チャーン・インターナショナルサーキットとは、タイ東部のブリーラム県にあるサーキットである。
MotoGPのタイGPやSUPER GTが開催される。
名称
2014年にオープンした当初の名称は、現地のサッカークラブであるブリーラム・ユナイテッドFCにちなんでブリーラムユナイテッド・インターナショナルサーキットという名称だった。
その後、タイのビール企業のタイビバレッジ社が命名権を購入し、同社のビールの商品名であるチャーン
がサーキット名に付けられ、チャーン・インターナショナルサーキットという名前になった。ちなみにチャーンとは象(ゾウ)という意味である。
ブリーラム・インターナショナルサーキットと呼ばれることもある。酒類製造企業の広告を制限する国でその名を用いることがある。
サーキットの略称はブリーラム(Buri Ram)の頭文字とインターナショナルサーキットの頭文字をとったBRICである。
Destination of Speed(スピードの到達点)を愛称としており、その名前の看板が掲げられている(画像)。
略歴
20億バーツ(当時のレートで約60億円)の資金を投じて2013年3月2日から建設され、2014年9月に開場した。
サーキットの建設を主導したのは、ブリーラム出身の政治家であるネウィン・チドチョブである。F1サーキットを数多く手がけたことで知られるヘルマン・ティルケ
がサーキットを設計した。
初めてのイベントは2014年10月4日のSUPER GTだった。SUPER GTは2019年まで毎年開催されたが、2020年はコロナ禍の影響を受けて開催が中止された。
2015年から2019年までスーパーバイク世界選手権を開催している。2019年11月に発表された開催日程では2020年の開催計画から外れていた(記事)。
2018年と2019年はMotoGPのタイGPが開催された。2020年はコロナ禍の影響を受けて開催が中止された。
立地
チャーン・インターナショナルサーキットはこの場所にある。
ブリーラム県ブリーラム
タイ東部にブリーラム県があり、その中心都市であるブリーラム
から南に3kmほど離れたこの場所
にある。ブリーラムはタイ語で「楽しい街」という意味であり、人口は2万7千人程度である。
タイの首都バンコクから北東へ直線距離で307km離れていて、クルマで6時間ほどかかって、ちょっと遠い。
サーキット近くに大きな都市が無く、ホテル探しに苦労する。レース関係者にとっては少し辛いサーキットである。
最寄りの病院
サーキットで事故が起こったらドクターヘリを使って空輸し、サーキットから5.5km離れたこの場所にあるブリーラム総合病院へ搬送する。
緯度と気候
北緯14度57分の場所にあり、フィリピンの首都マニラと同じ程度の緯度にある。北半球における熱帯を緯度で定義すると「北緯23度26分よりも緯度が低い場所」となるので、ブリーラムは熱帯に位置していると言うことができる。
一年のほとんどを通じて30度以上を維持する。乾季と雨季があり、乾期の12月~1月は全く雨が降らず、雨季の4月から11月は雨が降る(資料)。とくに8月下旬から10月中旬は雨季の中でも多めの雨が降る。
こちらとこちら
とこちら
が現地の天気予報となっている。
内陸部にある
海岸線との距離は294kmで、内陸部のサーキットである。
熱帯のサーキットというとマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットが有名だが、そのサーキットは海に近く、湿気がある。しかしチャーン・インターナショナルサーキットは海から遠くて乾燥している。
ライダーの中には「高温で湿度が高いとヘルメットの中で呼吸するのも一苦労になる。高温で乾燥していた方がいくぶんマシである」という人がいる。
Google地形図を見ると、南に70kmほど離れた場所にあるカンボジアとの国境地帯に山脈が広がっていることが分かる。また、サーキットの北側に平野が広がっていることもわかる。
サーキット近くには巨大な河川が存在しない。そのかわりサーキットの南10kmに、チョーラケーマーク貯水池とフワイタラート貯水池という大きな湖が2つある。
サーキット周辺の観光名所
サッカースタジアム
サーキットの隣のこの場所に、現地のサッカークラブであるブリーラム・ユナイテッドFC
の本拠地スタジアムがある。収容人数は3万2600人で、同国最大規模である(記事
)。
ブリーラム・ユナイテッドFCはタイを代表するビッグクラブで、AFCチャンピオンズリーグの常連となっていて、Jリーグのクラブとも対戦経験がある。
このサーキットのオーナーとブリーラムユナイテッドのオーナーは同一人物で、政治家のネウィン・チドチョブが務めている。画像検索すると、サッカー場に軽装で訪れている様子を映す写真が多く見つかる(画像
)。学生時代にサッカーをしていたという。ブリーラム県はさほど産業に恵まれている地域ではないので、スポーツと観光によって街おこしをしようとしている(記事
)。
ブリーラム・ユナイテッドFCのロゴと、チャーン・インターナショナルサーキットのロゴは、よく似ている(画像1、画像2
)。
金色の大仏
