっておらず、教会員の献金によってのみ運営されています。…個人の職業に対しては一切関与するものではありません。ゆえにいかなる商法とも教会は関連ありません。」と教団の関与を全面否定してきた[29]。また民事裁判では「“しあわせサークル連絡協議会”という統一教会とは法律上も活動も別個である信者による組織が行ったのであって、教団は、信者がいかなる伝道活動をしているか、いかなる企業を経営し経済活動を行っているかなどについて知る立場にはない」などと主張してきた(平成14年(2002年)10月28日 新潟地方裁判所)。また『中和新聞』1996年12月15日号での「霊感商法問題に関する統一教会の見解」によれば「販売の際に使用したセールストークは教団の教義とは似て非なるものであり、家系図、手相占い、姓名判断、四柱推命などの易学や因果応報などは仏教的な教えであり、聖書の教えを根本とする教団の教えではない」として教義との関連を否定した。しかし日本弁護士連合会は1988年3月にまとめた『霊感商法被害実態とその対策について』の中で、この悪徳商法が統一教会信者によって組織的に行なわれていることを具体的証拠をもって証明し、結論として「霊感商法に関わる販売業者群の背後には統一教会の存在が推認される」とした[6]。また「ハッピーワールド販売促進資料」と題する霊感商法の販売マニュアルには壺の型は「文鮮明自ら考案した作品であり、御言を受け入れていない人達の救いのための条件物として作られた」と説明しており、霊感商法が、教会活動の一環として行われていたことの証拠となった。
1994年7月12日、日本社会党(当時)の北村哲男が「霊感商法」などの反社会的なことを行う統一教会/統一協会に対する政府の見解を質す質問主意書を政府に提出したが、政府は村山富市首相名で「宗教法人法第79条は、宗教法人が行う公益事業以外の事業の停止命令について規定しているが、所轄庁である東京都知事は、いわゆる霊感商法については、現在、統一協会の規則には事業として記載されておらず、また、統一協会が行っている事業であるという確証もないことから、現在のところ、同条を適用することは基本的に困難であると判断している。」と回答した[31]。しかし民事訴訟では霊感のない信者を“徳の高い霊能者の先生”に仕立てて売るための詳細なマニュアルがあったことや、「連絡協議会」の存在を教団が主張し始めたのは、民事訴訟が提起されてから7年も経ってからであり、証人に立った教団側の信者もその存在を知らなかったと証言し[32]、裁判所からも当時の「連絡協議会」の存在を示す実体もないと認定された(2001年6月29日 札幌地裁)。
訴訟においては、1984年1月12日、青森地方裁判所が、大理石の壺を販売した信者2名の販売行為が恐喝罪に当たるとして懲役2年6月(執行猶予5年)の判決を下したが、教団事体の責任は問われなかった[33]。その後、教団は1990年頃までは弁護士からクレームがあれば、お金を払って和解していた。1993年[34](平成5年)福岡地裁の訴訟において、原告は教団から有利な和解条件を持ちかけられたが、裁判で決着を着けなければという思いから和解を拒否[22]、同年5月27日、福岡地裁は詳細な事実認定に基づき、実質上、統一教会の指揮監督によって霊感商法を初めとした経済活動が組織的、計画的に行われたとして教団の使用者責任を認定し、損害賠償を命じ、これは教団の責任を認めた初の判決となった。これ以降、教団の責任を認める判決が[35]相次ぐようになり、霊感商法以外の問題も含めた教団の使用者責任を認めた判決は2003年11月5日時点で15件ある。
「霊感商法」が社会問題化し、東京都から指導を受け、通商産業省(現経済産業省)から事情聴取を受けた以降は表向き販売を中止したものの、その後も「霊石愛好会」や「天地正教」などを通じて販売は続けられて来た。近年は大理石壺を「天運石」と称し、「家の中の悪霊を吸いとってくれる」と言って再び信者に買わせるようになり、その壺を韓国京畿道の清平(チョンピョン)修練苑に持って行き、有料で解怨してもらうように勧めている[36]。2008年にも長野県松本市など、2009年にも大阪市や和歌山市などで、印鑑販売の霊感商法を行ったことで複数の逮捕者が出ている。
なお2009年6月11日の印鑑販売をめぐる特定商取引法違反事件では渋谷教会に対する家宅捜索に警視庁公安部が乗り出した。[37] またそれを遡る5月27日の福岡県の事件においては福岡県警公安一課が立件した。[38] 以前はこの種の経済事件には警視庁や各県警の生活安全部が担当していたが、オウム真理教事件以降、カルトに対しては公安部が担当している。
その後2009年7月13日に徳野英治が「道義的責任」を理由に会長職を辞職し、「統一教会は、一切信徒の経済・販売活動に指示していない」ことを表明。現在は梶栗玄太郎が会長職を務めている。
自己啓発セミナー
統一教会/統一協会のビデオセンターなどは自己啓発セミナー[注釈 3]を装っていた。横浜市の統一教会/統一協会系自己開発セミナー「グローバル・アイ」のマークは自己開発セミナーの最大手ライフダイナミックスのマークを反転させただけである[5]。会場はビデオセンターの他大学の原理研究会グループのたまり場だったり、主婦協会員のための託児所だった例もある[5]。
実際の講義は第一段階が「創造論」「堕落論」「復帰論」など宗教的な布教であり、毎週末に箱根の研修センタ−で2泊3日の合宿を行なった[5]。アイドル歌手のコンサートや東京ディズニーランドツアーなど若者受けする催しもあったという[5]。1987年の講師は世界日報の論説委員長であった井上茂信[5]や、国際勝共連合新宿支部長で千葉大学名誉教授であった清水馨八郎[5]など統一教会/統一協会系組織の幹部であった。受講料は入会金や旅費を含めて7万円、受講生の帰宅時には最下位を約束する手紙を渡すなどの手法も自己開発セミナーと同じである[5]。
定着経済
「霊感商法」が社会的な問題になった1990年頃から、信者達は着物、貴金属、絵画、毛皮、高麗人参等の商品を展示会形式で販売するようになった[39]。訪問販売や霊感商法などのその場限りの販売と違い、専門の会社の主催で定期的に販売を行なうため、これを「定着経済」と呼ぶ。しかし販売方法は「霊感商法」で行った方法を踏襲している。ゲストを連れて行った信者は商品を説明するトーカー(アドバイザー)の協力者となり、トーカーは席を外し、「タワー長」と呼ばれる現場の指揮者にゲストの状況を報告し、指示を仰ぐ。すでに教団の教えを学んでいる信者も展示会に動員され、「この〇〇を買えばメシア(文鮮明)を受け入れることになる」「この〇〇を買えばあなたも家族も救われる」等と「霊感商法」と同様の説得をして購入させたりもした。
還故郷
1991年9月29日に文鮮明は世界日報講堂で「故郷へ帰れ」という演説を行ない[6]、教会活動に専念する献身者の制度が解消され、各自が故郷に戻って定職につき、親族へ伝道するように方針転換がなされた。これは内部では「還故郷」と呼ばれた[22]。これは日本で霊感商法が問題になって1987年から送金額が減り始め、1991年になってからはほとんど送金されなくなり、従前世界日報や一和が出していた大赤字を埋められなくなって統一教グループ全体の資金繰りが苦しくなり、新たな資金源としての合同結婚式への参加人数を増やすため、経営不振の企業から信者を退職させて合理化すると同時に、故郷に帰して韓国農村で結婚できていない男性を捜し「信者になれば日本人女性と結婚させてやる」と勧誘させるためだったという[15]。
献金
販売活動や募金活動の目的は、文鮮明への献金である[14]。文鮮明は1992年7月幹部に「血統転換、所有権転換、心情転換。日本じゅうの食口みんなが、全財産売って捧げたら、天宙がひっくり帰るよ。幹部は『100%神様に捧げる運動』を興しなさい。これは命令以外のなにものでもないよ。」と命令している。教団は「人間も、神の体、すなわち『神の宮』として創られている」というため、人間自体も捧げられる対象である。「『100%神様に捧げる運動』(100%하나님ㅇ에 정 진 하는 운동)によって宙天平和銀行を創り、五権分立『天一国裁判所、天一国国役所、天一国国会、天一国銀行、天一国情報銀行』の社会を実現する」としている。また「全ての万物と永久の命を与えた、親なる神様の真の愛に酔って生きるならば、『100%神様に捧げる運動』は、もっともっと速く拡大していける」としている。
- 10分の3献金 - ある組織では月に2回、収入の10分の1の献金が奨励されて来た[17]が、1990年代頃から収入の10分の3を献金をすべきとされた。これは地上天国ができた時は、収入の10分の3を税金のような形で納めることにより他のほとんどの税金はいらなくなるということを意味するという信者もいる。
- 臨時の献金 - 霊感商法が批判を受けてから、韓国大統領選挙やアメリカ大統領選挙を口実にしてよく指示されるようになった[17]。
- 資産家による献金 - 「篤志家」、「サミット」と呼ばれる部門が資産家を対象にその預金や土地や家を売却代金を献金することを勧めた。
- 巨大プロジェクトによる資金集め
- 国際ハイウェイ構想 - 「東洋と西洋の諸国を高速道路で連絡し、地上天国の実現を促進する」という「国際ハイウェイ構想」を提唱、「国際ハイウェイ建設事業団」を結成、第一段階として日本、韓国、中国、南アジア、中近東を経由してソ連に至る高速道路を建設するとし、その一部として日韓トンネルを建設する日韓トンネル研究会を結成、佐賀県鎮西町(現唐津市鎮西町)に調査斜坑掘削を始め、巨大プロジェクトを売り物に技術者、学者、資金集めをしており[40]、1980年代に信者達が多額の献金をしたと言われているが、実際には日韓トンネルの調査斜坑掘削で400m程掘った以外に具体化の動きはない[40][15]。関係者は100年たっても完成しないだろうと公言しているという[6]。
- パンダ・モータース - 1988年から中国に「パンダ・モータース」という自動車工場を作るとして信者に献金が要請された。広東省恵州市に15,000,000坪の土地を借りて10億ドル以上を投資し年間30万台の自動車を作る計画で、家や土地まで担保に入れて借金する信者まで出したが、この計画は完成しなかった。
- 教会にノルマを課し高額な本の販売 - ただし教団は「『聖本』も『天聖経』も商品ではない」とし、「贈呈にあたっては、献金のみが考慮されているものではありません。」と述べている[41]。
政治活動
韓国を中心とする世界統一運動
