かばんのほつれを修理する方法はある? リペアのプロが教える!応急処置とは
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※写真はイメージ

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- REFINE
かばんを使っていると、かばんの縫い合わせ部分であるステッチが、ほつれてくることがありますよね。
ほつれを放置すると、かばんの傷みが進んでしまいます。
ほつれはどのように修理すればいいのでしょうか。また、自分で修理できるのかも気になりますよね。
東京都港区にある、かばん・くつのリペアスタジオ『REFINE(リファイン)』のリペアコンシェルジェの大島裕樹さんに取材しました。
かばんの『ほつれ』ができる理由
大島さんの話では、ほつれができる原因は主に以下の3つだそうです。
1.ステッチの端からほつれる。
2.糸が摩耗して緩む(あるいは切れる)。
3.開閉などによって緩む。
また、その製品の『糸始末の悪さ』もほつれの原因になるとのこと。
「縫製がよい・悪い」ともいいますが、安価で大量生産の製品の場合は糸始末がよくなく、これによってほつれが起こることがあるそうです。
例えば、有名なブランドのかばんでは、熟練の職人が担当して糸始末がよい製品になっており、容易にほつれたりしません。
検品もしっかりしていますから、糸始末の悪い製品が出てくることもほとんどないのです。
ブランドの価値を守るための製品になっているので、『いいかばん』といわれるわけです。
また、ほつれがなるべくできないようにするには「縫い合わせ箇所に負荷をかけない」「糸自体を摩擦させない」など、使用を制限されることから、基本的に『防ぐ方法はない』と考えたほうがいいですね。
また、持ち手部分など力が掛かりやすいところのステッチは、ほつれやすくなるとのこと。
開閉したり、物を入れたりすることにより、どうしてもかばんの各パーツに負担が掛かります。
この負担がほつれの原因になるので、ほつれを絶対に起こさせないということはできないのです。
ほつれを自分で修理する方法
では、ほつれが生じたら、どのように対処すればいいのでしょうか。
ネット上では『糸の端をライターであぶって止める』『瞬間接着剤で止める』といった対処法を見かけることも。
しかし、大島さんの話では「両方ともあまりおすすめしない」とのことでした。
かばんに使われている糸はほとんどがポリエステルで、ライターを使うとパッと火が付いて、生地を傷めることがあります。
生地が革の場合、せっかくのよい革が傷付く可能性があるので、かばんに直に火を近付けるのはあまりおすすめしません。
また、瞬間接着剤は硬化すると硬く、白くなります。うまく使えればいいのですが、そこだけ見た目が変わったり、肌触りが硬くなったりする可能性があります。
※ただしプロのリペア職人でも『火』『瞬間接着剤』を使うことはあるそうです。
続けて、大島さんからこのようなケースも教えてもらいました。
リペアのお申し込みがあって、「これ直るでしょうか」と持ち込まれたかばんに、自分で瞬間接着剤を使って直そうとした跡があるといったケースもあります。
瞬間接着剤がべたっと白くなっており、「これは革を張り替えないといけません」となることもあります。
おすすめの『ほつれ』修理方法
では、「自分で応急処理というのはできないのか」というと、そうでもありません。
大島さんにおすすめの方法を紹介してもらいました。
瞬間接着剤の代わりに『ピケ』という修理液を使ってみてください。
『ピケ』は『ほつれ止め』で使われる布用のボンドです。
糸のほつれがあったら『ピケ』を少量取り、穴をあけるための道具である『目打ち』を使って、ほつれた糸を穴に押し込んで止めます。
『ピケ』を使うと、瞬間接着剤のように白く硬化せず、糸を止めることができます。
もし「瞬間接着剤で修理しようと思うなら、『ピケ』を使うのがおすすめです」とのこと。
ただし、これはあくまでも『ほつれ』の応急措置です。
かばんの使い方によっては、ほつれからステッチがひどくほどけて、かばんが分解するまでにいたることもあり得ます。
『REFINE』では、以下のようにかばんの状態を写真に撮って『LINE』で修理見積もりを依頼できるとのこと。
ひどい状態になってしまったら、無理に自分でなんとかしようと思わずに、プロに任せてみてはいかがでしょうか。
[文/高橋モータース@dcp・構成/grape編集部]