HONEST

猫好き・植物好き・ラジオ好きの齢32歳。日々の学びや気づきを、ちょっとだけ得意な文章とイラストで自由に記録していきます。

12月27日 佇む人達

金曜日、

 

 

今日はリモート勤務。

CM用に撮影した動画の編集作業に立ち会うために朝から編集スタジオ入り。一日中かかるわけではないから、終わり次第普段の仕事に戻る。会社に戻るとなると、自宅を通り越すはめになるから、それであればスタジオ付近のワークスペースで仕事をしてしまおうということで、新橋エリアでリモート勤務。

考えてみたら、今日はもう27日。多くの社会人が仕事納めだと思うし、むしろ既に休みに入っている人も多いようで、訪日観光客ではない人が大きなキャリケースを転がして移動している状況に多数遭遇した。

それでもこのエリアでは、まだまだみんな普通に仕事をしていて、リモート会議をしている人もたくさんいる。年末とかお盆とか、そういうのがどんどん関係なくなってきていると思う。働いている側からすると、分散された方がありがたい。

そんなことを考えていたのは、本当に数秒で、気が付いたら集中して作業にのめり込んでいた。

時刻は午後7時45分。残りの作業は家でやろうと思い、ワーキングスペースを出て駅に向かう。大手町から帰りたかったから、丸の内エリアまで移動。

いつ見ても思うけど、このエリアは本当に夜が美しい街。立ち並ぶオフィスビルから漏れる明かりは残業の証。終わらない仕事と戦う人々と、外から見ると美しく見える光。このコントラストが個人的にはたまらない。

 

こういうビル群の1Fや地下1Fは、大体フリースペースになっていて、だれでも入ることが出来るようになっている。ベンチなんかもあって休憩もできる。

 

時刻はもう20時半になろうかというところ。この時間帯に、ポツポツとオフィスの1Fにあるベンチに座っている人々がいる。観光客ではなくて、服装を見るとスーツだから恐らく働いている人のようだ。冒頭にも書いたが、今日は12月27日の金曜日。普通なら早く帰るだろう。

決して暖房がしっかり効いているとは言えない空調整備の中で、座っている人が結構いる。

スマホをいじったり、居眠りしている人もいる。

「え、なんで帰んないんだろう」

そう思った矢先、あることを思い出した。

僕の会社にも、仕事はとっくの昔に終わっているはずなのに、永遠に帰らない社員がいる。なんなら18時半くらいから一時不在になって、21時前くらいに帰ってくる。駅ビルやら百貨店が多いエリアだから、どこでも時間を潰せるのは分かるけど、一体いつも何をしているんだろう、そう思ってしまう。

その彼の事を思い出した。

 

なるほど。

 

帰らないんじゃなくて、帰れないのかもしれない。だから帰りたくないのだ。

 

確かに、みんな仕事で疲れているというよりも、なんか精神的に疲れているような姿勢、後ろ姿をしていた。

 

仕事納めの日の夜に、丸の内のオフィスビル1Fのベンチで佇む人々。そこから感じ取れる苦労や絶望的なものを、ちょっと痛み分けしてもらったような気がした。

僕も将来そうなるのだろうか。

ちょっと想像すると怖いから、今は目の前のことに集中しよう。