ドミニオンの日々(はてなブログ)

カードゲーム「ドミニオン」について

後付けアタックと後付け防御について

簡易更新。

ドミニオンのおもしろルールについて。

 

 

他のプレイヤーのターン中にカードをプレイする方法

各種リアクションカードのうち、以下のものは「自身をプレイする」効果を持ちます。

海賊(5)、番犬(3)、進路(4)、織工(4)、隊商の護衛(3)、黒猫(2)、牧羊犬(3)、村有緑地(4)、鷹匠(5)、密航者(3)、地図作り(4)

これらは他のプレイヤーターン中であってもプレイできるわけですが、これらをハツカネズミの習性とすることで、ゲームの準備で選ばれたアクションカードをプレイすることができます。

またそのカードが家臣(3)かShop(3)ならさらに他のカードを、あるいはハツカネズミでなく「鼓舞する」なら手札にある他のアクションカードもプレイできますし、それによって薬草集め(3)とか急使(4)とか専門家(5)がプレイできるなら財宝カードだってプレイ可能です。

 

というのが前提で。

 

 

後付けアタック

上の方法で、相手のターン中にアタックカードをプレイすることは可能なんですが、そのトリガーとその効果とが嚙み合っている例をご紹介。

 

相手がカードを買ったとき:

  • こちらが封鎖(4)をプレイし、それと同じカードを獲得することで、相手は呪いを獲得する。
  • こちらが沼の妖婆(5)をプレイすることで、相手は呪いを獲得する。
  • こちらが呪いの森(5)をプレイすることで、相手は手札を山札に置く。
  • こちらが門番(5)をプレイすることで、相手はその買ったカードを追放する。

 

相手が拷問人(5)や辺境伯(5)などの「ドローするアタックカード」をプレイしたとき:

  • こちらがアタックに対するリアクションで隊商の護衛か番犬をプレイし、それにより役人(4)・幽霊船(5)・書記(4)・遺物(5)・フリゲート船(5)などをプレイすることで、相手の(実質)ドロー枚数を減らす、あるいはドロー後に手札を捨てさせる。

 

相手が身代わり(5)・傭兵(0*)・収税吏(4)・投石器(3)などの「手札を廃棄するアタックカード」をプレイしたとき:

  • こちらがアタックに対するリアクションで隊商の護衛か番犬をプレイし、それにより寵臣(5)、傭兵、射手(4)などのアタックカードをプレイすることで、相手は廃棄するカードに困る状況に。

 

 

後付け防御

相手がアタックカードをプレイしたとき(にこちらがアタックに対するリアクションで隊商の護衛か番犬をプレイすることで):

  • こちらが灯台(2)かチャンピオン(6*)をプレイすることで、そのアタックを防げる。
  • そのアタックカードがそのターンに初めてプレイするアクションカードであるとき、こちらが女魔術師(3)をプレイすることで、そのアタックを無効化する。
  • そのアタックカードが財宝カードであるとき、こちらが追いはぎ(5)をプレイすることで、そのアタックを無効化する。
  • そのアタックカードが財宝カードであるとき、こちらがOmenカードをプレイし、それによりEnlightenmentが有効化することで、そのアタックを無効化する。

 

Shadowカードの使い方 まとめ

 

基本的な考え方から、改めて考えてみます。

 

打ちたいときに

例えばデッキ総枚数が12枚で、うち2枚がNinja(4)であるとき、ここから5枚を引いて始めるターンと、その次のターンのそれぞれでNinjaを打つことができます。その後もデッキ枚数が増えるにつれNinjaを増やしていけば、毎ターン必ずNinjaを打ち続けることが可能です。

もしこれが民兵(4)なら。デッキ12枚のうち2枚が民兵であっても、2ターン連続で民兵を打つことができるとは限りません。打ちたいタイミングで打てるというのはそれだけで大きな意味を持ちます。

 

