カラスにせまる勢い…東京で増え続ける「ワカケホンセイインコ」のヤバすぎる戦闘力
いま、東京の上空では異変が起こっている。長きにわたり「都市鳥界」のトップに君臨してきたカラスに迫る勢いで、ワカケホンセイインコが増え続けているというのだ。
もともとはペットであったこのインコが、なぜ野生化しここまで増えてしまったのか、そしてこれ以上増え続けたらどんな被害が起こるのか…? 前編の「東京でいま「巨大インコ」と「カラス」のヤバすぎる「縄張り争い」が勃発している…!」の引き続き、専門家が警笛をならす。
人間は見下されている
そもそも、東京のインコはなぜカラスと競合するまで増殖してしまったのか。帰化鳥類研究会代表の日野圭一氏が語る。
「ワカケホンセイインコはインドやスリランカが原産の鳥で、'60年代後半から'70年代にかけてのペットブームに乗じて日本へと入ってきました。
しかし、'69年にワカケホンセイインコを輸入、運送していた業者のコンテナが東京都内で壊れるという事故がありました。そこから、100羽近い数の個体が逃げ出してしまったのです」
彼らは原産国に似た温暖な気候を好む一方、ヒマラヤなど標高の高い地域でも生きながらえることができる。平均寿命は20年以上と長生きするうえ、繁殖力も極めて強い。
実際に、つがいでインコを購入した人たちが、次々と卵を産んで数を増やしていくのに嫌気がさし、飼育放棄して密かに放してしまった例も少なくないという。
放された個体と逃げ出した群れが合流し、インコは着々と繁殖していく。東京都内には天敵のタカ、フクロウなど猛禽類が少ないことも好条件だった。