サーキットから南東へ2km離れたこの場所に、Phra Suphat Bophit(フラ・スファット・ボヒ)という金色の仏像がある。青い柱を背にしていて、サーキットを見守るかのように鎮座している(画像
)。MotoGPの空撮でも映される(画像
)。
ブリーラム城とショッピング・モール
サーキットすぐそばのこの場所に、ブリーラム城
がある。城と名乗っているが実際は寺院のようである。ごく最近の2010年頃に建設された。夜はライトアップされる(画像
)。
ブリーラム城の北東にはショッピング・モールが広がっていて(航空写真)、夜は妖しい光でライトアップされたブリーラム城を背景に食事や買い物を楽しむことができる(画像
)。
サーキットに詰めかける観光客は、食事をしたくなったらサーキットが用意したバスに乗って、ブリーラム城近くのショッピング・モールに行く、という選択肢をとることができる。
サーキットが用意するバスは、こういうものである。トラックを大幅に改造してあり、乗客は立って乗り込む。そういうバスが大量に用意されている(画像
)。
このバスは、最終12コーナーの外側の道を走って、メインスタンドとショッピング・モールを往復している(航空写真)。レース中に最終12コーナーの外で車が動いていることを確認できる(動画
)。
サーキットの施設
メインスタンド
メインスタンドはVの字をしている(画像)。
メインスタンドの下にピット施設がある。メインスタンドに座る観客はピット施設でのメカニックの動きを見て楽しむことができない。しかし、メインスタンドから全てのコーナーを見渡すことができるという利点がある。
最終12コーナー近くの大看板
最終12コーナー近くに大きな看板があり、「LONG LIVE THE KING(国王陛下、長生きしてください)」の文字と国王の肖像画が入っている(画像)。
メインストレートのスタート位置で待機している選手を映すカメラの中に入りこむ(画像)。
2016年10月8日~9日に行われたSUPER GTのときは、ラーマ9世の肖像画と文字が入っている看板だった(画像)。2016年10月13日にラーマ9世が崩御したのでサーキットも喪に服することになり、2017年10月7日~8日のSUPER GTのときは看板に何も貼られていなかった(画像
)。観客も黒い服ばかりを着ていた(動画
)。
2018年10月のMotoGP開催時は、オートバイの画像とサーキット名が入っているものだった(画像)。2019年10月のMotoGP開催時は、ラーマ10世の肖像画と文字が入ったものとなった。
8コーナー近くのホテル
8コーナーや9コーナーの近くに同じような白い建物が並んでいる(画像)。これは2つ星ホテル
で、サーキットやサッカー場へ詰めかける観客向けのホテルとなっている。
その他
1コーナーの南にはアスファルトが広がっている(航空写真)。このアスファルトの南端と3コーナーを結ぶと、1.5kmほどの直線になる。ドラッグレース
(停止した状態からの加速を競う競技)に利用されるという。
この場所に池があり、Chang INTERNATIONAL CIRCUITという看板も立てられている。
2コーナー近くに地下道があり、コース内側とコース外側を行き来することができる(航空写真)。
コース紹介(MotoGP)
概要
コース全長は4554mで、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から11番目である。コーナー数は12ヶ所で、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から17番目である。
平均速度が非常に高く、2018年~2019年にMotoGPが開催された19ヶ所のサーキットの中で上から2番目である。
前半区間には長い直線が3本あり、後半区間はコーナーがずっと連続している。二面性のあるサーキットと言える。
上下の起伏がいくつかある。そうした起伏は、Googleアースで路面にマウスカーソルを当てて右下に出現する標高を見ることで調べることができる。
熱帯の国なので気温と路面温度が高いことが多く、タイヤのグリップ力低下が問題となり、ライダーの体力も容赦無く削られていく。典型的な猛暑(MotoGP)のサーキットである。
あまりの暑さのため、リアタイヤの消耗が激しい。このため硬めのリアタイヤが推奨される。ミシュランは2019年に構造自体を頑丈にしてカチカチに硬くしたリアタイヤを持ち込んでいる(記事)。
ギアの使い方を示すオンボード画像はこちらである。1速を使うのは最終12コーナーのみとなっている。
主なパッシングポイントは3コーナーと最終12コーナー
で、抜きどころがやや少ない。他には、5コーナー
や8コーナー
でたまにパッシングが起こる程度である。
直線区間が長いのに、燃費が問題にならず、ドゥカティの成績が圧倒的でない
本サーキットは、前半に3本の長い直線が存在し、直線区間が長い。
このため「アクセル全開区間が長いのだから燃費が問題となりやすいだろう」とか「直線番長のドゥカティが圧倒的な成績を収めるだろう」といった推測をしたくなるが、2018年と2019年のMotoGPは、そういう推測とは異なったレースとなっている。燃費はさほど話題にならず、ドゥカティの成績は圧倒的ではなく、むしろ直線でやや遅いとされるヤマハの成績の良さが目立った。
