『月刊Hanada』の「緊急アンケート」
田中 先月も触れたように、家庭連合=統一教会会長の田中富広が7月11日午後に一方的な弁明会見を開くまで、「暗殺」から丸3日間も固有名詞を出さずに「とある宗教団体」の表現で忖度する一方で、250以上の国・地域・機関が1700件を超える弔電を送ってきたと政府広報係を務めていた新聞やTVも、最近では「国葬」反対が賛成を上回ると世論調査の結果を伝えている。産経新聞が8月20日、21日に実施した世論調査でも反対51%、賛成40%。政権維持の為に法的根拠のない「国葬」をぶち上げたと国民の多くに見透かされてしまったんだね。
ところが往生際の悪い面々は、「『反対』が79・7%で『賛成』の4倍以上」と『文春オンライン』が報ずるや、メールマガジン登録者を対象に実施した「公正さ」を欠く数値だと脊髄反射ツイート。
対抗して『月刊Hanada』が「嘘偽りなき愛国者の国葬緊急アンケート」を8月17日早朝からツイッター上で始めると、スタート当初は僅か2%だった「国葬」反対派が過半数を占めてしまう勢いに。しかも7日間で投票総数が60万票を突破。花田紀凱(かずよし)編集長の古巣の文藝春秋の回答者2981人よりも母数は遙かに多い。
でもね、SNSという単語が使われる遙か前に筑紫哲也が述べたように「インターネットは便所の落書き」(苦笑)なんだから、柳に風で泰然自若とやり過ごしてこそ太っ腹な「真の保守」だぜ。
なのに、「香山リカ、東ちづる、松尾貴史、ラサール石井も参戦!皆さま、是非ご投票下さい!」と連続ツイートで賛成派に蜂起を促し、「動員がかかって(賛成派が)再逆転しているようです」と松尾が呟くと「松尾貴史さま 再逆転されて悔しいのはわかりますが、デマはおやめください。 まだ投票されていない皆様、ぜひ、ご投票ください!」「51万票を超えました。Twitter史上最大規模ともいわれておりますこのアンケートは、どなたでもご投票頂けます。是非ご参加下さい。」1人一票とは限らぬツイッターの「アンケート」なのに全力投球。
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結果は「賛成51%・反対43%・どちらともいえない6%」。他の世論調査と異なり辛うじて賛成が過半数。そこにぶら下がるツイッタラーの膨大な「賛成」「反対」押し問答を眺めると、両陣営共にエネルギーを投下する場所が他に見付からない日本の哀しさを体現しているね。
三浦瑠麗が「大喪の礼」を「たいそう」でなく「たいも」と、したり顔で誤読したのを、事前収録にも拘らず撮り直しせずに「ワイドナショー」で流した天下のフジテレビにも話題が集中した。
“ポスト田﨑史郎”を目指している古市憲寿に至っては、「政治家って票集めの為なら何でもする人達で、当然宗教団体とも付き合うし、他の組織とも付き合う」と擁護。「あまりに統一教会批判がヒートアップすると容疑者の思う壺だ」とアクロバティックな妄言まで吐いて、さしもの「ワイドナショー」で泉谷しげるに「なに言ってんだ、こいつ」と一刀両断される始末。
「フランスはある種、戦前の日本に似ているが国家が宗教を付き従えている。一方でアメリカは宗教的自由を重んじる。日本はどっちを目指すのか。統一教会だけをバッシングしても生産性がない」という支離滅裂な発言に至っては、ただでさえ地盤沈下中の「社会学者」のイメージを更に自ら貶(おとし)めてくれた。天晴れだ。