事実上の教典である『原理講論』韓国語版には、世界は第三次世界大戦を経て、政治面では韓国を中心として、宗教面では文鮮明と統一教会/統一協会を中心として統一される旨の記述があるが、この部分は日本語版に訳出されず隠蔽されて来た[2]。この隠蔽の目的は日本の右翼に取り入り日本での策動を有利にするためだったという指摘がある[2]。
統一教会/統一協会が四大名節と呼ぶ記念日には、早朝5時からの「敬礼式」中、日本の昭和天皇、アメリカ合衆国のロナルド・レーガン大統領、韓国の全斗煥大統領、等各国代表の身代わりをそれぞれその国の教団幹部が担当して聖壇に座った文鮮明夫妻に対し拝跪する儀式が行われていた。この際に昭和天皇の身代わりとなり文鮮明夫妻に対し拝跪したのは日本統一教会/日本統一協会の長であった久保木修己であった[2]。
1997年のアジア通貨危機の影響を受けた時、文鮮明は韓国政府に1000億ウォン(90億円相当)を寄付したと自称している。
2008年後半より、教団はいわゆる統一教会信徒の拉致監禁問題の解決を目指すと称する活動を全国規模で積極的に行っている。
朝鮮半島の「南北統一」へ向けて、民団や朝鮮総連など、在日韓国・朝鮮人への働きかけも行ってきた。
反共主義
神仏や人間の霊性を否定する共産主義を神と人類の敵として徹底的に批判し、各界との関係を深めてきた。
教団は共産主義革命の防止を主たる目的とし、1968年に韓国と日本で「国際勝共連合」(通称「勝共連合」)という政治団体を組織した。勝共連合では反共主義が徹底されており、共産主義は神を否定するサタンの思想であると説く「勝共思想(勝共理論)」[42]の啓蒙を運動方針の第一義に掲げ[43]、共産党や社会党およびその系列とみなした団体、またはリベラルな論調の新聞や左寄りに映る人物を激しく非難する。他にも幾つかの政治団体を設立して活動するが、その主張や運動方針はどれも保守タカ派的なスタンスで貫かれている。具体的にはスパイ防止法や青少年健全育成法の制定運動、日本国憲法や教育基本法改正の推進、性教育に関する教科書改訂や子宮頸がんワクチン撲滅キャンペーンなどに取り組む一方、選択的夫婦別姓制度やジェンダーフリー、人権擁護法案、外国人への参政権付与には反対する[44][45]。また専守防衛・非核三原則・武器輸出三原則の破棄などを提唱し[46]、原子力発電所の必要性も唱えている。
日本における勝共連合設立に際しては、第56・57代総理大臣の岸信介や右翼活動家の笹川良一・児玉誉士夫なども参画した[47]。反共を共通理念とする多くの右翼勢力が同連合と協調したとされる。
ことに自民党の韓国ロビー・台湾ロビーといわれる政治家と親密で[48]、古くは福田赳夫や安倍晋太郎といった領袖が文鮮明主催のパーティーに参席したり、同僚議員を教義セミナーへ勧誘するなどして尽力[49]。1989年に東京で開かれた「勝共推進議員の集い」[注釈 4]には自民党・民社党を中心とする国会議員232名が一堂に会しており、近年でもシンパ議員は250人にのぼると漏れ伝わった[50]。自民党内には嘗て教団が支援する教育関係の議員連盟が設立されたこともあり[51]、地方議員が関連団体の地元支部で役職に就くことも珍しくない[注釈 5]。
他方で日本の天皇を軽視する姿勢や他民族を選民とする教義に疑念を抱き警鐘を鳴らす団体もあった。
韓国においては、反共法を制定し北朝鮮を初めとする共産主義勢力との対決姿勢を取った朴正煕政権下で強い庇護を受け勢力を拡大させたと言われる[48][52]。後に教団ナンバー2となる朴普煕を始めとした韓国軍の高級将校も入教しており、系列企業の「統一産業」が小銃工場を建設する際に、文鮮明の側近となった朴普煕と朴正煕大統領(当時)が事業支援について協議したことや、公務員教育が国際勝共連合で行われたことなどが報じられた[53]。政界への資金提供や大韓民国中央情報部(KCIA)との関係も指摘されるが教団は否定する[54]。
1991年12月には文鮮明が北朝鮮を訪問。金日成主席(当時)と会談し、朝鮮半島の非核化宣言に合意し、国際原子力機関(IAEA)の核査察に調印するよう進言し、南北離散家族交流や経済支援等を約束した。同年12月末北朝鮮は朝鮮半島非核化共同宣言に調印し、翌年1月国際原子力機関(IAEA)の核査察協定に調印した。北朝鮮の国営ホテルの経営を任されるなど、教団と北朝鮮との関係が深まったため、警察、公安からも注視された。
保守派支援
東西冷戦時代の1960年代後半、教団は保守派を支援し政財界との関係を深めた。
1970年代から文鮮明はアメリカに居を構えて、大規模な講演会を幾たびも開催した。日本から渡米した信者らも活発に伝道と経済活動をした。自ら創刊した保守系新聞『ワシントン・タイムズ』などのマスメディアで政治的に保守政党である共和党を一貫してバックアップしたほか、レーガン・ブッシュ親子などを支援し、関係を築いてきた。フランスでは極右政党を率いるジャン=マリー・ル・ペンを資金面からも人材面からも応援。元インドネシア大統領アブドゥルラフマン・ワヒドも教団関連のイベントに参加するなどしている。教団は「国際的な平和活動のために、これらの著名人やいろいろな宗教界の牧師たちとの交流や対話を行なっている」と説明している。しかしリベラル派からの反対も受け、さらに文鮮明が脱税の罪で1年余りの懲役刑を受けた。文鮮明の脱税に関して教会側は宗教弾圧による冤罪であると主張している。
日本での選挙の際にも信者を運動員として派遣し主に保守系候補を積極的に支援することが知られ、1986年の衆・参ダブル選挙では教団が肩入れした候補150人のうち134人を当選させ、後にその全員が教義セミナーを受講したと勝共連合の機関紙が伝えた[55]。その反面、対立候補に対しては中傷ビラを配るなどのネガティブキャンペーンも行い、過去には街宣車を出動させ大々的に行われたこともある[56]。
信者が自由民主党の事務所に派遣された際には「統一協会ではなく勝共連合から来ましたと言いなさい」と言い含められたという[57]。
秘書として議員の元へ送り込まれる者も多く、中には1議員が9人の信者を起用していた例もあり[58]、その数は衆参両院で三桁に上るとの見方もある。在任中の法務大臣であった保岡興治が政策秘書として使う信者(1800双)[注釈 6][59]を秘書官に登用したことが週刊誌で報じられ[60]国会で追及を受けたこともある[61]。1992年3月には国会議員による法務大臣への働きかけが奏功し、本来であれば米国で1984年に受けた実刑判決の影響で日本へ入国できない文鮮明が、14年ぶりの来日を果たし各地で説教した[62][58]。
また秘書となった信者が自ら選挙に立候補するケースもあり、例えば渡辺美智雄国会議員の元秘書(6000双)で、霊感商法でトーカーと呼ばれる霊能師を担当していた者が衆院選候補に転身し、後に自民党が公認[22]している。2010年にも市議選への女性信者の出馬が発覚した[63]。勝共連合では「まず秘書として食い込み議員の秘密を握り、次に自ら議員になれ」との指示が下されているという[49]。
関連団体や系列企業を介した資金提供も行われ、1987年には数名の議員が霊感商法で知られる企業から多額の政治献金を受けた件が表面化[64]。文鮮明来日の背後でも巨額のカネが動いたとの指摘もある。以上のような背景もあり自民党内では教団への指揮監督をタブー視する向きもある[65]。
韓国では教団自ら政党を設立して政界進出を企図することもある。2008年4月に行われた総選挙では「平和統一家庭党」から全245地方区(選挙区)と13比例区に候補を立て臨むも全員落選。更に、政党得票率が全有効票の2%に満たなかったため、選挙法の規定により政党登録を抹消されることとなった[66][67]。こうした教団の動きに対し同選挙では「統一協会対策協議会」を中心に全キリスト教派が連携し、統一家庭党候補への落選運動も展開された[68]。
政治に関する出来事
- 統一教会/統一協会と実質一体で仏教を装い霊感商法を行う[28]霊石愛好会の主催にて各地で開かれた霊感商法を擁護する集会に当時の国会議員らが祝電を寄せたことが批判を受けた[69][70]。
- 2006年5月に国内12カ所で開催された「天宙平和連合(UPF)‐祖国郷土還元日本大会」へ、現役閣僚をはじめ多数の政治家が祝電を送っていたことが露見し[71][72]、教団の活動に正当性を与える行為だとして批判された。なお大会の模様は教団公式サイトより動画配信された。
- 2007年、千葉県流山市議選にて統一教会/統一協会関係者が民主党公認で出馬していることが全国霊感商法対策弁護士連絡会の調査で判明した[73]。
- 2008年12月、教団関係者の運営するNPO法人「未来構想戦略フォーラム(JFFSI)」 が中心となって開かれたシンポジウムを外務省が後援。他にも同フォーラム主催の会合や講演会では現職の大使や首長、官僚が講演している[74]。
- 2009年に霊感商法で初の懲役判決となった「新世」事件では、教団本部への捜索を阻止するために複数の自民党議員が司法当局に圧力をかけている[75]。
- 2009年9月、衆議院選挙で民主党から出馬した萩原仁を支援した教会(協会)関係者が公職選挙法違反で逮捕された[76]。
- 参院選間近の2010年5月、 山谷えり子への支援ならびに有田芳生への落選運動を通達する教団の内部文書が流出し物議を醸した[77]。翌月には信者による有田に対する選挙妨害が行われた[78]。
- 2010年11月6日に国際勝共連合が新宿で行った「沖縄・尖閣諸島をまもれ!緊急国民集会」では、中国の覇権主義への抗議と尖閣漁船衝突事件での国の対応を批判し打倒民主党も呼びかけられた[79]。
- 2011年に統一教会/統一協会系団体が主催・後援し[注釈 7]全国各地で開催した「アジアと日本の平和と安全を守る全国大会」に現職・元職の国会議員や地方議員が多数参加した[80]。
宗教活動
教義の核心部分は「救世主とのセックスによって肉体の原罪は清められる」であり、これは混淫教という新興宗教からアイデアを得たものである[3]。女性信者は「薄化粧にせよ」「髪が長いとそこからサタンが入る(のでショートカットにせよ)」と教えられ、それが文鮮明の好みなのだという[6]。信者は「信じて滅びよ」、すなわち文鮮明のためなら死んでも感謝するという絶対的信仰を持つよう教えられる[15]。
文鮮明が再臨主であることを主張する予言の解説本を出したり、霊界の宗教者や政治家達が文鮮明をメシアと崇めているという「霊界通信」本を出している[注釈 8]。
