Metaが初の自社製AIトレーニング用チップを試験的に導入、生産体制もすでに整備中か

大規模言語モデルのLlamaなどを開発するMetaが、AIのトレーニング用に初の自社製チップを試験的に導入したとロイターが報じています。AIトレーニング用のチップはNVIDIAが大きなシェアを占めていますが、自社製チップを投入することはMetaがNVIDIAへの依存を減らすためにも重要なステップとなります。
Exclusive: Meta begins testing its first in-house AI training chip | Reuters
https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/meta-begins-testing-its-first-in-house-ai-training-chip-2025-03-11/

Meta is reportedly testing its first RISC-V based AI chip for AI training | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/meta-is-reportedly-testing-its-first-rsic-v-based-ai-chip-for-ai-training
Metaは以前から「MTIA」をはじめとする自社製AI向けチップの開発を行っており、自社製カスタムチップを2024年後半から自社データセンターに導入する計画を進めていることが報じられていました。
Metaが2024年後半に独自設計のAIプロセッサ「Artemis」を自社データセンターに導入することが明らかに - GIGAZINE

ロイターに関係者が語ったところによると、今回導入されているのはAI専用のアクセラレーターで、Metaが独自に開発したもの。このチップはAIのタスク処理に最適化されていることから、GPUを使用するよりも電力効率は高くなっている可能性があるそうです。Metaは自社製チップを試験的に導入しており、テストがうまくいけば大規模使用に向けてチップの生産を拡大する予定だとロイターは報じています。
今回の試験的導入は最初の「テープアウト」を終えた後に開始されたと関係者は証言しています。これはチップの設計情報がTSMCの製造工場に送られたこと、すなわちチップの設計から製造にステップアップしたことを意味します。
通常、テープアウトには数千万ドル(数十億円)の費用がかかり、完了には約3~6カ月がかかるそうですが、それでもテストがうまくいくかどうかはわかりません。もし失敗した場合、Metaは再度設計を見直し、テープアウトをやり直す必要があります。

ハードウェア関連ニュースサイトのTom's Hardwareは、「MetaとBroadcomとTSMCの共同体制の下、RISC-Vアーキテクチャベースで開発される業界初のAI用アクセラレータ」になる可能性があると指摘。「Metaが開発したアクセラレータはNVIDIAのH200やB200、あるいは次世代のB300などと競合するレベルの高い電力効率を示す必要があります」と述べ、この目標を満たせばNVIDIA製チップへの依存度を大きく減らすことができると論じました。
なお、ロイターはMetaとTSMCにコメントを求めましたが、両社ともコメントを控えたそうです。
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in ハードウェア, Posted by log1i_yk
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