銅(Copper)とは、最も古くから使われている金属である。
概要
- 原子番号は、29、元素記号は、“Cu”、分類は、遷移金属、ミネラル。
- 元素記号、英名ともにはラテン語で銅を意味するCuprumから来ている。これは古代の銅が、産地であるキプロス島(Cypros)にちなんで、「キプロス島の真鍮(Cyprium aes)」と呼ばれていたに由来する。
また、銅の英訳としてよく使われるbronze(ブロンズ)は厳密には青銅のことを指す。 - 発見:古代から知られている。
- 利用例:硬貨、電線、銅像、青銅、真鍮など
「あかがね」とも読まれる金属で、現代ではあまり実感されないが、古くは金銀に次ぐ価値のある金属であった。昔から貨幣として銅銭が使われていたのはこのためである。
現代では一般的な金属として様々な用途に用いられている。特に銅には「熱伝導効率が高い」「電気伝導率が高い」という性質があり、電線や調理器具などとして使われている。日常的にはパッとでは見わからないものが、手近にある何らかのケーブルのビニールを剥けば、赤茶色の銅の光沢が見えることだろう。
銅は古くから合金としても使われてきた。10円玉にも使われる青銅(錫との合金)や、金色の光沢で錆びにくい真鍮(亜鉛との合金)、100円玉にも使われる白銅(ニッケルとの合金)などが日常的によく目にする銅の合金だろう。よく勘違いされるが、青銅の本来の色は元の銅に近い色で、青く見えるのは銅の錆び(緑青)である。
しばしば毒性があると思われがちである。確かに過剰摂取すれば中毒は引き起こす可能性はあるが、かの足尾銅山事件のような大量垂れ流しでもなければ即座に体に害が出るものではない。よく銅の錆(緑青)が毒だと言われているが、実際は大した毒性はないという。一方で銅の化合物には毒性があり、殺菌剤などとしても利用されている。
銅はヘモグロビンの合成に関与しているため、欠乏すると鉄欠乏性貧血を起こす。また体内においてシトクロムオキシダーゼ、アスコルビン酸酸化酵素など種々の酵素の補因子となる。
その他の意味
漢字として
銅
- Unicode
- U+91E3
- JIS X 0213
- 1-36-64
- 部首
- 金部
- 画数
- 11画
- 意味
- 金属の銅、銅製のもの、という意味がある。古くは金といえば銅のことを差した。〔説文解字〕に「赤金なり」とある。
- 字形
- 形声で声符は同。
- 音訓
- 音読みはドウ、訓読みは、あかがね。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校5年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 銅印・銅貨・銅器・銅壷・銅鼓・銅山・銅線・銅銭・銅像・銅鐸・銅鋳・銅版・銅盤・銅鑼・銅龍
異体字
- 簡体字は铜。
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関連項目
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