寄生容量(きせいようりょう、英: stray capacity)は、浮遊容量(ふゆうようりょう)、漂遊容量(ひょうゆうようりょう)とも呼ばれ、電子部品の内部、あるいは電子回路の中、またモーターコイルなどの導体とフレームや外部筐体などの導体間、さらに電源ケーブルと床(大地)間など、それらの物理的な構造(導体‐絶縁体-導体の構成)に起因する、設計者が意図しない電荷を蓄えることができる容量成分のことである。長い電源ケーブルは特に大きな静電容量があり、大電流がスイッチング制御されるモーターやヒーターでは高周波の強いEMIが発生する為、対地間との寄生容量に大きな電荷が蓄積されることがある。金属の筐体を接地する目的は、人体を感電から守る保護接地が知られているが、誘導により蓄積する電荷を大地へ逃がす機能接地の役割も大きい。電磁波が発生しやすい素子を静電シールドし筐体へボンディングすることも、寄生容量の電荷を逃がす目的である。 インダクタ、トランジスタ、ダイオード、抵抗などの電子部品は、回路図の上では目的の機能のみを持つ理想的な素子として扱われる。しかし、現実の部品には本来の機能だけではなく、抵抗成分、容量成分、誘導成分などが必然的に現れる。

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  • 寄生容量(きせいようりょう、英: stray capacity)は、浮遊容量(ふゆうようりょう)、漂遊容量(ひょうゆうようりょう)とも呼ばれ、電子部品の内部、あるいは電子回路の中、またモーターコイルなどの導体とフレームや外部筐体などの導体間、さらに電源ケーブルと床(大地)間など、それらの物理的な構造(導体‐絶縁体-導体の構成)に起因する、設計者が意図しない電荷を蓄えることができる容量成分のことである。長い電源ケーブルは特に大きな静電容量があり、大電流がスイッチング制御されるモーターやヒーターでは高周波の強いEMIが発生する為、対地間との寄生容量に大きな電荷が蓄積されることがある。金属の筐体を接地する目的は、人体を感電から守る保護接地が知られているが、誘導により蓄積する電荷を大地へ逃がす機能接地の役割も大きい。電磁波が発生しやすい素子を静電シールドし筐体へボンディングすることも、寄生容量の電荷を逃がす目的である。 インダクタ、トランジスタ、ダイオード、抵抗などの電子部品は、回路図の上では目的の機能のみを持つ理想的な素子として扱われる。しかし、現実の部品には本来の機能だけではなく、抵抗成分、容量成分、誘導成分などが必然的に現れる。 また、プリント基板上において複数の導線パターンが近接していると、それぞれの導線を電極とする微少な容量成分が寄生容量となる。同じ現象は複数の配線が接近している場合にも発生する。フォトカプラで使用されるLEDはスイッチングノイズなどが素子内の寄生容量に誘導し、誤点弧することが知られている。その為、誤点弧に弱いモノリシック構造を改善した分離構造型のフォトカプラも開発されている。 (ja)
  • 寄生容量(きせいようりょう、英: stray capacity)は、浮遊容量(ふゆうようりょう)、漂遊容量(ひょうゆうようりょう)とも呼ばれ、電子部品の内部、あるいは電子回路の中、またモーターコイルなどの導体とフレームや外部筐体などの導体間、さらに電源ケーブルと床(大地)間など、それらの物理的な構造(導体‐絶縁体-導体の構成)に起因する、設計者が意図しない電荷を蓄えることができる容量成分のことである。長い電源ケーブルは特に大きな静電容量があり、大電流がスイッチング制御されるモーターやヒーターでは高周波の強いEMIが発生する為、対地間との寄生容量に大きな電荷が蓄積されることがある。金属の筐体を接地する目的は、人体を感電から守る保護接地が知られているが、誘導により蓄積する電荷を大地へ逃がす機能接地の役割も大きい。電磁波が発生しやすい素子を静電シールドし筐体へボンディングすることも、寄生容量の電荷を逃がす目的である。 インダクタ、トランジスタ、ダイオード、抵抗などの電子部品は、回路図の上では目的の機能のみを持つ理想的な素子として扱われる。しかし、現実の部品には本来の機能だけではなく、抵抗成分、容量成分、誘導成分などが必然的に現れる。 また、プリント基板上において複数の導線パターンが近接していると、それぞれの導線を電極とする微少な容量成分が寄生容量となる。同じ現象は複数の配線が接近している場合にも発生する。フォトカプラで使用されるLEDはスイッチングノイズなどが素子内の寄生容量に誘導し、誤点弧することが知られている。その為、誤点弧に弱いモノリシック構造を改善した分離構造型のフォトカプラも開発されている。 (ja)
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  • 寄生容量(きせいようりょう、英: stray capacity)は、浮遊容量(ふゆうようりょう)、漂遊容量(ひょうゆうようりょう)とも呼ばれ、電子部品の内部、あるいは電子回路の中、またモーターコイルなどの導体とフレームや外部筐体などの導体間、さらに電源ケーブルと床(大地)間など、それらの物理的な構造(導体‐絶縁体-導体の構成)に起因する、設計者が意図しない電荷を蓄えることができる容量成分のことである。長い電源ケーブルは特に大きな静電容量があり、大電流がスイッチング制御されるモーターやヒーターでは高周波の強いEMIが発生する為、対地間との寄生容量に大きな電荷が蓄積されることがある。金属の筐体を接地する目的は、人体を感電から守る保護接地が知られているが、誘導により蓄積する電荷を大地へ逃がす機能接地の役割も大きい。電磁波が発生しやすい素子を静電シールドし筐体へボンディングすることも、寄生容量の電荷を逃がす目的である。 インダクタ、トランジスタ、ダイオード、抵抗などの電子部品は、回路図の上では目的の機能のみを持つ理想的な素子として扱われる。しかし、現実の部品には本来の機能だけではなく、抵抗成分、容量成分、誘導成分などが必然的に現れる。 (ja)
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  • 寄生容量 (ja)
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