日産自動車の経営不振が波及
'21年にシステムトラブルが相次ぎ、経営立て直しを図るみずほフィナンシャルグループ(FG)に新たな火種が見つかった。傘下のみずほ銀行が巨額の債権放棄を迫られかねない事態になっている。
「自動車部品メーカーのマレリホールディングスが経営危機に陥り、金融機関に約4500億円もの債権放棄を求めています。中でもメインバンクであるみずほ銀行の貸出金額は突出していて、債権放棄額は最大3885億円に上ると見られます」(全国紙経済部記者)
マレリの前身は、元日産自動車傘下のカルソニックカンセイ。'17年に投資ファンドのKKRに買収されたが、なおも日産が最大の取引先だ。
カルロス・ゴーン元会長が'19年末に国外逃亡した後の日産の経営不振に加え、コロナ禍で世界的な部品供給網がストップ。自動車業界は生産数が激減し、そのしわ寄せがマレリを直撃した。
「みずほ銀行がマレリに貸し込んだ理由は、貸出金利が高かったから。当時の経営陣が儲けを重視して巨額の融資を実行しました。コロナ以降、マレリは経営が危なくなっていたにもかかわらず、日産からの支援も取り付けられず、経営破綻の危機を招いたのは、みずほ銀行の責任です」(同前)