「百萬」(ひゃくまん)は、観阿弥原作・世阿弥改作の能の演目。作中では、実在の舞い手ともされる主人公「百万」の芸が披露されるとともに、失った子を探す母の母性が描かれている。狂女物の代表的な作品とされ、演能記録が多く人気が高い。知られている最古の演能記録は寛正6年(1465年)3月9日。 四番目物、、に分類される。観世流、宝生流、金春流、金剛流、喜多流の五流派の現行演目。一場物。 「百萬」の大部分を引用して草子化した『百萬物語』が万治3年(1660年)に作られた。ほかに絵入り謡本(京都国立博物館に寄託)、絵入り本とほぼ同じ内容で16世紀に製作された絵巻(国立能楽堂に所蔵)が現存している。