統一教会の「名称変更」問題に潜む文科省の「歪んだ行政」

霊感商法の消費者被害

旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治の関係が問題視されているが、いわゆる霊感商法に対する規制はどうなっているのか。

政治と宗教の関係は信教の自由(憲法20条)に由来する。政教分離原則とは、信教の自由保障を実質的なものにするために、国及びその機関が宗教に介入し、または関与することを禁止するものである。

一方、宗教団体が政治的活動をすることは憲法上排除されていない。国及びその機関が宗教に介入・関与することがいけないのであって、政治家でも閣僚などの政府の人間であれば注意すべきであるが、一般政治家が宗教と関係を持つことまで禁止していない。というものの、その関係性について懸念を持たれることは、政治家として避けたほうがいいだろう。

旧統一教会の合同結婚式 Photo by GettyImages旧統一教会の合同結婚式 Photo by GettyImages

かつて、といっても50年以上昔のことだが、旧統一教会は政治団体「国際勝共連合」を設立し、反共産主義団体としても知られていた。その後、1980年代には旧統一教会の霊感商法が社会問題化する。

むしろ問題はこれだ。その点について、立憲民主党は7月22日、消費者部会(部会長・吉田統彦衆院議員)会議を国会内で開催し、紀藤正樹弁護士から、旧統一教会等による霊感商法の消費者被害について話を聞いている。

立憲民主党のホームページには、《日本では規制がなく、誰も咎めないことから放置されてきたことなども問題視しました。》《1999年奈良地裁の判決以後、政治行政がしっかり対応していれば今回の事件をも防ぐことができたのではないか》という記載があったが、本当だろうか。

近年、霊感商法については、様々な前進があった。いわゆる「消費者裁判手続特例法」が2013年に制定され、16年10月から施行された。

消費者が企業(事業者)から何らかの財産的被害を受けた場合、自らその被害回復を図るためには、これまでは自力で事業者を相手に交渉するか、訴訟を提起する必要があった。しかし、消費者契約に関する共通の原因により相当多数の消費者に生じた財産的被害の集団的な回復を図ることを目的として、本法が制定された。いわゆる日本版クラスアクションだ。ここには、霊感商法の被害も含まれる。

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