犬の落とし物のDNA鑑定でマナーがなっていない飼い主を特定するサービス「PooPrints」
公共の場所で犬の散歩をする際にビニール袋やティッシュを持参したり、散歩前に犬の用便を済ませておくことは愛犬家のマナーですが、公園や街を歩いていて犬の「落とし物」に遭遇し不快に思ったり、気付かずに踏んでしまって気分を害された経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか?
そんな「落とし物」の主をDNA鑑定によって特定するサービスがアメリカで登場しています。
詳細は以下から。BioPet Vet Lab - PooPrints
テネシー州ノックスビルのBioPet Vet Labは、飼い犬がどういう犬種の血をひいているかというルーツを探るためのDNA鑑定や、ペットが亡くなった時にクローンを作りたいという飼い主のためにDNAを長期保存するサービスなどを主に提供する会社なのですが、放置された犬のふんに含まれる細胞からDNAを採取し、ふんの主を特定するというユニークなサービス「PooPrints」を2008年10月に開始したそうです。
この「PooPrints」が最近になってボルチモアの高級コンドミニアムScarlett Placeで導入が検討されているということが新聞やテレビ、ネットなどで大きく報道されたため、話題を集めています。
「PooPrints」ではまず導入するコミュニティ(町内会など)で犬を飼っている住民全員が、BioPet Vet Labを通じて飼い犬のDNAをDNA World Pet Registryというデータベースに登録します。専用キットを取り寄せ犬のほおの内側を綿棒のようなものでこすってサンプルを採取し、郵送するという手順のようです。
地域で飼われている犬のDNAが登録された後は、発見された犬の「落とし物」のサンプルをBioPet Vet Labに送ると、登録されているDNAと照合することにより誰が飼っているどの犬のものかが特定できるというわけです。
すでに住宅街などの住民グループでこのプログラムを導入し、「落とし物」の数が減ったというところもあるとのこと。DNA鑑定で「犯人捜し」というと住民同士が険悪になるのではと懸念されるかもしれませんが、このプログラムではふんが放置された際の犯人捜しより、「放置すれば犯人と特定される」と飼い主に意識させることによりマナーを向上させようという抑止力の方に主眼が置かれているようです。それぞれのコミュニティで、犬のふんを放置した飼い主に対する罰金などのペナルティをプログラム導入時に決めておくケースが多いようですが、それもまた抑止力となるのではないでしょうか。
ちなみにBioPet Vet Labによると、アメリカでは現在約7500万匹の犬が飼われていて、飼い主の2人に1人が公共の場所で犬の散歩をし、そのうち40%がふんを拾わないとのこと。それぞれの犬が1日1回排便するとすれば、一日にアメリカ全土で1500万個もの「落とし物」が発生しているわけです。
DNA鑑定と聞くと大げさすぎる気がするかもしれませんが、後を絶たない犬の「落とし物」に閉口していて我慢の限界という住民にとっては悪くない投資なのかもしれません。
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