また、初手で改築(4)買って屋敷を廃棄しようと思ったら2周目で改銅銅銅銅を引いたという経験誰しもあると思いますが、Tanuki(5)なら屋敷引くまで待てますし、最後の金貨廃棄や属州の空廃棄で逃げ切るときでも、リシャッフル後に改築を引くことを待つ必要がありません。

 

そして女魔術師(3)を打たれたとき、手札に打ちたいアクションカードがあるなら、それよる前に何らかのShadowカードを「豚化」させることで対応できます。女魔術師があるならそれに対する保険として持っておくべきですね。

 

アクション数を気にしないShadowカード

チャンピオン(6*)をプレイ後、あるいはGreat Leaderが有効になった後はすべてのアクションカードが打ち放題になるわけですが、ならばShadowカードも打ち放題です。

Fishmonger(2)があればあるだけ金量とbuyが増え、他のアクションカードによって手札が減ったらRonin(5)で回復させ、という動きが可能になりますね。

 

習性として使うShadowカード

何らかの習性があるとき、Shadowカードの用途は通常のものと習性の2つから選択できることになります。いわば使い勝手が2倍になるということで。

単純に羊の習性があるなら+2金(手札5枚に加えて)ですし、村が必要なときに牡牛の習性として使うことも。

なお豚やラバなら+1アクションがつくため、デッキ内のShadowカードすべてをプレイすることができます。その枚数だけ、豚なら手札を増やし、ラバなら金量を出すことができます。

 

ところで航海に対してはどうなるの

航海(4)で得られる持続ターン中、手札は3枚までしかプレイできませんが、Shadowカードはそれに含まれるんでしょうか。

という疑問に対し、「デッキ内からプレイされたShadowカードは含めない。」という回答が。

forum.dominionstrategy.com

 

さらに補足すると、Shadowカードは含めませんが、その後手札から3枚のカードをプレイしてしまうと、「それ以上手札はプレイできない」ため、「手札にあるかのようにプレイできる」Shadowカードもプレイできなくなる、ということだそうです。

 

 

”無”をめくるとどうなるか 魔導士のルール変更について

魔導士(5)というカード、他のプレイヤーに対し「デッキトップのカード予想」をさせ、それが間違っていたら("If wrong")呪いを獲得させる、という効果なんですが。

 

では、もし山札も捨て札もなく、予想すべき対象のカードがない場合はどうなるんでしょうか。

 

マニュアルには何の記載もありませんし。

 

 

この問題に対し、ドナルドはDiscord上で一度裁定しています。

要約すると「呪いを獲得するという意味ではない」となります。これが2022年3月

 

しかし2022年5月、これを確認された際に以下のように答えています。

I don't remember that discussion, or if anyone made some great points during it. My initial reading today of Sorcerer is, that "wrong" means "not right" and if there's no card you are not right and so gain a Curse.

その議論のことも、その議論中に誰かが素晴らしい指摘をしたかどうかも覚えていません。今日時点での魔導士の解釈は、「間違った」は「正しくない」という意味であり、カードがなければ正しくないので、呪いを獲得するということです。

https://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=21240.msg891914#msg891914

カードがなければ、正しいカード名を指定することはできないから、ということだそうです。

 

にも拘わらず、Temple Gates版においてはこれに反し、呪いを獲得しない動きになっていると指摘されたドナルドは、2024年4月になってこれを覆しました。

No Curse. 

呪いなし。

https://forum.dominionstrategy.com/index.php?topic=21240.msg907332#msg907332

 

現状ではこれが正しいルールとされているようです。これでもう何度目かの、ドナルドによるひっそりとしたルール変更になります。

 

というわけで、ここまでの裁定の履歴は以下の通りです。

2022/3 Discord 「呪いを獲得する意味ではない」
2022/5 Forum 「Discordでの議論は覚えてない。呪いは獲得する」
2024/4 Forum

「呪いを獲得しない。他の投稿と矛盾するかどうかは確認してない」

僕らはいつでも気まぐれドナルドに振り回されっぱなし。

 

 

