タラスク(フランス語: la Tarasque; ラテン語:タラスコヌス tarasconus 、タラスクス tarascus)は、フランス南部タラスコン市に発祥する伝説上の竜あるいは怪物。 同市が開拓以前だったローヌ川沿いの森林地に、出没しては人害を及ぼしたタラスクという竜を、中東聖地より訪れていた聖女マルタが鎮め、退治に成功したという12世紀の伝説がある。伝説は発祥地のフランス南部プロヴァンス地方のみならず、広くスペインなどにも伝搬している。怪物も、もとは中東小アジア(現今のトルコ)で生まれたとされる。 知名度の高い『黄金伝説』(13世紀)版「聖女マルタ伝」や異本に当該の竜退治説話が所収され、にも記載がみられる。竜であるが、半獣半魚でもあると『黄金伝説』に説かれ、偽マルケラ版『聖女マルタ伝』によれば獅子のような頭、一対の亀の甲羅、熊爪の足六本、蛇様の尾をもっていた。