ダイダラボッチ(学名:Alicella gigantea)とは、深海に生息する甲殻類の仲間である。
概要
ダイダラボッチの生体の画像付きツイートがあります。 苦手な方は注意してください。 |
端脚類(ヨコエビなどの仲間)で、端脚目Amphilochidea亜目に分類される深海性の甲殻類。エビの仲間(十脚目)ではない。
北大西洋、北太平洋、ニュージーランドのトンガ海溝・ケルマデック海溝などの水深4,800m~8,000m程から観察・採取されている。過酷な超深海層[1]からも見つかっている種。最初に発見されたのは1897年[2]で、100年近く見つかっていなかったが1970年代に再発見された。クロアシアホウドリ(学名:Phoebastria nigripes)の胃の中から見つかった標本(食べられる前に死んでいたと考えられている)もあるそうだが、一体どんな経緯でアホウドリの胃に収まったのか気になるところである。
端脚類は体長数mm程度の種が多いが、深海に生息するものにはカイコウオオソコエビなど大きな種が知られている。中でもダイダラボッチは特に巨大でなんと体長20~30cmを超える「超巨大ヨコエビ」である。体色は白っぽく、クリーム色。
他の深海に生息する端脚類と同じく、死んだ魚などの死骸を食べる腐肉食動物。
和名は日本各地で伝承されている巨人、「ダイダラボッチ」から。この和名は1994年に提唱されていたものだが、(少なくともインターネット上で)広く知られるようになったのは2010年代後半になってからだと思われる。和名が定着する前は、学名をカタカナ読みした「アリケラ・ギガンテア」と呼ばれることが多かった。英語圏では「supergiant amphipod[3]」と呼ばれることがある。
かなり珍しい種の上、住処になっている海溝や海域同士は互いに隔絶されているように思えるが、上述の通り地理的にも広く分布しているのがダイダラボッチの不思議な点である。
関連リンク
- QUELLEレポート<生命の限界に迫る 「しんかい6500」世界一周航海 QUELLE2013
- WoRMS - World Register of Marine Species - Alicella gigantea Chevreux, 1899
関連項目
脚注
- 1
- 0pt