2021.09.09
# 中国 # 人民元

中国で「反日ネット炎上」が続発している事情…いま中国人に起きている大変化

日本製より、中国製が好まれる現実

「日本風テーマタウン」に批判殺到

1000億円をかけて、京都の街並みを中国に再現する。

やりすぎ感あふれるテーマタウン、その名も「盛唐・小京都」が8月25日、遼寧省大連市にオープンした。コロナ禍で日本旅行にいけないかわりになる……というわけでもないだろうが、現地報道によると多くのお客が集まり、上々のスタートだったようだ。

「盛唐・小京都」内の建物[Photo by gettyimages]
 

ところが1週間もたたずして、地元政府の指示により、一時休業に追い込まれた。理由の説明はないが、インターネット上での批判が原因のようだ。

「大連といえば、かつて日本がつくった満州国の一部であった。そんな場所に日本風の街並みを造るなど許されるのか」

「日本企業しか出店できず、売られているのも日本商品ばかりではないか」

「江蘇省蘇州市や無錫市に続いての日本風ストリートか。このままだと、中国はどんどん食い荒らされてしまう」

「自国の文化をもっと愛するべきではないのか」

こうした批判が続出した。日本商品しか売っていないのは誤解だと地元当局は否定。報道によると、中国の伝統衣装や中国茶の店もあるほか、飴細工など中国伝統文化のパフォーマンスもあったという。

しかし、一度燃え上がった批判は止まらず、この施設は一時休業に追い込まれてしまった。再開は未定だ。「918」(満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた9月18日を指す)が過ぎるまではじっとしているほかない。いや、10月1日前後の建国記念日休暇が終わるまでは無理だろう。ひょっとして12月13日の南京大虐殺犠牲者国家追悼日まで難しいのではないか。日本色を弱める改装が終わるまでは厳しい……といった噂が飛び交っている。1000億円投資の大プロジェクトの行方は、混沌としている。

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