ケトコナゾール(Ketoconazole)とは、真菌症の治療に使用されるイミダゾール系合成抗真菌薬の一つである。白癬、カンジダ症、癜風、脂漏性湿疹の治療に用いられる。日本で処方箋医薬品のみ軟膏と液剤のヤンセン ファーマ先発品ニゾラールが処方されているが、世界では、錠剤やケトコナゾール含有ふけ取りシャンプーが市販されている。 経口投与には通常、より毒性の低いトリアゾール系抗真菌薬であるフルコナゾールやイトラコナゾールが用いられる。2013年、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)は、ケトコナゾール経口投与後の肝障害の危険が服用の利益を上回ったと結論し、欧州連合でのケトコナゾール全身投与を禁ずる様勧告した。ケトコナゾールの経口薬は、オーストラリアで2013年に、中華人民共和国で2015年に販売が中止された。 ケトコナゾールの作用には、他に糖質コルチコイド(英)の生合成を抑制する作用があるので、抗うつ薬への応用の可能性について研究された事がある。