ニーナの重要性
終盤に入って株が急上昇しているニーナ・アインシュタイン。フレイヤに関する技術の第一人者であり、アンチフレイヤ兵器を開発できるおそらくは唯一の人材。もしシュナイゼルがフレイヤの技術を独占しようと考えていたならば、彼女を敵地に置き去りにするなんて言うことは考えられないミスなんですよね。作中では結局ルルーシュがニーナを回収することになりましたが、そうでなくても他の国家、組織がフレイヤの技術を得るために彼女の身柄を確保しようと動くのは当然の成り行きなんですよね。
“ルルーシュを消し去ったシステムとなれば、様々な組織が喜んでフレイヤを作ってくれるだろう”
24話でのセリフでも匂わせていますが、シュナイゼルの真の目的がフレイヤ技術の拡散にあったんじゃないかというのが伺えますね。少し考えていたものとはずれましたが、その目的が冷戦構造の創出にあったというのは、あながち間違ってはなかったかなと思っています。
作中でそのシュナイゼルの“今日を続ける”考えを否定し、ルルーシュがその先―“明日を求める事”を肯定するというのは予想外ではあったのですが、それは嬉しい誤算ですね。21話でルルーシュがたどり着いた答え、それをしっかりと自分のものにしていたと言うことですから。
ニーナが背負っているもの
話をニーナに戻します。かつてニーナはその復讐心を満たすためにフレイヤの開発に打ち込み、それがどのような惨劇を産み出すかについて深く内省することなく、その力の行使を許してしまった。ニーナにとってのフレイヤは、ルルーシュにとってのギアスの力と合わせ鏡なんですよね。その自ら背負った罪を購うため、仇敵であるゼロ=ルルーシュと手を組む、その決意もまたルルーシュの心の遷移の反復になっているんです。そしてフレイヤの力を無効化するという目的の最終段階を、他人に…憎んだ相手であるルルーシュとスザクに託すことになる。それは
“世の中には自分一人では出来ない事もある”
ことを受け入れることでもあるんですよね。
“俺とスザク、2人が手を組めばできないことはない、そのはずだった”
そう考えると、23話の予告編でのセリフがまた違って聞こえたりもします。