やじうまの杜

EIZOのモニターなのに……正方形を描いても横長に表示される罠が話題に

イラストや製図用途であれば、スペック表の「ドットピッチ」にも注目しよう

 「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

EIZOのビジネス向けPCディスプレイ「FlexScan EV2360」

 EIZO(かつてのナナオ)のディスプレイを買ったら、ドットピッチ(画素ピッチ)が正方形じゃなかった……という失敗談が、「X」(旧称:Twitter)で話題になっています。たとえばPCで正方形を描いても、微妙に横長に描画されるため、イラストや製図の用途で困ります。

 話題となっている製品「EV2360」はビジネス向け「FlexScan」のベーシック製品と位置付けられており、サイズは22.5型、WUXGA(1,920×1,200ピクセル)解像度を持ちます。「価格.com」での最安値は32,000円で、このスペックの製品としては少し高め。このポストを投稿した@MakoTr_315さんは「貧乏大学生」とのことですが、EIZOブランドを評価して割高なことを承知で購入を決断したのでしょう。

「価格.com」での最安値は32,000円

 しかし、「EV2360」のドットピッチ(横×縦)はスペック表にも書かれているように「0.254×0.248mm」。まさか正方形を正方形と表示できない、円を描いたら楕円になるモニターがあるとは思いもよらず、ドットピッチまで詳細に確認しないまま買ってしまい、失敗した……というわけです。同じシリーズでも、一回り大きな「EV2460」を選んでいれば問題はなかったわけで(0.275×0.275mm)、ちょっと不運だったように思います。

「EV2360」のスペック表

 このポストに関しては、さまざまな意見が寄せられています。

  • そもそもビジネス向けのベーシックモデルなのだから、製図用途に選ぶべきではない
  • スペックはすみずみまで確認すべき
  • いまどきドットピッチが正方形じゃないなんて想定するのは難しいのでは。よほどのマニアでなければそこまで確認はしない
  • コストダウンを目的とした製品であれば、「EIZO」や「FlexScan」ブランドで売るのは不適切。ブランドを分けるべきだ

 どれも一理あると思いますが……EIZOも客をだましていたわけではなく、ちゃんと専用のFAQページを設けて注意を促していますが、ユーザーの目に届きやすいとは言えず、今回の悲劇を招いてしまいました。

当社ラインナップにおける多くのモニターは、画像を表示する際の最小単位である「画素ピッチ」の形状が、縦横で同じサイズ(正方形)となっています。しかし、FlexScan EV2360においては、若干縦横の画素ピッチが異なります。

 ・EV2360の画素ピッチ:0.254 × 0.248 ㎜

インターネット閲覧、文書作成、動画視聴など、一般的な用途においては、特に影響はないと思われます。
ただし、CAD図面表示など、画面上で厳密な比率での図形表示が必要な用途では、画素ピッチの縦横比率の影響を受けた表示となりますので、ご注意ください。

EIZOのFAQページより引用

 かくいう筆者もドットピッチを気にしたことがなく、こうしたことが起こりえることを知りませんでした。先日、LGの49インチウルトラワイドモニターを友人より安く譲ってもらったのですが、今ドットピッチを確認したところ「0.234×0.234mm」。たまたま問題がなかったとはいえ、これからは気を付けようと思いました。

 映像コンテンツを制作する方なら色表現を、ゲーマーならば反応速度に注意してモニターを選ぶと思いますが、製図やイラスト用途であればドットピッチにも注意してモニターを選びましょう!