文鮮明の息子で1966年生の文興進は1984年1月、17歳の時、米国で自動車を無免許運転で暴走中に事故死したが、文鮮明はその死後幹部の娘と「霊魂結婚」させる、ジンバブエの黒人男性に乗り移ったと主張しその「ブラックフンジン」が修練会を開くなどキリスト教では全く説明がつかない手法で神聖化を進めた[5]。
1995年1月から韓国京畿道の清平(チョンピョン)修練所に信者を集め、悪霊を取り除く特別修練会が行われるようになり、難病、奇病、家庭不和に苦しむ人たちの治癒を行うようになったとしている。
独自のキリスト論により既成のキリスト教会における十字架を批判、米国・欧州など一部の地域の教会の十字架を撤去する運動を行っている[要出典]。
文鮮明の後継者は、教団の青年団体「World CARP」(世界大学原理研究会)の会長などを務める三男の文顕進が先頭になり、他の息子たちが様々な分野に分かれて引き継ぐと見られていたが、2008年4月、教団の広報は中心となる宗教分野については7男の文亨進が後継者になると公表した。
信徒数
1987年現在教団は「38万会員を擁し」ているとしていたが、元広報部長副島嘉和の内部告発によれば1984年頃「その実態は、最も教勢を誇る日本で八千人、アメリカが二千人、ヨーロッパ全域で二百数十人、発祥の地である韓国は大部分が名前だけの会員」であった。2006年現在教団は「世界190余ヶ国に宣教師を送り、150万名の信者がいる」と主張しているが、浅見定雄は「大目にみて日本が数万、米国と韓国が二千から五千、ヨーロッパ全体で一千そこそこ」と推定している[2]。
1995年12月31日現在の文化庁宗教団体信者数統計によれば日本の信徒数は477,000人だが、これは各教団からの申告に拠ったもので、日本の全宗教・全教団の信者を合計すると2億人を超えるなどの問題がある統計であり、実際の宗教信者数とは大幅なズレがある。このため統一教会の477,000人という数字も信憑性には欠ける。マスメディアによる批判報道(特に『朝日新聞』と『文藝春秋』)や度重なる多額の献金要求の影響もあって、信者数は減少したといわれる。
合同結婚式
「文鮮明の血統を受けた者だけが無原罪の子を産むことができる」というセックス教義を象徴化した[3]、この教団が主催する独自の儀式であり、1960年に行なわれた第一回3組の結婚式で文鮮明は3人の新婦と実際にセックスをした[2][15]とも、初期の合同結婚式中聖酒式で配られる酒に文鮮明の精液が入っていた[15]ともいうが、肥大化とともに文鮮明と女性信者が手を重ね合わせたり聖水を受ける等の形式に転じた[2]。正式名称は「国際合同祝福結婚式」であるが、信者の間では「祝福」と呼ばれることが多い[2]。
1992年の「3万組国際合同結婚式」に、歌手で女優の桜田淳子を始め3人の有名人が参加することが公になり、マスメディアで大きく取り上げられ、統一教会/統一協会の名前が広く知られることとなった。またこれを機に教団への批判報道が多くなされた。1993年には前年の合同結婚式に参加した山崎浩子が婚約破棄と脱会宣言した。この1993年から1994年にかけ、教団は信者の士気と結束を高めるため、韓国の「修練所」に信者を集め、文鮮明自ら積極的に修練会を行った。
マインドコントロール
桜田淳子らとともに合同結婚式に参加した翌年の1993年、山崎浩子が、統一教会/統一協会からの脱会を表明する記者会見で「わたしはマインドコントロールされていました。」と語り、同日、アメリカの元信者であったスティーヴン・ハッサンの書いた『マインドコントロールの恐怖』(恒友出版)が発売されてベストセラーになったことから、日本でも「マインドコントロール」という言葉が広く知られることになった[81]。従来の洗脳は具体的な物理的手段を用いた強制的なものだが、マインドコントロールは物理的手段を用いないので、本人が気づかないうちに取り込まれてしまうというカルトなどによる巧妙な手法を認識される概念として登場した。信者にマインドコントロールを施しているという批判に対し、教団側は、「マインドコントロール」という理論は、もともとアメリカで宗教運動から信者を強制的にやめさせるための理論として出現したものであり、非科学的理論であり、反宗教的なイデオロギーに基づいた空論だと反論している[82]。
浅見定雄は統一教会/統一協会のマインドコントロールの仕組みを解析し、以下の7点に要約している。
- 隔離 - 信者が自分の親に説明し難くなった場合に「親に会わない口実」「統一教会をどう説明するか」などの手引書を作っており家族に秘密にさせる[83]。ビデオも一人で見る[84]。
- 雰囲気 - 親切にする。歌やゲームもある共同生活[84]。
- 反復 - 同じことを徹底的に反復して教え込む[84]。
- 精神管理 - 感想文や日記を書かせて弱点や疑問点を把握する[84]。
- 食事管理 - 信仰の名の下で粗食をともにする[84]。
- 睡眠管理 - 慢性的に寝不足にし暗示にかかりやすくする[84][57]。
- 呪いの暗示 - 脱退すると霊に打たれる、霊界で先祖が苦しんでいる、水子が祟っている、等と不安を持たせる[84][57]。
アンケート[85]、戸別訪問等が最初の窓口である。統一教会である旨名乗らず、内容も明かさず、通りがかりの人に賛美のシャワーを浴びせて[85]「教養講座」「カルチャーセンター」「自己啓発」「無料映画会[85]」「マンガ研究会[85]」などとだましてビデオセンターに連れ込む。夕食後はアンケートに電話番号を書いた人に電話を掛ける。全ての台詞には手引となる問答集があり、会員はそれを叩き込まれて鸚鵡返しにしゃべっている。
ビデオセンターで12巻のビデオ受講[86]の後、ツーデイズ修練会(2日間)[86]、ライフトレーニング(約2週間)[86]、フォーデイズ修練会(4日間)[86]と続くが、内容は「エバが淫行したことで人間はサタンの子孫であり、これを救える救い主は一人しかいない」という話が繰り返し教えられるだけで、結局「その救い主は誰か」は明らかにされない[86]。ライフトレーニングは長期にわたるため親に不審を抱かせる場合もあるが、説明する手引書も用意されている[83]。聖書の引用はされるが決して「聖書の何ページを開け」とは言わず、前後の文脈を無視した引用部分を読み上げるだけである[87]。
「救世主が文鮮明である」旨明かされるのはフォーデイズの最後である[3]。
また組織内での地位や入会歴で少しでも上位の者に対しては絶対服従を強いられ、同等の者同士で話してはいけないことになっており、それで不平不満が出るのを防いで統制を保っている[57]。
他の教団との関係
教団はすべての宗教の統一を目指しており、それに向けて他の宗教や教団に対して働きかけてきた。また表の活動とは別に、「教団復帰」と言って、他の教団に信者を潜り込ませ、そのトップや幹部を自分達の教団の方針に沿うように働きかけているという元信者の証言があるが、真偽は不明である。
キリスト教会
1985年2月、バチカン当局が統一教会を警戒するよう教書を出した[2]他、世界中のキリスト教各派が「統一協会とキリスト教とは縁もゆかりもない」という声明を何回も出している[2]。
- 韓国のキリスト教会
- 日本のキリスト教会
- アメリカのキリスト教会
- 1980年代に、キリスト教会の連合体は「統一教会/統一協会はキリスト教ではない」と決定した[89]。
立正佼成会
日本の宣教を任された崔奉春(日本名:西川勝)が接触。立正佼成会は対立する創価学会対策から統一教会/統一協会との連携を模索。当時の会長、庭野日敬は1963年、青年部員を統一教会/統一協会の修錬会に参加させた結果、次期会長候補とされていた久保木修己を初めとする50名ほどの会員が統一教会/統一協会に転じた[48]。久保木は日本統一教会/日本統一協会の初代会長となったほか、幹部には立正佼成会出身の者が比較的多い。立正佼成会は占いと霊能によって教勢を伸ばしたが、統一教会/統一協会も同様の手法を使う。
生長の家
1970年安保闘争の時代に、互いの集会に参加したりするような関係であり、谷口雅春は「勝共連合は朝鮮の文鮮明と称する予言者を八紘一宇の世界の中心者とする運動だったので私たちは今まで協力できなかったが、(中略)日本中心の運動にすることが出来れば協力してもよいのである」と述べている[90]。
オウム真理教
宮崎県資産家拉致事件について、日本統一教会/日本統一協会の機関誌である宗教新聞の編集長だった黛建文[注釈 9]は世界日報と宗教新聞上で全面的にオウム真理教を擁護した。黛は週刊文春を批判する形でこの記事を書きながらも「(週刊文春への取材は)やらなきゃいけないとは思ったけど時間がなくて」とし、被害者証言や客観的事実を無視または歪曲している。一方で麻原彰晃を始めとするオウム真理教幹部には何度も会い、「あの人はヨガや仏教をまじめに考えている」と手放しで賞賛した[91]。
同じ頃、早稲田大学、東京大学などで宗教色を一切見せないダミーサークルを使い「占い」「ヨガ」「気功」「自己啓発」などの名目で接触し、教団管理の施設に誘い出し、ビデオを見せて不安感や危機感を煽り、最終的にオウム真理教の新会員を募集するという、統一教会/統一協会の常套手段である手法で信者を獲得していた。この類似についてオウム真理教外報部は「当教団と統一教会は全く関係がない」、統一教会/統一協会は「オウム真理教との間にはなんら特別な関係はありません」と否定しているが、その一方で「宗教は統一されるべきであるという立場に立ち、あらゆる宗教団体と垣根を作らず話し合い、互いの接点を求めています」とし、実際ある統一協会員は「私どもの幹部は麻原さんに会っています宗教的に立派な人だと評価しております」と語っている[91]。
その後オウム真理教は「(文鮮明は)フリーメイソンの一員」「世界各国で今日も、従順に言うことを聞く『家畜』を製造し続けている」「家畜の父」と非難した。統一教会/統一協会側もオウム真理教への強制捜査が入るや否やオウム真理教との関連を強く否定しむしろオウム真理教批判の論調に転じた[91]。
セクトまたはカルトと分類された例
統一教会/統一協会は、いくつかの政府によって、セクトまたはカルトと分類されている。例として以下の政府・議会報告が挙げられる。
- オーストリア連邦環境・青少年省(1996)[92]
- ベルギー議会調査委員会(1997) [93]
- フランス国民議会委員会報告(1995)(フランス国家警察の情報機関総合情報局が、複数のセクト監視グループと編集)[94]
