イチョウ(銀杏、公孫樹、鴨脚樹、学名:Ginkgo biloba)は、裸子植物で落葉性の高木である。日本では街路樹や公園樹として観賞用に、また寺院や神社の境内に多く植えられ、食用、漢方、材用 としても栽培される。樹木の名としてはほかにギンキョウ(銀杏)、ギンナン(銀杏) やギンナンノキ と呼ばれる。ふつう「ギンナン」は後述する種子を指す ことが多い。 街路樹など日本では全国的によく見かける樹木であり、特徴的な広葉を持っているが広葉樹ではなく、裸子植物ではあるが針葉樹ではない。 世界で最古の現生樹種の一つである。イチョウ類は地史的にはペルム紀に出現し、中生代(特にジュラ紀)まで全世界的に繁茂した。世界各地で葉の化石が発見され、日本では新第三紀漸新世の 山口県の大嶺炭田からバイエラ属 Baiera、北海道からイチョウ属の Ginkgo adiantoides Heer. などの化石が発見されている。しかし新生代に入ると各地で姿を消し日本でも約100年万前に絶滅したため、本種 Ginkgo biloba L. が唯一現存する種である。現在イチョウは、「生きている化石」として国際自然保護連合 (IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種 (Endangered)に指定されている。