2014.01.30

選ぶべきは「日米同盟の強化」!米国が日本より中国を選ぶ現実を前に、国連憲章に基づく「集団的自衛権見直し」は当然だ

1月24日の施政方針演説で、集団的自衛権の行使容認について「対応を検討する」と述べた安倍首相[PHOTO]Bloomberg via Getty Images

ことしの大テーマの一つは集団的自衛権の見直し問題である。

安倍晋三政権はできれば6月下旬までの通常国会会期中にも憲法解釈を変更して、行使容認に踏み切りたい意向だ。一方、日本共産党は言うに及ばす、民主党は見直しに反対する勢力が多い。与党でも公明党は慎重だ。この問題をどう考えるか。

見直し反対論は国連憲章に反している

まず、意外によく知られていない話から書こう。先の大戦が終わった後「悪漢はみんなで退治する」という集団による平和維持という考え方は、世界でとっくに共有されている。それは国際連合の存在理由そのものなのだ。

国連の目的は憲章第1条にこう書かれている(訳文は国連広報センターによる)。

〈国際連合の目的は、次のとおりである。

国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること、ならびに平和を破壊するに至るおそれのある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって、かつ正義及び国際法の原則に従って実現すること〉(以下略)

ここでいう「集団的措置」とは、第7章「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」の第42条で具体的に決められている。それは国連安全保障理事会が決めた「空軍、海軍または陸軍」つまり「国連軍」による行動だ。その中には「加盟国の空軍、海軍または陸軍」も当然、含まれている。

続いて、第49条は「加盟国は安保理が決定した措置を履行するにあたって、共同して相互援助を与えなければならない」とも定めている。日本は国連に加盟しているから当然、「国連軍による集団的措置」という考え方を受け入れ、かつ第49条の相互援助義務も負っている。

つまり、たとえば通説では「日本は集団的自衛権を認めていないから、外国軍に武器を提供できない」と思われているが、国連憲章第49条の相互援助義務をみれば、そういう考え方は安保理決議に基づく非常事態下で「国連憲章に反する」と言ってもいいのである。

この1点をみても、日本国内での議論がそもそも国連憲章を基礎にした世界常識から遠くかけ離れていることが分かるだろう。「日本は集団的自衛権の制約があるから、相互援助義務は果たさない」とでも世界に宣言するのか。そんな議論は加盟国として通用しない。

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