- フランス国民議会委員会報告(1999)(カルトと金銭に関するフランス議会報告、30数団体にし注意を集中させ調査した)[95]
- ドイツベルリン上院報告(1997)[96]
- 中国共産党中央弁公庁報告(2014)[97][98]
教義
その神学は主に、旧約聖書と新約聖書の間にみられる「対話」の強調を基盤に、これらの対応点の研究から今の時代に何が起こるか知ることができるというものであり、『原理議論』にまとめられている[1]。
教団の教義は「統一原理」と呼ばれ、旧約聖書、新約聖書を教典に教理解説書『原理講論』を用いる、神が世界を創造した目的や法則を述べた「創造原理」、人間の罪の起源を説いた「堕落論」、本来、神が創造しようとした世界を再建するための原理を説いた「復帰原理」の3部からなり、『聖書』では比喩や象徴で表されていた真理を明らかにしたものと説明されている[2]。しかし実態はキリスト教とはほど遠く、赤旗社会部によると混淫教がそのルーツである[2]。文鮮明の思想の本質は血統転換である。罪の根は、サタン(堕落した天使長ルーシェル)と人類始祖エバとの性的関係である。堕落によってサタンの血統になってしまった人類は、人類の真の父母として来られるメシア(救世主)によって、生み換えてもらわなければ神の血統に転換できないとされている。具体的には「文鮮明とのセックスによって人間は清められ、無原罪の子を産むことができる」ということを聖書に出て来る言葉で粉飾したに過ぎない[2]。
神は霊とエネルギーという二重の性質からなるとされ、この2つによってあらゆるものが生まれる。神はエデンの園でアダムとイブを作り、神自身の二重性を反映させた。しかし、アダムとイブが性的な関係を通して早すぎる結合に至ったため、人類は神の手を離れた。堕落した人類はサタンの手中に堕ち、そこにとどまったままであるとされる。最初の人類のように、神の愛を中心に結婚し、完全な子供を産み、真実の家族を作ることで、地上の楽園を建設することが目指される。教主の文鮮明は1992年に自身がイエスが完遂できなかった使命を引き継ぐ救世主であると宣言したが、『原理講論』にはそのような記述はない[1]。
第三次四年路程が終わる2012年までの摂理完成と、それによる2013年1月13日の「天一国」[注釈 10]実現を謳っている(ただし、近年は陰暦と日付が対応している天暦と称する暦[注釈 11]を導入しているため、この1月13日も天暦でのこととされ、陽暦(グレゴリオ暦)では2月22日となる)。文鮮明もこの日までに「私の責任を果たすだろう」という旨の発言をしており、そのために、韓国における21万財団(天福宮)の完成、文鮮明本人の自叙伝を各家庭や個人が430冊購入し普及させることが必須であるとしている[99]。
赤旗社会部によると、実際の「伝道活動」は全てお金に繋がっている[18][17]。「献身生活」に入ると給与はなく、睡眠、洗濯、入浴の時間もなく、教典の『原理講論』を読む時間もない[57]。お金がなく健康保険料が払えない、住民票を移すと家族に住居が分かる、同じ場所に何人もが住んでいることになり都合が悪いなどの理由から国民健康保険には全員が加入できず、加入していない信者が病気になると加入している信者から健康保険証を貸し借りして通院するのが常態化していたという[57][注釈 12]。
教典
教祖が書いた『原理原本』が経典とされている。
1966年5月に韓国で『原理講論』が発行され、1967年10月2日[100]に日本語版が発行され『聖書』よりも教会内で頻繁に使われる教典となった[2]。しかしこの日本語版は韓国語版から四十数カ所、3,800字余りも削除、改竄されている[2]。削除改竄部分は以下のような部分である。
- 日本は天照大神を崇拝して来た国であり、中国は共産化したからいずれもサタン側の国であり、韓国こそイエスが再臨する国である[2]。
- 世界の文明は韓国を中心として吸収融合されねばならない[2]。
- 全ての民族は韓国語を使用せざるをえなくなる[2]。
- 38度線は民主(神)と共産(悪魔、サタン)の二つの世界の戦いの第一線であり、第一次世界大戦と第二次世界大戦は世界を民主と共産の2つに世界を分立するための戦いであり、必ずなければならない第三次世界大戦で世界が統一される[2]。
日本語版原理講論の削除・改竄について教団側は「対象を韓国人に限定して書かれた部分だから」と釈明しているが、これについては「事実上の教典を適当に書き分けること自体、まともな宗教団体のやることではない」という批判がある[2]。
2001年からは教祖が教義の内容をより詳細に語った説教を集めた『天聖経』が原理講論に肉を付けたより詳細な教典となるとされている。
2003年6月9日には、教団が出版した教祖の説教集や書籍を勝手に編集・コピーして行おうとする分派活動を防ぐために、発言の出版、翻訳、および氏名・写真の使用等に関する諸権利を韓国の教団(韓国世界平和統一家庭連合)に授権・委任した。
その他の活動
- 「父母の日」(米祝日)制定 : 韓鶴子(文鮮明夫人)は1993年に「真の父母と成約時代」と題する講演を米国議会で行なったが、その日(7月28日)を記念して(教団はその日を記念してと言っているが、実際の関連性は不明である)米政府は「父母の日」という国民の祝日を定めた(1994年9月30日下院本会議可決、10月4日上院本会議可決、10月14日ビル・クリントン大統領の署名により正式法制化、米公法103-362)[2]。
- 「教科書の編集・発行」 : 韓国統一教会/韓国統一協会が発行した教科書(「宗教」中学用1・2・3、高校用1・2)が「教科書図書に関する規定」に合格、1995年12月29日、韓国ソウル特別市教育監により学校使用の教科書として認定された。
- 1996年から韓国を中心にするこれまでの方針を転換し、南米に地上天国のモデルを作るとして、ブラジルのジャルジンとパンタナール[14]に未開発の広大な土地を買い、ジャルジンに信者たちのための集団村を建て、夫婦で参加する修練会を行ったり、南米各地に女性宣教師を派遣した。
- 2003年から2年ごとにサッカー大会「ピースカップ」を開催している。
- 2004年からは「人類の家族的な統一にはモンゴル(蒙古斑族)が重要な役割を果たす」として、モンゴルに関して運動を進めている。
- 近年は韓国の有名観光地の開発を手がけているほか、2006年6月には韓国で「本殿聖地」という王宮を建てた。学校、病院、老人ホームなどが揃うこの地域一帯に、宗教と人種を超越した『平和村』を作るという。
教団をめぐる裁判
統一教会/統一協会に対して起こされた裁判は2006年6月現在、1986年の初の提訴以来、100件を越えており、このうち83件で和解。11件で統一教会/統一協会側の責任を認める判決が最高裁で確定している。
教団側勝訴の判例
- 統一教会信徒の拉致監禁問題の違法性
- 人身保護請求が認められた事例(実質的勝訴)
- 統一教会/統一協会信者(30歳男性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和55年(1980年)人ナ第1号、東京高裁・杉田洋一裁判長}
- 統一教会/統一協会信者(26歳女性)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、高村正彦弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和55年(1980年)}人ナ第1号、高松高裁・越智傳裁判長}
- 統一教会/統一協会信者(25歳女性、小学校教員)が拉致された上、精神病院に強制入院させられ改宗を強要された事件で、上野忠義弁護士等による人身保護請求訴訟により解放された事例{昭和56年(1981年)人第1号、宇都宮地裁・多賀谷雄一裁判長}
- 強制改宗の違法性
- 献金の正当性
- 2003年11月27日 名古屋高裁が統一教会/統一協会の献金の正当性を認め、原告の献金返還請求を棄却。
- 教団の関連する「天地正教」の導師部長を務めていた元信者が1000万円の献金について、「信者の因縁話によって畏怖して献金したもの」として、「天地正教」への貸付など、約3700万円の損害賠償を求めた事案。
- (2001年)2月28日、名古屋地裁は「自主的に献金した」「統一教会/統一協会の信者等における脅迫等、違法な働きかけは認められない」として原告の訴えを退けた。1000万円という額についても「宗教活動として許された範囲を遥かに逸脱した違法なものとまでは言えない」と判断した。原告が控訴した名古屋高裁も一審判決を支持。2004年10月22日、最高裁への上告も棄却され、統一教会/統一協会側が全面勝訴した。
教団側敗訴の判例
- 献金勧誘行為の違法性
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- 統一教会/統一協会の「霊感商法」に対する損害賠償請求訴訟で、全国で初めて統一教会/統一協会の関与と賠償責任を認め、3670万円の支払いを命じる判決が出た。信者らは2人の未亡人に対し、亡くなった夫に関して、先祖の因縁話で、不安を煽り、執拗に迫って高額の献金をさせたり、弥勒像等を購入させた。福岡地裁は「献金勧誘行為は、布教活動の一環として行われたものであったとしても、その目的、方法、結果において到底社会的に相当な行為であるということはできず、違法であり、民法709条の不法行為に該当する」、「信者らと教団は実質的な指揮監督関係にあり、信者が献金勧誘行為が教団の教義である万物復帰の実践として理解していたことや献金がいずれも教団に帰属していることなどからみて、原告らに対して不法行為責任を負う」と判断し、教団に使用者責任を認め、献金相当額と慰謝料の支払いを命じた(『判例時報』1526号121頁 平成8年(1996年)2月19日福岡高裁控訴棄却 平成9年(1997年)9月18日最高裁上告棄却)[101]。
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- 元信者が、教団による違法な入信勧誘・教化行為によって損害を受けたとして、不法行為に基づく損害賠償を教団に求めた事案で、裁判所は「信者らもしくは信徒会の伝道・経済行為は、被告(統一教会)が経済的な利益を追求するという目的のもとになされ」「信者らが、文鮮明の配下というべき教団の幹部らの意を受けてその指揮・命令の下に実行された結果と認められ、(中略)原告らに対する、法人としての教団自身の故意に基づく違法行為であると評価することができる。」として民法709条に基づいて、その違法行為による損害を賠償する責任を負うと判断された[3] (平成14年(2002年)10月28 新潟地方裁判所 平成元年(ワ)374号、平成2年(ワ)389号、平成4年(ワ)389、平成5年(ワ)445 損害賠償請求)。
