ラフテー
沖縄県の郷土料理
ラフテーは、沖縄県の郷土料理の1つで、皮付きの三枚肉またはヒサガー(皮付きのもも肉)を泡盛や醤油で甘辛く味付けした料理であり、いわゆる沖縄風の豚肉の角煮のことである[1]。
ラフテー | |
---|---|
ラフテー | |
種類 | 肉料理 |
発祥地 | 日本 |
地域 | 沖縄県 |
提供時温度 | 熱料理 |
主な材料 | 豚肉 |
概要
編集琉球王朝時代からの保存食でもあり[2][3]、1か月ほど保存がきく[1]。中国料理の東坡肉と起源を同じくすると考えられており[4][5][6]、東坡肉と同様に皮を剥がさずに豚肉を調理し、肉に皮が付いたまま食する。この点で鹿児島に伝わった、豚肉の皮を剥いで調理する角煮と異なる[7]。
名称は中国語に由来し、漢字では羅火腿と書く[8]。ラフティーという表記も散見されるが、琉球語ではラフテーという読みが正しい[9]。
沖縄そばの具や、正月料理や法事の重箱に用いられる「三枚肉(の煮付け)」と同じような料理であるが、甘辛く濃い味付けで箸で切れるほど柔らかく煮込まれており、薄切りではなくある程度の大きさのある塊のまま[10]、独立した料理として他の具材とは合わせず単品で供される点が特徴である。
作り方
編集沖縄では、豚の皮つき三枚肉を使用することが一般的である。残った毛があれば直火であぶって焼き、塊のままおから(もしくは糠)を加えて下茹した後、肉塊を湯で洗う。これを切り分けてから、泡盛、醤油、砂糖(黒砂糖を用いることも多い)をあわせて煮汁とし、その中に入れて弱火で数時間煮込むが[2]、より味をしみこませるために2,3日かけて煮込まれることもある。また、味噌を入れる場合もある。
その後、冷まして煮汁の表面に固まったラードを取り除いたうえで煮返す。長時間煮込まれた肉は脂が抜けており、煮込み始めの時と比べて縮んでいる。盛りつけの時に針生姜を添えることもある。
脚注
編集- ^ a b 日本の食生活全集沖縄編集委員会編『聞き書 沖縄の食事』、p.53
- ^ a b 農文協編『九州2・沖縄』、p.174
- ^ 日本の食生活全集沖縄編集委員会編『聞き書 沖縄の食事』、p.324,328
- ^ 21世紀研究会編『食の世界地図』(文春新書, 文藝春秋, 2004年5月)、p.195
- ^ 日本の食生活全集沖縄編集委員会編『聞き書 沖縄の食事』、p.328
- ^ 西川『世界ぐるっと肉食紀行』、p.86
- ^ 西川『世界ぐるっと肉食紀行』、p.87
- ^ 首里・那覇方言概説 - 首里・那覇方言音声データベース
- ^ 語彙詳細 ― 首里・那覇方言 - 首里・那覇方言音声データベース
- ^ 上村一真 (2007), 旅で出会ったローカルごはん, 枻出版社, p. 274, ISBN 9784777908332
参考文献
編集- 西川治『世界ぐるっと肉食紀行』新潮社〈新潮文庫〉、2011年2月。ISBN 978-4-10-133353-3。
- 日本の食生活全集沖縄編集委員会 編『聞き書 沖縄の食事』農山漁村文化協会〈日本の食生活全集 47〉、1988年4月。ISBN 978-4-540-88007-0。
- 農文協 編『九州2・沖縄』農山漁村文化協会〈伝承写真館日本の食文化12〉、2006年7月。ISBN 978-4-540-06235-3。