2020 年 86 巻 6 号 p. 494-501
本研究では,冷凍魚肉の解凍後の品質保持を目的として,即殺・急速冷凍した8種の養殖魚を対象に−7℃で24時間解凍前温度処理することによるNAD+, ATP含量の減少および冷蔵中のpH低下抑制効果について検討した。解凍前温度処理によりクエ,中国イサキ,マアジ,シマアジ,ヒラメについては,冷凍肉中のNAD+含量の有意な減少が認められ,マアジ,シマアジについてはATP含量の有意な減少が認められた。中国イサキ,マアジ,シマアジでは冷蔵保存後の有意なpH低下抑制効果が認められた。