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- 信者らの違法な献金勧誘行為により、原告らが損害を被ったとして、教団に対して、民法709条又は715条に基づき損害賠償を請求した事案で、裁判所は教団の献金勧誘のシステムの特徴として、
- 「万物復帰の教えの下、個々の対象者からその保有財産の大部分を供出させ、被告全体としても多額の資金を集めることを目的とするものである」、
- 「対象者がある一定レベルに達成するまで、被告の万物復帰の教えはもちろんのこと、被告や文鮮明のことを秘匿あるいは明確に否定したまま、対象者の悩みに応じた因縁話等をして不安感を生じさせあるいは助長させる方法をとっている」
- 「各種マニュアル等により勧誘方法が全国的に共通していて、組織的に行われている」
- 教団への入会ないしは献金等については「入会ないしは献金等をしようとする者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、不実のことを告げ、また、被告への入会ないしは献金等をさせるため、対象者を威迫して困惑させるものであり、方法として不公正なもの」と判断し、教団の献金勧誘のシステムは、「不公正な方法を用い、教化の過程を経てその批判力を衰退させて献金させるものといわざるを得ず、違法と評価するのが相当である。」として教団に原告2人に対する損害賠償を命じた(平成9年(1997年)4月16日判決言渡 平成9年4月16日判決原本交付 裁判所書記官 平成6年(1994年)●第二〇七号 損害賠償請求事件)[102][4]。
- 信者らの違法な献金勧誘行為により、原告らが損害を被ったとして、教団に対して、民法709条又は715条に基づき損害賠償を請求した事案で、裁判所は教団の献金勧誘のシステムの特徴として、
- 準禁治産者申し立て事件
- 伝道に関する違法性(青春を返せ裁判)
- 元信者らが、教団又はその信者らの違法な詐欺的・脅迫的な勧誘・教化行為によって入信させられ、その後、長期間被告の献身信者として過酷な生活をさせられて信教の自由を侵害され、また、その過程で献金及び合同結婚式への参加を強要されて財産権及び婚姻の自由を侵害されたとして、不法行為(民法709条又は715条)に基づき慰謝料等の支払を求めた事案。
- 東京地裁は、信者らの伝道活動は、「相手方を畏怖困惑させ、それによって被告の教義からの離脱を困難にすることに主眼を置いていたもの」、「献金及び無償で物品販売活動等を行わせること及びそのような行為をする被告の信者を再生産することによって、経済的利益を上げることもその目的であった」、「(先祖の因縁や霊界等の)非科学的な超自然的な現象についての話は、科学的・論理的な検証が不可能であって、個人差はあっても、これを聞いて漠然とした不安を抱くことになる者がいるのは明らかであり、その上で自分や家族の具体的な事実と結び付けられると、恐怖を感じることは避けられない」「教義に深入りさせる方法としては、相当性を欠くものといわざるを得ない。」として「原告らに対する勧誘・教化行為は、不当な目的に基づく社会的相当性を逸脱した方法で、結果として原告らの自由意思を阻害しているものといわざるを得ず、原告らの信教の自由を侵害する違法な行為というべきである。」と判断した。また、合同結婚式への参加を勧めた行為についても、「信者の間では、合同結婚式への参加を断る自由があるという理解はなかったものと認められる。」として、「婚姻の自由を侵害する違法があるもの」とした。
- 損害については「過酷な経済活動や伝道活動に従事して労役の提供を余儀なくされ、さらに、献身するために勤務先の会社をやめることを余儀なくされるなど献身期間中、従前の人間関係や社会生活等を破壊された。」「文鮮明の選んだ相対者を断ると、自己や先祖の救いの道が閉ざされ、病気や怪我をしたり又は死んだりすることになるとか、死後地獄に行くことになるなどと思って苦悩し、相当の精神的苦痛を被った。」などとして、教団に対し原告の3人に対する慰謝料の支払いを命じた。被告の高裁への控訴、最高裁への上告はいずれも棄却された(平成14年(2002年)8月21日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 平成11年(1999年)(ワ)第18400号 平成15年(2003年)5月13日口頭弁論終結)[5](平成15年(オ)第1770号 平成15年(受)第1880号)[6]。
- 婚姻の無効性
- 1993年10月7日 福岡地裁で、統一教会/統一協会の合同結婚式に参加し、教会の指示により婚姻届をした日本人女性が婚姻意思の不存在を理由とした日本人男性との婚姻の無効の訴えが認められた。信者の福岡高裁への控訴・最高裁への上告ともに棄却(1995年10月31日、1996年4月25日[105][106]。婚姻届をした後に脱会した元信者による婚姻無効の確認を求める裁判は、 1999年4月時点で、約50件程がその主張通り認められている。
- 強制改宗をめぐる記事の信憑性
- 教団自身が敗訴した例ではないが、カルト問題の第一人者である東北学院大学名誉教授の浅見定雄が、宗教ジャーナリストの室生忠が浅見を「強制説得」を指導する「全国霊感商法対策協議会」の「請負人」かつ「世話人」であると書いた記事を名誉毀損に当たるとして、記事を書いた室生とその原稿を掲載した『創』の編集長、篠田博之を訴えた。
- 2001年12月17日、東京地裁は室生側に対し「記載される個人に対する直接の取材と言う基本的ルールを無視し、これを省略して一方当事者の立場にある統一協会からの資料提供に全面依存し、その結果、事実の記載を誤るべくして誤ったものである」として金90万円の損害賠償と『創』誌への謝罪広告の掲載を命じた。2審でも浅見側が勝訴し、室生側の最高裁へ上告は棄却された。強制改宗に関する教団の主張が信憑性に問題があるプロパガンダ的なものであることが明らかになった。
- 統一教会/統一協会の現役信者夫婦が、日本人妻の両親と説得に関わった牧師に対し、人格権に基づき、拉致監禁、棄教強要などの差し止めと、牧師に対し約1330万円の損害賠償を求めた訴訟。
- 2002年3月8日 東京地裁は原告の請求を退け、牧師も両親も全面勝訴した。原告が主張した「S牧師は違法行為の共謀をした」、「原告が監禁されていることを容認した」、「説得を受けた部屋が統一教会/統一協会信者の監禁場所として常用されていた」、「日本基督教団が統一教会/統一協会信者を脱会させるために拉致・監禁を組織的に行っている」などがすべて否認された。S牧師が暴言的、脅迫的発言や暴行を行ったという訴えに対しては「穏当性を欠くものであったが、損害賠償請求権を発生させるほどの違法性はない」と判断した。2002年12月26日、高裁への控訴、同年6月27日、最高裁への上告は共に棄却され、被告のS牧師と両親の勝訴が確定した。
和解の事例
- 統一教会/統一協会の信者である夫婦が自分達を連れ去り、脱会の説得を行った親、次女、親族、牧師らの8名を被告として、自分達の意思に反する違法な拉致、監禁及び教団からの脱会の強要等の共同不法行為に基づく差止請求及び損害賠償請求を求めた事案。
- 2004年1月23日 横浜地裁は原告の請求を棄却した。横浜地裁は、「両親の行為が原告の意思に反する、違法な、拉致、監禁及び統一協会からの脱会の強要とまで認めることはできない」「両親による暴行の事実があったと認めることはできない」と判断し、両親に協力した牧師の行為についても「牧師らの指示、指導があったとは言えない」「統一協会からの脱会の強要にあたらない」とし、原告の請求を棄却した[7]。
- 2004年8月31日、東京高裁も原告らの控訴を棄却したが、2006年3月23日、最高裁第3小法廷(上田豊三裁判長)では「原告被告双方が互いに相手方の信仰の自由に干渉しないことを約束する」という内容を含んだ「法廷内和解」が成立した。
- 請求額以上を返金する事で和解した事案
- “因縁話”により2億1千万を献金、画や宝石など1千万円分を購入させられたとして千葉県の女性が、賠償を求めたことに対し、教団側は1億3千万での和解案を提示。交渉が進展しないため、所管庁たる文部科学省をも共同被告とした訴状を送付したところ、2008年3月に2億3千万円の和解案が提示され、和解が成立した[107]。実損額を超える和解は極めて異例であり[108]、ある識者は「文科省まで訴えられることで教団に対し宗教法人法に基づく調査が入るのを恐れたのではないか」と見ている。
- アメリカにおいて、不当な勧誘(伝道の初期段階に教団の名前を正式に述べなかった「不実表示による詐欺」)、洗脳、虚偽の監禁などを理由として2人の元教会員が訴えた民事訴訟。
- 1審、2審は「訴訟自体が法廷を宗教問題に踏み込ませるものだ」として原告の訴えを棄却したが、カリフォルニア州最高裁は教団の名前を隠した伝道は「聖なる詐欺」(Heavenly deception )と呼ばれる教団の教義に基づく宗教行為であるが、市民が騙され、強制的説得による不利な環境に服従することから保護するという州の利益のために、教団の活動に制限を加えることは憲法上認められるとして、1、2審の略式判決を破棄し、陪審員による事実審理をするようにと差し戻した。結果的に教会と原告は和解したが、「信教の自由」があっても、伝道の方法によっては詐欺にもなり得る場合があることを示唆したものとなった(モルコ・リール事件 1998年10月27日 カリフォルニア最高裁)[109][110][111][112][113][114]。
学問・文化活動
文鮮明は「神の意思を学術界にもたらすため」と称し、霊感商法やインチキ募金などの経済活動で得た財源を使い、1974年9月世界平和教授アカデミーを設立、賞金を餌に学者を集め、雑誌『知識』を発行した[115]。世界平和教授アカデミーは金に糸目をつけない戦略で「学際研究シンポジウム」「若手研究者の集い」「女性研究者後援会」など様々な名目でホテルやホールを借り切って会議を開き、専門分野の学者に案内状を送りつけた[115]。統一教会/統一協会や文鮮明の名前は一切出さずとにかく幅広く学者とのつながりをつけることを重視しているため、そうとは知らずに出席した学者の第一印象は「まったくの学問的会合だった」という[115]。
