ウェブ業界で流行しているフラットデザインの利点と欠点
Windows 8のUIやGoogleのアイコン、Appleの新しいiOS7、さらにはFirefox 23のアイコンにまで使われているフラットデザイン。そんなフラットデザインがインターネット上で流行しているのかどうか、このデザインの特長は一体どういった点なのか、ということを実際にウェブ業界で働くプロ100人に対して調査したレポートが公開されています。
Flat Web Design Is Here To Stay - The Usabilla Blog
http://blog.usabilla.com/flat-web-design-is-here-to-stay/
調査はウェブ業界で働くプロフェッショナル100人に対して行われました。調査対象者の職業は以下の通りで、ウェブ業界で働く人々をまんべんなく調査しています。
調査の参加者にフラットデザインについて最初に思い浮かぶ単語を尋ねると、以下の画像にあるものが出てきたそうです。この中でフラットデザインに共通して持たれているイメージは「Simple(シンプル)」「Clean(きれい) 」「Colorful(カラフル)」「Modern(現代的)」「Boring(たいくつ)」の5つ。
フラットデザインの利点としては「明瞭さ」「使いやすさ」「現代的な見た目」「効率的なレスポンシブデザインである」「ウェブページのロード時間が速い」が、欠点としては「これまで慣れていたウェブデザインと違うという点」「実行するのが難しい」「クリック可能か分かりづらい」「退屈なデザイン」「個性の欠如」などが挙げられました。
By Intel Free Press
流行しているかどうかという問いには、調査対象の68%の人たちが「流行している」と回答。
さらにrdio、Wistia、LayerVault、Windows Phoneという4つのサイトについて、「デザインの中で注意を引くもの3つ」「デザインの中で好きな部分」「デザインの中で変更したい部分」をそれぞれクリックしてもらい、これらの理由を説明してもらうという実験が行われました。
実験の結果、rdioのウェブデザインは、ロゴやページ中央のイメージに注意を引かれてのクリックが多く、理由としては全体的にカラフルなデザインが目を引き、それに対してロゴ周りがシンプルなのでそこも目を引く、とのこと。
Wistiaはきれいでカラフルですが退屈で混乱してしまう、という評価。
LayerVaultは現代的なデザインですが、まだまだ改善の余地があると考えられているようです。
Windows Phoneのウェブサイトでは、50もの違う箇所を被験者がクリックしており、その内35個のみが実際にクリック可能なリンクだったようです。これはユーザーがリンクだと考えているものの約30%はただのテキストだったりイメージだったりする、ということ。他の3つのサイトでも似たような確率でユーザーにリンク以外の部分をクリックされており、数値はそれぞれWistiaでは33%、rdioは38%、Layer Vaultが16%。
これらの調査結果から、フラットデザインが明瞭で現代的で現在ウェブ業界で流行しているデザインでありながら、個性や刺激が少なく「どこをクリックしていいかわかりづらい」という欠点を持っていることがわかります。より単純にわかりやすくデザインしているはずのフラットデザインの影響で、ユーザーがページのどこをクリックしていいかわからなくなっているというのはなんとも皮肉な話。
もしもGoogleマップがフラットデザインになるとこんな感じになるのでは、というウェブページがあるのですが、こうなってしまうと本当に必要な情報をGoogleマップから読み取ることはもはや不可能な気が……
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