パナソニック「G9II」のAFは非常に速いが完璧にはほど遠い

ThePhoblographerに、パナソニックG9IIの初期レビューが掲載されています。

PANASONIC G9 II PREVIEW

  • G9IIはG9から多くの点が改良されているが、エルゴノミクスの点ではそれほど変わっておらず、パナソニックのカメラに慣れている人ならすぐに使いこなせるだろう。ボディはシャーシが共通のS5IIと同じような感じだ。
  • グリップはG9同様に実に素晴らしいもので、指がグリップ全体を包み込むので、重い望遠レンズ使用時でも快適に保持できる。
  • ジョイスティックはG9の4方向のものと異なり、斜め方向にも動かすことができる。
  • 368万ドットのEVFは、電子シャッターモードでは連写でブラックアウトしない。
  • S5IIと異なりG9IIには冷却用の通気口が無く、華氏100度(摂氏で約37.8度)を超える極端な高温下では4Kは15分に制限されるが、低温に対する耐性は向上している。パナソニックによると耐候性は冷却用の通気口を備えたカメラよりも若干優れているということだ。雨の中でG9IIを使用したが何の問題もなかった。また、テストではセンサーに塵やホコリは付着しなかった。

  • 手ブレ補正は最大8段分に飛躍しており、焦点距離12mmのレンズでは手持ちで5秒のシャッターで撮ることができた。私は三脚なしで長時間露光ができるカメラが大好きだが、G9IIはその期待に応えてくれている。
  • メニューはタブの表示が必ずしも分かりやすくないため、調べなければならないとがあるが、慣れれば問題はない。
  • G9IIで少し気になるのは、電源を入れてからの起動時間が他の機種より少し遅く感じることだ。電源を入れてから画面が表示されるまでに、通常5つ数えることができる。バッテリーライフも競合他社より短い。

  • AFは位相差が採用され一新されている。AFはまだ低照度下のテストはあまり行っていないが、これまでの経験でこのAFシステムはかなり高速だが、完璧にはほど遠い。
  • 鳥や動物の撮影では、動物や距離が近い場合にはAFは動物の目を捉えることに関しては上手く機能した。しかし、木の枝や高い草など、被写体の手前にあるものに惑わされるようで、フォーカスポイントが鳥や動物でなく木の枝に合ってしまう。鳥と子鹿の両方でこの問題が起きた。そもそも瞳AFを使う理由は周囲にある枝などの中から動物をピックアップするためなので、これが設定で改善できる問題か、あるいはファームウェアで修正できる問題であって欲しい。
  • 顔認識はしっかりと機能し、横顔でも顔や瞳を認識する。AFはまだテスト中だが、新しい位相差AFシステムはかなり高速のように感じる。

  • G9IIの画質は解像度やディテールはGH6と同レベルだが、GH6ではダイナミックレンジブーストがISO800未満のスチル画像には適用されないのに対し、G9IIでは適用される。
  • 現像ソフトがまだ対応していないので画質はJPEGに基づく評価だが、G9から解像力の向上はわずかだが、ノイズは少なく細部まで綺麗に描写される。ISO1600ではノイズをそれほど感じること無く素晴らしいディテールが維持されているが、ISO3200では少しディテールが失われ始める。

  • G9IIはエキサイティングなアップグレードで、改善されたAFと連写は、野生動物やスポーツのカメラマンに最もアピールするカメラだ。しかし、G9IIのもう1つのエキサイティングな理由は、スチルカメラマンに焦点を当てていることだ。GH6がライブコンポジットを捨てて動画を強化したとき、私は非常に不満だったが、G9IIはライブコンポジットが健在で、より強化された手ブレ補正と優れた防塵防滴のシーリングも採用されている。
  • G9IIの第一印象は概ねポジティブなものだった。しかし、このカメラの良し悪しを見極めるにはもう少し時間をかける必要があるだろう。最大の懸念は動物の手前に枝などがあると、動物の瞳AFが失敗しがちなことだ。

 

G9IIの位相差AFは非常に速いようですが、被写体認識は手前にあるものに惑わされがちのようで、完璧にはほど遠いという評価になっています。とは言え、まだ発売前の段階なので、今後のファームウェアで被写体認識の精度の改善に期待したいところです。あとは起動時間が遅く、5つ数えるまで画面が復帰しないと述べられているのが気になりますね。

手ブレ補正に関しては換算24mmで5秒の手持ち撮影ができるということで、実際に公称値に近い効果があるようです。これだけ手ブレ補正が強力だと、三脚なしで夜景や暗い室内でも問題なく撮れそうですね。