宗教界向けには独自に力を注ぎ、「世界宗教会議日本会議」なる団体を結成して「共産主義の宗教政策」「西側諸国衰退の本質的原因」などをテーマとした宗教者セミナーを各地で開いている[115]。総合宗教紙を装った『宗教新聞』を発行し寺社教会に無料で送りつけている[115]。
『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』の作成者である池田文子[注釈 13]は統一教会/統一協会の古参幹部で大韓民国中央情報部(KCIA)から3000ドルの活動資金を受け取った人物であり、地方自治体の後援を取り付けて各地で上映会を開き、券は統一教会/統一協会員が「アフリカ難民募金」を称するインチキ募金などとセットにして売り歩いた[115]。スパイ防止法制定の世論作りを狙って作られた映画『暗号名 黒猫を追え!』も同様である[115]。
統一教会/統一協会をめぐる人物
日本の政治家
- 青山丘(国民新党):2006年5月18日の天宙平和連合‐祖国郷土還元名古屋大会に出席。2010年12月3日、“拉致監禁”[注釈 14]反対を訴える決起集会「守れ!日本の人権・信教の自由」では来賓として挨拶した[116]。
- 秋元司(自民党):2010年5月14日の参議院決算委員会において「布教活動をする方の立場も守ってあげなくちゃいけない」と述べ、信者の家族による脱会支援活動であっても取り締まるよう教団側の立場で国家公安委員長に要請した[117][118]。
- 麻生太郎(自民党):過去に教団機関紙の思想新聞に名刺広告を出している[119]。警視庁の内部資料からは信者を秘書に起用していたことが発覚[49]。2011年5月10日付の米紙ワシントン・タイムズには、妻・千賀子や安倍晋三らと共に全面意見広告を掲載[120][121]。日韓トンネル研究会では顧問を務める[122]。
- 安倍晋太郎(自民党):『しんぶん赤旗』の2006年の報道によれば、日本統一協会第12代会長の梶栗玄太郎より直々に統一運動の指導を受けており[123]、文鮮明来日の折に帝国ホテルで開かれた「希望の日」晩餐会をはじめ、教団の会合にも度々出席。同僚議員を原理セミナーへ勧誘して政界と教団の懸け橋にもなった[49]。
- 安倍晋三(自民党):『しんぶん赤旗』などによれば、2006年5月、関連団体の天宙平和連合が全国各地で開いた大会の複数会場に内閣官房長官の肩書きで祝電を送付。この前年にも同様の大会への祝電が確認されている[124][125]。また、教団傘下の米ワシントン・タイムズ紙2011年5月10日付に掲載された意見広告に妻と共に署名[120]。2010年2月と2012年7月には幹部信者(12双)が代表を務めるシンクタンク「世界戦略総合研究所」で講演[126]。さらに、『FLASH』誌などは父親の金脈、人脈を継いだため教団とは切るに切れない事情があると報じており[127]、教団内では「安倍先生なくしてみ旨は成就できない」と伝えられる[128]。しかし、四半世紀以上統一教会と闘ってきたジャーナリスト出身の有田芳生(後述)によれば、有田は安倍本人に直接取材をおこなっており、「安倍事務所が官房長官名で統一教会系の「天宙平和連合」に祝電を打ったことで本人を批判することには無理がある。国会議員の事務所は、祝電でも弔電でも、関係者から依頼があれば、その事務所レベルで判断する。いちいち「議員先生」本人に問い合わせることなどしない。安倍には統一教会への対応方針がある。それは拉致問題などを行った北朝鮮を経済的に支援する統一教会は問題であること、しかも霊感商法などで日本の公安当局から監視対象である団体である以上、面会を求められても会わないようにしている、というものだ。これはわたしが安倍本人から聞いたことである」と記している[11][129]。有田はまた、「安倍晋三は北朝鮮への強行姿勢ゆえに、祖父の岸信介や父の安倍晋太郎が親密だった統一教会に対し、距離を置くだけではなく厳しい対応を取っている」と伝えている[130][注釈 15]。
- 有田芳生(民主党):#反対派を参照
- 石井紘基(民主党):#反対派を参照
- 稲田朋美(自民党):2006年4月、教団の関連団体「世界平和女性連合(WFWP)‐福井県連合会」が開いた春のつどいに出席[131]。2009年11月には同じく教団関連団体である世界平和連合(FWP)の福井県大会で演説[132]。2010年4月にも前記「女性連合」の催しで講演した[133]。
- 井原巧(自民党):世界平和連合の支援を受ける。2013年5月には、愛知県内のホテルで、同連合は「井原巧先生を励ます会」を開催した[134]。
- 衛藤晟一(自民党):2014年1月22日、統一教会の重鎮が会長を務める世界戦略総合研究所で講師をしている[135]。
- 衛藤征士郎(自民党):日韓トンネル推進議員連盟代表であり、2008年5月の「清和政策研究会との懇親の集い」にて配布された政策論文集には「日韓トンネル・日韓を鉄路で結び欧州へ直結」 (PDF, 97KB) を寄稿。かつては信者5人を秘書に起用しており、勝共連合のセミナーや集会にも参加している[49]。
- 岸信介(自民党):日本における勝共連合設立の中心人物の一人[48]。文鮮明が米国で投獄されると「宗教の自由」を侵した過ちであるとし、釈放を求める意見書を米大統領に提出[8]。文鮮明や久保木修己とも会談しており、ときには松濤本部を訪ねて信者を激励するなど日本統一教会(協会)草創期からの熱心な賛同者である[136]。
- 北村経夫(自民党):世界平和連合から支援を受けている[137]。なお、北村は天照皇大神宮教の教祖北村サヨの孫であり、天照皇大神宮教からも支援を受けている[9]。
- 高村正彦(自民党):教団の訴訟代理人を務めていた過去があり、系列企業のハッピーワールドからは高級車の提供を受けている[58]。かつては勝共推進議員であったが、外務大臣に就任した年の週刊ポスト(1998年12月4日号)紙上では統一教会との関係について、冷戦構造下において共産主義反対というところで一致していただけで統一教会の弁護士をやめる際に今後は一切相談は受けないと申し入れたこと、統一教会の教祖文鮮明に対してビザ発給などで便宜を図ったことはないこと、1999年の入国に協力するつもりはないこと、などを語っている[138]。また週刊現代(1999年2月27日号)が1999年に行った国会議員へのアンケートに対しては、「弁護士としての関係がかつてあったが、今は何の関係もない」と回答している[139]。
- 後藤田正純(自民党):下部団体の天宙平和連合が主催した、文鮮明の三男である文顕進との昼食会に出席。本人もそれを認めている[140]。
- 佐藤剛男(自民党):2006年3月21日、幕張メッセで開催された「天宙平和連合日本大会‐アジア太平洋島嶼国家のパートナーシップ」で祝辞を述べている[141]。
- 下地幹郎(国民新党):有田芳生は、下地が統一教会が後援するデモ隊から請願書を受け取っており統一教会を支援している議員と述べている[142]。
- 白石徹(自民党):教団の関連団体である「アジアと日本の平和と安全を守る全国フォーラム」東予地区の世話人を務め[143]、同じく関連団体の平和大使協議会(AAP)では平和大使に任命されている[144]。また、世界平和連合(FWP)は白石の後援会「愛和会」を設立しており、同会は応援歌「ラブ、ラブ、ラブ」の合唱で締めくくられる[145]。他にも、真の家庭運動推推進議会(APTF)が開くクリスマスパーティーや原理復興文化祭などに通う[146][147]。
- 菅原喜重郎(民社党):2001年6月、教団側の見地から質問主意書を提出[148]。関連組織の「世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)」では共同議長として活躍する[149]。
- 竹下亘(自民党):2012年4月29日に開かれた「アジアと日本の平和と安全を守る島根県フォーラム設立大会」に来賓として参加し祝辞を述べた[150]。
- 中川秀直(自民党):2012年7月30日に古参信者が代表を務める団体「世界戦略総合研究所」が開いたシンポジウムに参加[126]。2006年5月14日に開かれた天主平和連合(UPF)祖国郷土還元広島大会には祝電を送っている[151]。
- 中曽根康弘(自民党):文鮮明や朴普煕が来日した際に会談した[注釈 16]。1992年の3万組合同結婚式へ祝辞を寄せており[10]、2004年には世界平和連合の大会で講演[152]。2006年の天宙平和連合‐祖国郷土還元日本大会にも祝電を送っている。
- 中村敦夫(無所属):#反対派を参照
- 中山成彬(次世代の党):2003年11月、当時支部長を務めていた自民党宮崎1区支部の世界平和連合からの献金受領が報じられ返還。地元の会合にも同連合のメンバーを出席させている[153][154]。
- 鳩山由紀夫(民主党):2004年3月に世界平和連合が開いた「救国救世全国総決起大会」に出席した[51]。
- 福井照(自民党):2002年1月、世界平和連合‐高知県連合会結成大会に数人の自民党議員と出席[155]。2006年5月には天宙平和連合‐祖国郷土還元高松大会へ祝電を送っている[156]
- 福田赳夫(自民党):1974年5月7日の「希望の日」晩餐会にて、同席する文鮮明を「偉大な指導者」と礼賛し[157][158]両者は熱い抱擁を交わした[159]。
- 松下正寿(民社党):松下正寿#人物を参照
- 三原朝彦(自民党):1999年10月開催の世界平和連合-福岡県連合会に祝電を寄せた。同会には三原の秘書の他、多数の自民党議員及び関係者が出席[160]。自身が支部長を務める自民党福岡9区支部が2003年11月に世界平和連合から献金を受けた[161]。日韓トンネル研究会顧問。
- 宮島大典(民主党):2006年5月13日、天宙平和連合‐祖国郷土還元福岡大会に出席[72]。2010年12月に開かれたシンポジウム「信教の自由と人権問題を語る」では会場となった議員会館の使用申請をした[162]。
- 室井邦彦(維新の党):2007年の参院選で配布したビラに幹部信者との写真を掲載。教団の会合では「(文鮮明の)入国のため努力する」と発言している。
- 保岡興治(自民党):政策秘書だった信者を法務大臣就任時(第2次森内閣)に秘書官に登用。2005・2006年には下部組織の催しに祝電を寄せた[124]。「希望の日」晩餐会にも臨席している。
