2022.01.05
# ビジネス

すしざんまいの初競り「ライバル」が、「1番マグロ」にこだわらない理由

お客さんのオファーに応えたいだけ

新型コロナウイルスの第6波への警戒が続く中、年明け5日に新春の風物詩となった東京・豊洲市場(江東区)の初競りが行われた。かつては青森県大間のマグロに1本数億円の超高値が付けられ、世界中から注目される行事となった。自粛ムードも漂う中、今年のスタートはどうだったか――。 

同日早朝、緊張感がみなぎる同市場のマグロ売り場には、200本を超える天然国産生マグロがずらり。市場関係者が入念にマグロを下付け(品定め)している姿が、通常とは違い「新たな年のスタート」を印象付けた。  

午前5時10分、競りが始まると、あっという間に1番・青森県大間産のマグロ(211キロ)が落札された。競り値は1キロ当たり8万円で、1本1688万円。昨年(2084万円)に比べ2割安。6年ぶりに2000万円を割る控えめなスタートとなった。昨年に続き、競り落としたのは同市場の仲卸「やま幸」だった。

築地市場時代から初競り1番で億単位の値も付けられてきた大間のマグロ(市場関係者提供)
 

かつては「やま幸」の独壇場だった

旧築地市場(中央区)を含め、過去10年の初競りをみると、2012年から昨年まで、すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村の木村清社長が8回、18年と昨年の2回は豊洲・仲卸「やま幸」の山口幸隆社長(59)が、それぞれ1本当たり最高値のマグロを落札している(1キロ当たり単価では18年の喜代村が最高値)。

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