『居杭』(いぐい、井杭)は、狂言の演目の一つである。「小名狂言」、あるいは「雑狂言」(大蔵流では「集狂言」)に分類される。題名は主人公の名と同一であるが表記が流派によって異なり、大蔵流では『居杭』、和泉流では『井杭』である。居杭(井杭)という人物が、清水寺の観音様に「隠れ頭巾」を授かり、姿を消して周囲の人々を翻弄する話である。 1593年(文禄2年)に、戦国武将である豊臣秀吉、前田利家、徳川家康が演じた狂言『耳引』(みみひき)であると推定されている。