- 山崎拓(自民党):2002年4月に女性信者とのスキャンダルを週刊誌で報じられ[163]訴訟へと発展[164]。2005年の天宙平和連合‐福岡大会には祝電を打っている[165]。
- 山谷えり子(自民党):#政治に関する出来事を参照
- 山田宏(次世代の党):教団関係者が運営するNPO法人「未来構想戦略フォーラム」で講演[74]。2011年1月には世界戦略総合研究所で講義した[166]。
- 吉田公一(民主党):有田芳生は、吉田が統一教会が後援するデモ隊から請願書を受け取っており統一教会を支援している議員と述べている[142]。
- 渡辺美智雄(自民党):信者(6000双)を秘書に起用しており、この秘書は後に衆院選へ立候補し自民党が公認。同僚議員にはセミナーの受講を勧めたとされる[49]。
(五十音順)
日本以外の政治家
- 金大中(元韓国大統領):1999年2月1日、ソウルで行なわれた韓国『世界日報』創刊10周年記念祝賀会に出席し、「世界日報は国民が必要とする最も貴重な新聞になる」との賛辞を贈り、文鮮明夫妻と握手[11]。
- ロナルド・レーガン(元米大統領):ワシントン・タイムズ創刊を支援し、愛読者でもあった。
- ジョージ・H・W・ブッシュ(元米大統領):韓鶴子の世界平和女性連合の講演で、バーバラ夫人と共に家庭の価値を訴える。バーバラ夫人は韓国の清平で金孝南から按手を受けたと言われている。
その他
- 笹川良一(全国モーターボート競走会連合会、後の日本船舶振興会、現日本財団の会長):密入国で逮捕された西川勝の身元引受人を買って出た[要出典]。
- 福田信之(筑波大学元学長、理論物理学者):「文鮮明師と金日成主席」(世界日報社1992)等の著書あり[167]。
- 室生忠(宗教ジャーナリスト):統一教会/統一協会関連のシンポジウムの講師等を務めたこともある。月刊誌『創』(2000年4月号)で浅見定雄が「統一教会信者の『強制説得』請負人」で、「信者を脱会させるために精神病院に『強制収容』する事件に加担した」などとする記事を書いたことを当人から名誉毀損で訴えられ敗訴し、『創』誌に謝罪広告を掲載するよう命じられた[168]。
- 稲見友之(教団の顧問弁護士)
- 加瀬英明(外交評論家):統一協会の出版社から本を出版、統一教会系の政治集会にも頻繁に出席している。公私に渡り韓国と親密で、不倫同棲相手の韓国人ホステス変死事件(「週刊新潮」2006年12月7日号)などを引き起こしている。
- 桧田仁(医師・元衆議院議員):2000年4月の衆議院決算行政監視委員会において、脱会支援活動への取り締まり等について教会員の立場で質問。関連団体の集会やシンポジウムには度々参席し講演もする。2010年11月11日付『世界日報』では「拉致監禁は犯罪」と訴えた[169][注釈 17]。
- 小林正(教育評論家・元参議院議員):教団の関連団体が主催する大会では講演などをしており、世界戦略総合研究所の評議員も務める。憲法改正や教育問題に取り組む関係上、教団との接点が多い。1999年3月13日、世界平和連合・国際勝共連合共催の救国救世全国躍進大会で挨拶。2004年3月22日の世界平和連合‐救国救世全国総決起大会では乾杯の音頭。2004年7月19日には世界平和連合‐神奈川県連合会の役員研修会で講師を務め、2006年開催の天宙平和連合‐祖国郷土還元日本大会にも出席。
- エマニエル・ミリンゴ(元カトリック大司教):1969年、バチカンが承認していない悪魔払いとヒーリングを行ったため、ルサカの大司教を辞任させられたことがある。 2001年5月27日、聖職者の結婚を禁じたカトリック教会の規則を破り、統一教会/統一協会の合同結婚式で韓国女性ソン・マリアと結婚。反対するローマ教皇庁から説得を受け、結婚を解消し、カトリック教会に戻り、破門を免れた。2006年7月12日、ナショナルプレスクラブの記者会見で「私の妻と私は分離する事ができないし、妻は常に私と一緒に生活している」と以前の言動を翻し、同席したカトリック司祭らと共に、司祭の結婚を禁じる制度の撤廃運動を再び表明する。その後、バチカンの許可を得ずに4名の司教叙階をしたため、カトリック教会法1382条により自動破門[要出典]。
- ジョージ・スターリングス(米国キリスト教イマニ・テンプル大司教):文鮮明を「メシヤ」「神の人」「神そのもの」などと積極的に賞賛している。妻は統一教会/統一協会の合同結婚式で選ばれた日本女性。統一教会/統一協会では“大司教”の肩書きで紹介されているが、『ニューヨーク・タイムズ』によれば、スターリングスは1989年に性的不品行を自らの教区で非難され、ワシントンの大司教(ジェームス・アロイシャス・ヒッキー枢機卿)による処分を拒否し、独自にイマニテンプル教会を開く。そして自らを大司教に任命。それ以来、スターリングスは、カトリックの教義に反して、結婚を願う聖職者を受け入れることで教会を広げようとしてきたという[要出典]。
反対派
- 浅見定雄(東北学院大学名誉教授):教団の草創期から反対運動に関わっている統一教会/統一協会反対派の第一人者。数々の著作がある。
- 川崎経子(元牧師):特定非営利活動法人 「小諸いずみ会 いのちの家」所長。
- 有田芳生(民主党):『朝日ジャーナル』の霊感商法報道に加わる。カルト問題についてテレビや雑誌で解説し、教団の問題点を批判する著書も多数[11]。#政治に関する活動も参照
- 水島総((株)日本文化チャンネル桜代表取締役社長・映画監督など):同社が制作しているテレビ番組「チャンネル桜」において、統一教会およびこれから政治的影響力を受けていた民主党・社民党(旧社会党)・自民党内の党内勢力、加えて同教会やパチンコ業界が北朝鮮を経済的に支援している事について繰り返し批判している[170][171][172]。
- 山口広(弁護士):霊感商法被害対策の組織「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(被害弁連)を事務局長として主導して来た。
- 紀藤正樹(弁護士):霊感商法「被害弁連」の中心的存在。テレビでも統一教会問題を取り上げた番組によく出演している。
- 郷路征記(弁護士):統一教会/統一協会の伝道を「信教の自由」を侵害する違法なものとして訴える違法伝道訴訟(青春を返せ裁判)の先駆者。
- 山口貴士(弁護士):被害弁連に所属。紀藤正樹の「リンク総合法律事務所」に在籍。
- 中村敦夫(俳優・元参議院議員):飯干晃一と共に反対運動に注力した。
- 飯干晃一(作家):娘の飯星景子を説得して、離教させた。マスコミや批判書を通じ、統一教会/統一協会に対する反対活動を積極的に行う。反対集会に参加しては参加者を励ましたり、渋谷の教団本部に出かけて行っては、現役の信者に一人ひとりに「君は間違っているぞ」と説得を繰り返したという。
- スティーブン・ハッサン(社会心理学者)
- 高橋紳吾(「東邦大学助教授、精神科医」):日本脱カルト研究会(現:「日本脱カルト協会」)を設立。マインドコントロール理論から教団をカルトとして解説。
- 西田公昭(社会心理学者):カルトによるマインドコントロールに関する研究において、統一教会/統一協会の資料や元信者の体験を採用しており[81]、オウム事件の裁判において心理鑑定人も務めた[12]。
- 卓明煥(タクミョンファン):(宗教ジャーナリスト)韓国において著作や講演で統一教会/統一協会を批判。
- 櫻井義秀(北海道大学 大学院教授):宗教社会学などの観点からカルト・マインドコントロールに関する研究において統一教会、天地正教などを考察している。
- 鈴木邦男(民族派団体「一水会」の元代表):1985年に、『朝日ジャーナル』に 「勝共連合は民族主義運動の敵だ――文鮮明王朝建設に利用される日本の若者」と題した批判手記を発表[13]。
- 田中康夫 (新党日本代表、作家):ゲストとして出演したラジオ番組で何度か教団を名指しで批判した。
- リチャード・コシミズ(ネット・ジャーナリスト):自身のウェブサイトや自著で自民党やロックフェラー家と統一教会の関係などに批判的に触れている。
- 石井紘基(元衆議院議員):生前、統一教会とオウム真理教との関係や統一教会と政治家のつながりなどを指摘する発言を行っており[173]、2002年10月の右翼団体員による暗殺はこれらの発言が一因ではないかと言われている。
- 瀬戸弘幸(右派系政治運動家・ジャーナリスト):自身のブログや維新政党・新風の演説などで、統一教会はカルト宗教であり、国家権力に関わっているから、税金を課すべきであるなどと批判している[174]。
- 山野車輪(漫画家):『嫌韓流3』で霊感商法や自民党と教団の関係について批判的に触れている。
- ウィリアム・ウッド(宣教師、神学者):キリスト教福音派の立場から統一教会/統一協会を批判する著書を発表し、講演活動を行っている。
- 尾形守(牧師、神学者):統一教会/統一協会を異端カルトとする著書を発表している。
- 小林よしのり(漫画家):叔母(母の実妹)が統一教会/統一協会に入信したために叔母一家が崩壊し、小林自身も勧誘されて不快な思いをしたり、小林の実父が叔母を脱会させようとして失敗した経緯を「ゴーマニズム宣言」に何度か描いている。
関連項目
参考文献
- 教団側の文献
- 世界基督教統一神霊協会『原理講論』第5版(光言社 1968年7月20日)
- 世界基督教統一神霊協会伝道教育局(訳編) 『原理講論〔重要度三色分け〕』(光言社 2007年7月) ISBN 978-4876569212
- 久保木修己(監)『為に生きる〔改訂版〕―文鮮明師講演集』(光言社; 改訂版版 1990年)ISBN 978-4876560172
- 世界基督教統一神霊協会(編)『統一教会の回答 日弁連「意見書」への求釈明』(光言社 1999年11月20日)ISBN 978-4876560837
- 増田善彦『「マインド・コントロール理論」その虚構の正体―知られざる宗教破壊運動の構図』(光言社 1996年5月24日) ISBN 978-4876560493
- 朴正華『“私は裏切り者 その時私にサタンが入った!”』(世界日報社 1995年11月) ISBN 4-88201-059-3
- 魚谷俊輔『統一教会の検証』(光言社 1999年9月1日)ISBN 978-4876560813
- 批判側の文献
- 洪蘭淑(著)、林四郎(訳) 『わが父 文鮮明の正体』(文藝春秋 1998年11月)ISBN 978-4163546100
