先日、「第45回エランドール賞」の新人賞を受賞した森七菜。スター性と演技力を兼ね備え、次世代のエンタメ界を背負って立つ俳優に贈られるという同賞は、女優では他にも伊藤沙莉、上白石萌音、浜辺美波といった錚々たる面々が受賞しており、業界の森七菜に対する期待が窺える。
森七菜といえば、天真爛漫で自然体、というイメージだろう。オロナミンCのCMで演じた女子高生のように、また、昨年放送された初主演ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系、以下『恋アタ』)で演じた主人公・樹木のように、周りにいる人を和ませる独特の空気をもっている。
※オロナミンCのCMをきっかけに、ホフディランが1996年にリリースした曲「スマイル」をホフディラン自身をプロデューサーに迎えて昨年夏にカバーしている。
けれど、記者会見などで話している言葉に注目すると、彼女の天真爛漫さとは真逆の一面が見えてくる。
人の心をつかむ言葉の持ち主
まずは、今年のはじめ、「第32回 日本ジュエリー ベストドレッサー賞」の10代部門に選ばれたときの表彰式でのスピーチ。初めてのジュエリーは昨年、18歳の誕生日のときに母親からもらったものだとして、次のように語った。
「はじめてそれを見た瞬間、すごく心が踊って、私にはまだ大人のもののような気がしていたけれど、私のためにあるこのジュエリーはやっぱり他のものより輝いて見えるなと思いましたし、いまでも大事に、本当に特別なときだけつけるようにしています。ジュエリーをつけると背筋も伸びるし、ここ(胸元)に輝いているものが目の前にもあるような気がして……」
ジュエリーをつけると背筋が伸びる、というのはこれまでも多くの女優が使ってきた表現だが、「ここに輝いているものが目の前にもあるような気がして」という詩的な表現ができる人はそういない。それを、表情にあどけなさを残す森七菜が、将来への期待を胸に目を輝かせながら言うのである。グッとこない人はいないだろう。