ウォルフ・キッシュナー還元のソースを表示

'''ウォルフ・キッシュナー還元'''（ウォルフ・キッシュナーかんげん、{{lang-en|Wolff–Kishner reduction}}）は[[ケトン]]や[[アルデヒド]]の[[カルボニル基]]を[[ヒドラジン]]によって[[還元]]して[[アルキレン基|メチレン基]]にする[[化学反応]]のことである<ref>総説: Todd, D. ''Org. React.'' '''1948''', ''4'', 378.</ref>。

[[画像:Wolff-Kishner Reduction Scheme.png|400px|center]]

1911年に[[ロシア帝国|ロシア]]の[[ニコライ・キッシュナー]]<ref>[[:ru:Кижнер, Николай Матвеевич]]</ref><ref>Kishner, N. ''J. Russ. Chem. Soc.'' '''1911''', ''43'', 582.</ref>、1912年に[[プファルツ地方|プファルツ]]の[[ルートヴィヒ・ヴォルフ]]<ref>[[:de:Ludwig Wolff (Chemiker)]]</ref><ref>Wolff, L. ''Ann.'' '''1912''', ''394'', 86.</ref>によって独立に発見された。原報はカルボニル化合物を[[ヒドラジン]]と反応させて[[ヒドラゾン]]とした後、[[塩基]]とともに封管中で加熱融解するというかなり厳しい反応条件であったが、1946年に黄鳴竜（ファン・ミンロン、Huang—Minlon）によってカルボニル化合物とヒドラジン水和物を[[エチレングリコール]]中で[[水酸化カリウム]]を[[触媒]]としてヒドラゾンを単離することなく反応させる改良法が報告された。また溶媒として[[ジメチルスルホキシド]]を使用すると室温付近の温和な条件でも反応が進行するという改良法も報告されている。

[[反応機構]]はヒドラジンとカルボニル化合物が反応して生成したヒドラゾン(R<sub>2</sub>C=N-NH<sub>2</sub>)が塩基により異性化してジアゼン(R<sub>2</sub>CH-N=NH)となった後、塩基により窒素上の[[水素イオン|プロトン]]が引き抜かれて窒素分子が脱離するフラグメンテーションが起こり、生じた[[カルバニオン]]がプロトン化されてメチレン基に還元された生成物が得られるというものである。
[[画像:Wolff-Kishner Mechanism V.2.svg|500px|center]]
ヒドラジン誘導体である[[セミカルバジド]]も同様の反応を起こす。

== 関連項目 ==
* [[クレメンゼン還元]]

== 参考文献 ==
<references />

{{デフォルトソート:うおるふきつしゆなかんけん}}
[[Category:有機酸化還元反応]]
[[Category:人名反応]]
[[Category:触媒反応]]
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