- 浅見定雄 『統一協会 = 原理運動―その見極めかたと対策』(日本基督教団出版局 1987年3月20日) ISBN 978-4818421110
- 川崎経子 『統一協会の素顔 ─新装改訂版―その洗脳の実態と対策』 (教文館 2008年5月) ISBN 978-4764264335 ※用集も付き、文体平易
- 朴正華 『六マリアの悲劇―真のサタンは、文鮮明だ!!』(恒友出版 1993年10月) ISBN 978-4765230735
- 山口広 『検証・統一協会―霊感商法の実態』(緑風出版 1993年3月) ISBN 978-4846193669
- 山口広 (著), 紀藤正樹 (著), 滝本太郎 (著) 『Q&A 宗教トラブル110番―しのびよるカルト』(民事法研究会; 全訂増補版版 2004年2月) ISBN 978-4896281866
- 郷路征記 『統一協会マインドコントロールのすべて―人はどのようにして文鮮明の奴隷になるのか』(教育史料出版会 1993年12月) ISBN 978-4876522507 弁護士である著者が多数の教団の元信者からの聞き取りから、教団が行うマインドコントロールによる教化の詳細を説明)
- 南哲史 『マインド・コントロールされていた私―統一教会脱会者の手記』(1996年 日本基督教団出版局 1996年4月) ISBN 978-4818402515
- スティーヴン(スティーヴ)・ハッサン(著)、浅見定雄(訳) 『マインド・コントロールの恐怖』(恒友出版 1993年4月)ISBN 978-4765230711
- 茶本繁正 『原理運動の研究』『資料編1・2』(晩聲社 1987年10月25日)、 『原理運動の実態 ファッシズムへの道』(三一書房 1979年5月)ISBN 9784380792243
- 有田芳生『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』(教育史料出版会、 1992年8月) ISBN 978-4876522330 、『「神の国」の崩壊―統一教会報道全記録』(教育史料出版会、1997年9月) ISBN 978-4876523177
- 青春を返せ裁判(東京)原告団・弁護団 (編著) 『青春を奪った統一協会――青春を返せ裁判(東京)の記録』(緑風出版 2000年9月) ISBN 978-4846100117
- 全国統一協会被害者家族の会(編) 『自立への苦闘―統一協会を脱会して』(教文館 2005年10月) ISBN 978-4876997695 :(脱会後も後遺症のように続く、「マインド・コントロール」の影響からの立ち直りのための方法を統一教会/統一協会問題に関わって来た牧師や弁護士たちの経験から提示する)
- 本間てる子 『秋田の母ちゃん統一協会とわたりあう』(ウインかもがわ 2003年8月) ISBN 978-4876997695
- 櫻井義秀、中西尋子『統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福』(北海道大学出版会 2010年3月) ISBN 978-4832967205
- 『わたしは"洗脳"された―統一協会元会員の証言』赤旗社会部 編、新日本出版社、1989年。 ISBN 4-406-01773-9
- 米本和広『カルトの子 心を盗まれた家族』文藝春秋 ISBN 4-163-56370-9
- 日本弁護士連合会消費者問題対策委員会(編)『宗教トラブルの予防・救済の手引―宗教的活動にかかわる人権侵害についての判断基準』(教育史料出版会 1999年10月) ISBN 978-4876523702
- 江川紹子『「オウム真理教」追跡2200日』文藝春秋 ISBN 4-16-350580-6
- その他の立場
- 米本和広『我らの不快な隣人 統一教会から「救出」されたある女性信者の悲劇』(情報センター出版局 2008年) ISBN 4795847622、『統一教会信者「脱会」後の重い十字架 書かれざる「宗教監禁」の恐怖と悲劇』(講談社『月刊現代』2004年11月号掲載):カルトを批判する立場の著者だが、統一教会/統一協会が問題のある教団だとしても、親たちが成人に達した信者を拉致監禁し、強制的に説得するという行為は刑法犯罪であり、許されない、と批判)
- 中西尋子「「民衆宗教」としてみた統一教会(「民衆宗教」研究の最前線,パネル,<特集>第六十六回学術大会紀要)」『宗教研究』81(4)、日本宗教学会、2008年3月30日、930-932頁。
- Sarah Lewis『現代世界宗教事典—現代の新宗教、セクト、代替スピリチュアリティ』クリストファー・パートリッジ 編、井上順孝 監訳、井上順孝・井上まどか・冨澤かな・宮坂清 訳、悠書館、2009年。
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- Moon, Sun Myung, 2009, As a Peace-Loving Global Citizen. Gimm-Young Publishers ISBN 0-7166-0299-7
脚注
注釈
- ^ 世界基督教統一神霊協会の関連用語で「ヨハネトーク」。
- ^ 札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面に詳しい説明がある
- ^ 別名「気づきのセミナー」とも言い、「隠れた能力を開発する」などというふれこみで急増している「産業」である。受講料が非常に高額で、洗脳状態に陥りまともな社会生活ができなくなるなどと社会問題化した。
- ^ 勝共連合と協力関係にある議員は一般に「勝共推進議員(または勝共議員)と呼ばれる。
- ^ 多くの地方議員が世界平和連合の各県連合会で議長や理事または勝共連合の支部長を務めていると機関紙の思想新聞が報じている
- ^ 教団の行う合同結婚式は参加するカップル数により、それぞれ「6500組合同結婚式」「3万組国際合同結婚式」などと命名され、信者は自身が祝福(結婚)を受けた式の参加人数により「6500双(6500組)」「3万双(3万組)」と呼ばれる。
- ^ 主催は「アジアと日本の平和と安全を守る全国大会実行委員会」(公式サイト)、後援は国際勝共連合・世界平和連合・平和大使協議会・世界日報・世界平和教授アカデミー・NPO法人にっぽん文明研究所など
- ^ 『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 天上天下の救世主━真の父母』(2000年2月14日)、『李想軒先生が霊界から送ったメッセージ 四大聖人たちの霊界セミナー』(2001年6月5日、いずれも(株)成和出版社の編集・発行)
- ^ 本名亨、1970年の七七七組合同結婚式参加者で統一教会/統一協会の熱心な信者。
- ^ 「天一国」とは、神のもと全人類をはじめ地上界、霊界に完全一体ができることで、全ての天主が一つの家族として暮らす地上界・天上界の統一王国を創建するというものである。
- ^ 統一教会/統一協会では、天暦は「陰暦と陽暦を統一したもの」とされ、陰暦とはあくまでも別物としている。しかし、暦の日付では陰暦と合致している。
- ^ 自分のものではない健康保険証を使って受診するのは詐欺罪に当たる。
- ^ 本名は江利川安江で、日本人妻自由往来実現運動の会代表。
- ^ 教団は信者の家族や弁護士、キリスト教牧師などによる脱会支援活動を「拉致・監禁」と呼び非難する
- ^ 有田芳生は、『週刊朝日』2006年6月30日号において、安倍と教会の"祖父の代から脈々と続く関係"について「私は以前、安倍さんから統一教会と北朝鮮の関係について聞かれたことがある。そのときは『統一教会が接近してきている。会おうと言われているが断っている』と言っていました。安倍さんは北朝鮮に対して強硬な立場で総裁選も近いということから考えると、少なくとも本人の意思では(前述の祝電を)送っていないとは思います」、また、統一教会についても「目的のためなら平気で祝電を捏造するような組織ですから、勝手に名前を使うのもありうる話です」とコメントしている。
- ^ 1992年3月31日に文鮮明と会談。1994年8月17日の朴普煕との会談では文鮮明訪朝に関する報告を受けた。
- ^ 教団は信者の家族や弁護士、キリスト教牧師などによる脱会支援活動を「拉致・監禁」と呼び非難する。
出典
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- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 『統一教会とは何か 追いこまれた原理運動』pp.7-34「統一教会は何を狙っているか」。
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- ^ 「安倍改造政権支える宗教 集団的自衛権で創価学会とはすきま風」、週刊朝日、2015年10月23日号。
- ^ a b 『わたしは"洗脳"された』pp.108-110「統一協会とは」
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- ^ 「札幌青春を返せ訴訟・最終準備書面」「甲第六号証 資料Iハッピーワールド販売促進資料」参照)
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- ^ カルト・統一教会について(せと弘幸Blog『日本よ何処へ』)
外部リンク
- 公式サイト
- 中立的なサイト
- 5 - 宗教情報リサーチセンター
- Unification Church(英語の代表的な宗教比較サイトReligionfacts.comにおける統一教会の解説)
- 統一教会信者を脱会させることに批判的なサイト
- 拉致監禁をなくす会(15カ月の監禁を体験したと主張する医師が代表を務める)
- 火の粉を払え(ルポライター米本和広)
- 全国 拉致監禁・強制改宗被害者の会(12年5か月間に及ぶ監禁を体験したと主張する人物が代表を務める)
- 統一教会に批判的なサイト
- カルト被害を考える会(旧「青春を返せ裁判」を支援する会)
- 全国統一協会被害者家族の会
- 霊感商法の実態(全国霊感商法対策弁護士連絡会)
- 統一協会情報:(弁護士紀藤正樹のLINCへようこそ!中のコンテンツ)
- 統一協会問題相談室(日本宗教問題研究所)