「エホバの証人」元信者が体験した「洗脳された人」の現実味のヤバさ
『ポケモン』がサタンって、マジかよ…!教団を脱退した二世は何が辛いのか
前回の記事では、私の人生における「ブタカード」について書いた。母親を筆頭に、親族全体が「エホバの証人」という教団に洗脳されていった話だ。
周りからは「とてもおもしろかった」と言っていただいたのだが、驚いたのはハワイに住んでいる母親からの電話。
「あなたの記事とてもおもしろかったわよ。でも、お母さんのことを書いているのは気に食わなかったな(笑)」
えっ…!? ここで私は目が点になった。というか、どう返していいか言葉が出てこなかった。(この話ってあなたありきじゃん。お母さんの話なかったらこの話は成立しないでしょう……)と心の中のツッコミを口に出したかったが、あっけらかんとしている母親に何も言い返せなかった。
この話を周りにしたら「のりさんのお母様って天真爛漫で幸せな方ね〜」と一同爆笑。現にうちの母親と話していると、過去に佐藤家一族を巻き込んだ「あの生活」はどこ吹く風といった感じだ。
とはいえ、私自身もこれが原因で長年の苦労を強いられてきたわけで、このネタはしばらく遠慮なく使わせていただくことにする。
記事が出てからもう一つあったのは、「記事を読んだ」というエホバの証人二世からのメッセージだった。この場合「二世」というのは親を1世代目とし、信者の子供を指す。日本においてエホバの証人が急激に伸びたのは80年代なので、二世というと今は40代の方が多い。
「エホバの証人」を20代の時に抜け出したものの、教団に入っている親とは絶縁状態にあったり、親から逃げている人も多い。今では信者でない人と結婚して子供もいるけれど、昔のトラウマをなかなか拭えない。
いまだに脳裏のどこかで「やはり神に対して罪を犯しているかもしれない」という罪悪感を持ち続けているという人もいる。というのも、宗教から抜け出る時の本人の精神状態は、「ほぼ壊れている状態」にあるからだ。
信仰を疑えば「サタンに惑わされているのよ」と親と信者仲間から猛烈な洗脳攻撃を受ける。そのプレッシャーを振り切れば、自分が知っている唯一の共同体から村八分にされて家族からは絶縁される。
私の友達も教団を抜け出たが、教団は親に脱退した子供とは接触しないようにという指示を明解にだしている。サタンに魂を売るような子供と接触すると、親も信仰が揺らいでしまうからだ。そんな「掟」から教団を抜け出して10年以上親と話していない人も多い。