なお、ここで示されている、他の”無”を対象とした裁定について、以下にまとめます。

  • 魔導士と同様に、山札も捨て札もないときに女魔導士(5)をプレイすると、他のプレイヤーは呪いを獲得しない。
  • 巨人(5)または蛮族(5)をプレイしたとき、山札も捨て札もない他のプレイヤーは呪いを獲得する。
  • 手札がないときに賞金稼ぎ(4)をプレイしたとき、+3金を得られない。

負債トークンのルール変更について まとめ

以前にも書きましたが、Rinsing Sunのリリースに伴い、負債トークンの返済に対するルールが変更となりました。

 

旧ルール:負債トークンの返済は、自身の購入フェイズ中のみ可能

新ルール:負債トークンの返済は、自身のターン中ならいつでも可能

 

これにより何が起こるか、まとめました。

 

 

ギリギリまで返済しなくていい

これまでは購入フェイズ中に行っていた返済を、自身のターンが終わるまでならいつでもよくなりました。

なので、購入フェイズが終わるときにすぐ返済せず、クリンナップフェイズに入って次のターンの手札5枚を見てからでもいいわけです。

 

もちろんそこまで遅らせたところで得することはほぼありませんが、以下のような状況なら。

 

1負債を持ち、1金を余らせたまま購入フェイズを終え、クリンナップフェイズで引いた手札を見ると以下の5枚。

f:id:hirotashi-domi:20210829223144j:plainf:id:hirotashi-domi:20210829223144j:plainf:id:hirotashi-domi:20210829222835j:plainf:id:hirotashi-domi:20210829222835j:plain

Change(4)で+3金出せれば属州が買えるため、いま持っている1負債は返済しないままターンを終えた方がいいと判断できる。

 

二人戦で、1負債を持ち、1金を余らせたまま購入フェイズを終え、クリンナップフェイズで引いた手札を見ると8金出ることがわかる。

ところが相手のデッキには支配(6ポ)があり、そろそろ次当たり打たれそうなとき、この負債をあえて返さずにおいた方がよい、と判断できる。

(あるいは、手札を見て9金出たとき、この1負債は返しても返さなくても結果は変わらない。ならばあえて残しておくことで、相手に「支配しても8金出ないようにしているのか」と思わせることで、支配を打つことを躊躇わせることができるかもしれない。)

 

アクションフェイズ中に返済できる

以前にも書いた通り、負債トークンを持ったままアクションフェイズ中に闇市場(3)をプレイしても、闇市場デッキからカードを買うことができませんでしたが、今回の変更により負債を返済することができるようになりました。

また語り部(5)でも同様に、財宝カードのプレイとドローの間に負債の返済ができるのですが、こちらはあまり意味がありません。

 

金量が減る前に返済

たとえば4負債を持っていて、手札に銅貨が4枚あるときに救貧院(1)をプレイすると、これまでは4金得てすぐにその4金を失うため、意味はありませんでした。しかし今回からは4金を失う前に負債を返すことができます。その後銅貨4枚を公開してもそれ以上失うものはありません。

なお、同様のことはスーク(5)でも可能です。

 

夜フェイズ中の返済

最後に。

夜フェイズ中、+1金トークンが乗った人狼(5)をプレイしたり、あるいは人狼や吸血鬼(5)をApproaching Armyが有効であるときにプレイするなどして得た金量は、負債を返すのに使えます。

 

カメレオン乗組員

http://imgur.com/vQqRu8W.png

 

簡易更新。

 

乗組員(5)をカメレオンの習性として打てば、ドローはせず、代わりに+3金を得ます。

もし2枚の乗組員をこの方法で1枚ずつ2ターン連続で打てれば、以降は毎ターン+3金を得ることができます。

 

以下、一人回し。

  • 初手は、5-2なら乗組員‐パス。4-3なら銀貨-銀貨。
  • 以下、3金で銀貨、5金で乗組員を2~3枚、6金で金貨、8金で属州を買う。
  • 乗組員は基本的にカメレオンの習性として打つが、まだ1枚しか買っておらず、通常通りプレイしてももう1枚の乗組員を引かないのならデッキを回す目的でそうしてもよい。

