心
心理的意識の全体性
心(こころ)に関する引用。
引用
編集- 主よ、あなたが我々をお造りになりました。ゆえに我々の心はあなたのうちに憩うまで休まらない。--アウグスティヌス『告白』
- 世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし --在原業平
- 『古今和歌集』『伊勢物語』に収録
- 不来方の
お城の草に寝ころびて
空に吸われし十五の心 --石川啄木『一握の砂』 - 極楽も地獄も先きは有明の月ぞ心に掛かる雲なし --上杉謙信
- 歳月はすべてを奪う、我々の心をもまた。 --ウェルギリウス『牧歌』、IX,51
- 言語のない国は心のない国。--ウェールズの諺
- 吾妹子が植ゑし梅の木見るごとに心むせつつ涙むせ来る --大伴旅人『万葉集』
- うらうらに照れる春日に雲雀上がりこころ悲しも独りし思へば--大伴家持『万葉集』
- 心の師とは成るとも心を師とするなかれ。--鴨長明『発心集』
- やまとうたは人の心をたねとして、よろづの言の葉とぞなれりける。 --紀貫之『古今和歌集』「仮名序」
- 男女の仲をもやはらげ猛きもののふの心をもなぐさむるは歌なり --紀貫之『古今和歌集』「仮名序」
- 人はいさ心もしらずふるさとは花ぞむかしの香ににほひける --紀貫之
- 『古今和歌集』『小倉百人一首』に収録
- わかれてふ事はいろにもあらなくに心にしみてわびしかるらむ --紀貫之
- 『古今和歌集』に収録
- いにしへに猶立ちかへる心かなこひしきことに物忘れせで --紀貫之
- 『古今和歌集』に収録
- ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ --紀友則
- 『古今和歌集』『小倉百人一首』に収録
- 心なき身にもあはれは知られけりしぎたつ沢の秋の夕ぐれ --西行
- 『新古今和歌集』に収録
- 心で見るよりよく見ることはできない、本質は眼では見えない。--アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
- 明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは --親鸞
- 魚心あれば水心 --日本の諺
- 親の心子知らず --日本の諺
- さしむかふ心は清き水かがみ --土方歳三『豊玉発句集』
- 歌は広く見遠く聞く道にあらず。心より出でて自らさとるものなり。 --藤原俊成
- 俊成の言として、息子藤原定家『近代秀歌』にみえる。
- 大抵
四時 心総て苦しけれど/なかんづく腸 の断たるるは是れ秋天 --白居易「暮立」 - いくとせの春に心をつくし来ぬあはれと思へみ吉野の花 --藤原俊成
- 『新古今和歌集』収録
- 財布が軽けりゃ、心は重い。--ベンジャミン・フランクリン『貧しいリチャードの暦』
- Light purse, heavy heart.
- 奢れる心も、猛き事も、取々にこそありしかども、まぢかくは六波羅之入道、前の太政大臣平朝臣清盛公と申せし人の消息、伝え承るこそ心も言も及ばれね。--平家物語巻一「祇園精舎」
- そぞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神のまねきにあひて、取もの手につかず。--松尾芭蕉『おくのほそ道』
- 野ざらしを心に風のしむ身かな --松尾芭蕉『野ざらし紀行』
- 奥山の岩垣沼に木葉おちてしづめる心人知るらめや --源実朝『金槐和歌集』
- どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなの
幸 のために私のからだをおつかい下さい。 --宮沢献辞『銀河鉄道の夜』 - 心は場所や時には左右されぬ。/心には己の場所がある。そして心は自らのうちに/地獄から天国をつくり、また天国から地獄を作り出す。 --ジョン・ミルトン『失楽園』I,253-255.
- 人にはみな人に忍びないと思う心がある。……憐れみの心がない者は、人ではない。 憐れみの心は、仁であることの始まりである。--孟子
- 人皆な人に忍びざるの心あり。 ……惻隠の心なきは、人にあらざるなり。 惻隠の心は、仁の端なり。
- 敷島の大和心を人とはば朝日ににほふ山ざくら花 --本居宣長
- 阿波礼(あはれ)といふ言葉は、さまざま言ひ方は変りたれども、その意(こころ)はみな同じことにて、見る物、聞くこと、なすわざにふれて、情(こころ)の深く感ずることをいふなり。俗にはただ悲哀をのみあはれと心得たれども、さにあらず。すべてうれしともをかしとも楽しとも悲しとも恋しとも、情に感ずることはみな阿波礼なり。--本居宣長『石上私淑言』巻一
- つれづれなるままに、日ぐらし硯に向ひて、心に移り行くよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、怪しうこそ物狂ほしけれ。--吉田兼好『徒然草』
- 病を受くることも、多くは心より受く。外から来る病は少なし。--吉田兼好『徒然草』