 

この手順で、属州4枚または属州3公領2まで13.3ターンと出ました。

 

Biding Time考

Biding Time
Prophecy


あなたのクリーンアップフェイズの開始時、手札を裏向きにして脇に置く。あなたの次のターンの開始時、それらのカードを手札に入れる。

 

使わずに手札に残ったカードを次のターンに繰り越しされるProphecy、Biding Timeについて考えてみます。

 

脇に置かれるのはどんなカードか

Biding Timeが有効化された後、クリンナップフェイズで捨てられるのは場にプレイされたカードだけ、つまり「使われたカード」であり、使われず手札に残ったカードは脇に置かれるようになります。原則として「強いカードが捨てられ、弱いカードは脇に置かれる」と考えれば、この後デッキに弱いカードは混ざらなくなるため、デッキは自然と強いカードの濃度が上がり、何もしなくてもデッキは強くなる、と考えることができます。もちろんそれは自分だけでなく、他のプレイヤーも。


金量調整としてのBiding Time

単純な話、例えば9金出たときにそれらすべてをプレイして属州を買うより、銅貨1枚を手札に残しておけば、次のターンに銅貨を繰り越すことができます。
これは7枚目の属州が買えずに公領を買って粘るとき、あるいは16金は出るものの+購入を出すカードが引けなかったときなどに、次のターンでの逆転終了を狙うための金量調整にも役立ちます。


安定のためのBiding Time

例えば村(3)と鍛冶屋(4)でデッキを引ききるとき、引ききった後にまだ手札に村と鍛冶屋があるのなら、次のターンにこの2枚が入ることが確定します。タダでいくらでも保存(1)させてもらえるようなものですね。

 

事実上のデッキ圧縮

Biding Timeによって脇に置かれたカード、屋敷や属州が増えても引きさえすればそれは脇に置かれ、次のターンに山札に入ることはありません。寵臣(5)のような手札を捨てることをしないのであれば、その後増えた属州も、あるいは相手に撒かれた呪いもデッキの邪魔をすることはありません。

 

手札増加としてのBiding Time

勝利点や呪い、廃墟などが多く含まれるデッキを回していると、それらはプレイされずに脇に置かれ、ターンを経る度にどんどんそれらの数は増えていくため、毎ターンとんでもない枚数の手札を持つことになります。
この手札枚数を活かす方法としては、例えば地下貯蔵庫(2)で大量に手札をチェンジをするとか、工匠(5)で8枚捨てて属州を取るなど、手札の内容でなく枚数が価値を持つような使い方が考えられます。


Biding Timeで脇に置かれることで起こること

その他、脇に置く=デッキに混ざらないということによって起こることを箇条書きで。

  • 堀(2)や災いを公開できない
  • 老魔女(5)や総督(5)打たれても呪いが廃棄できない
  • 黒猫(2)や牧羊犬(3)など、自ターンでないときに打つためのカードが打てない
  • 寄付(8d)で呪いが廃棄できない。

 

寄付+スーク

f:id:hirotashi-domi:20210128135649j:plain

 

簡易更新。今日の寄付。

 

通常の寄付(8d)ステロは属州3枚までだいたい9ターン(銀寄パ金金寄属属属)ですが、初手5金でスーク(5)を買うと1ターン早くなります。

 

 

ターン 購入 デッキ内容
1 スーク 銅銅銅銅銅銅銅屋屋屋ス
2 寄付 銅銅銅銅銅銅銅屋屋屋ス
3 (銅貨7屋敷3を廃棄して)返済
4 金貨 ス金
5 金貨と銀貨 ス金金銀
6 属州 ス金金銀属
7 属州 ス金金銀属属
8 属州 ス金金銀属属属

 

第5ターンの銀貨、買わなくても第8ターンまで確定しますが、第9ターン以降に8金を出しやすくするためには買った方がいいでしょう。