それはなぜかというと、このサーキットが熱帯に位置していて暑いからである。気温が高いのでエンジンがあまり活発に回らず、エンジンパワーが低めになり、燃費が良くなる。「気温が低いと燃費が悪くなり、気温が高いと燃費が良くなる」と言われるが(記事)、その通りの現象が起こる。
サーキットが暑いので、ドゥカティの直線における加速力もやや鈍り、直線でやや遅いとされるヤマハでも太刀打ちできるようになる。
スリップストリームをあまり使わない
本サーキットでは、スリップストリームを利用した走りをする必要性がやや少ない。
本サーキットは暑くて燃費の問題が発生しにくいので、燃費を気遣う必要が無く、先行者の背後に付いてスリップストリームの恩恵を受け続ける走りをする必要が無い。
また、本サーキットでは、スリップストリームを利用した走りを続けると、かえって危険である。
本サーキットは暑いので、スリップストリームを利用した走りを続けて自分のマシンに風が当たりにくい状況を続けると、マシンの状態が悪化する。ブレーキディスクなどのブレーキ部品が冷えにくくなってブレーキが過熱し、ブレーキの効きが悪くなる。ラジエーターのエンジン冷却水が冷えにくくなってエンジン冷却が上手くいかなくなり、エンジンのパワーが悪くなる。
「このサーキットではスリップストリームを使わないようにする」とライダーが発言することがある(記事1、記事2
)
ブレーキに厳しいサーキット
ブレーキに厳しいサーキットとして知られている。
2015年のスーパーバイク世界選手権において多くの車両にブレーキを供給したブレンボが、スーパーバイク世界選手権が行われるサーキットを「ブレーキに掛かる負担」でランキング分けした。チャーン・インターナショナルサーキットが最も高い難易度である、と評価していた(記事
)。
ブレーキに厳しいので、MotoGPクラスの各ラーダーは当然のように直径340mmの大型ディスクを選ぶ。また、多くのライダーがフロントブレーキにダクトを付けて、ブレーキキャリパー(ブレーキディスクを挟む部品)に風を送り込んで冷却する(動画)。ダクトを付けると空気抵抗が増えて直線速度が落ちてしまうが、ブレーキが過熱して壊れないようにすることを優先している。
ヘルマン・ティルケ好みの「高速コーナー~低速コーナー」の組み合わせが存在する
ヘルマン・ティルケが設計したサーキットでは「先に緩い角度の高速コーナーを配置して、その次にキツい角度の低速コーナーを配置する」という組み合わせが多い。
セパン・インターナショナルサーキットやモーターランド・アラゴンでは「フ」の字型の区間が多い。
本サーキットでもそうしたコーナーが見られる。4コーナーは高速コーナーで5コーナーは低速コーナーであり、8コーナーは高速コーナーで9コーナーは低速コーナーである。
上り勾配の直線と下り勾配の直線がある
このサーキットには上り勾配が大部分の直線(3コーナー~4コーナー)と、下り勾配の直線(1コーナー~3コーナー
)がある。
上り勾配の直線はフロントタイヤへの荷重をかけにくく、ウィリーしやすい。各ライダーは体をできるだけ前に置いてフロントタイヤの荷重を増やす努力をする。また、重力がマシン加速の抵抗となるのでエンジンパワーが強いマシンが有利であり、エンジンパワーの差が出やすい傾向がある。
下り勾配の直線は全く逆で、フロントタイヤへの荷重をかけやすく、ウィリーしにくい。その反面、リアタイヤの荷重が弱くなりがちなので、各ライダーはお尻をできるだけ後ろに置いてリアタイヤの荷重を増やす努力をする。また、重力の援助もあるのでエンジンパワーが乏しいマシンでも速く走ることができ、エンジンパワーの差が出にくい傾向がある。
表を書いてまとめると次のようになる。
上り勾配の直線 | 下り勾配の直線 | |
チャーン・インターナショナルサーキットの直線 | 3コーナー~4コーナー![]() |
1コーナー~3コーナー![]() |
フロントタイヤの荷重 | 少ない | 多い |
リアタイヤの荷重 | 多い | 少ない |
ウィリー | ウィリーしやすい。そうなると加速が鈍る | ウィリーしにくい |
ライダーがとるべき工夫 | 前方に体を出してフロントタイヤの荷重を増やす | お尻を後ろにずらしてリアタイヤの荷重を増やす |
重力 | マシンを減速させる | マシンを加速させる |
エンジンパワーの差 | エンジンパワーの差が出やすい。エンジンパワーがある車両が有利になる | エンジンパワーの差が出にくい。エンジンパワーがない車両でもなんとか勝負になる |
上り勾配のS字と下り勾配のS字がある
このサーキットには上り勾配のS字(6コーナー~7コーナー)と、下り勾配のS字(9コーナー~10コーナー
)がある。
上り勾配のS字はフロントタイヤへの荷重をかけにくく、フロントタイヤの荷重が抜けやすい。フロントタイヤの荷重が抜けてスリップダウンの転倒をしたり、曲がりきれずにコースアウトしたりする危険がある。また、重力がマシン加速の抵抗となるので、できるだけアクセルを開けながら走行する。
下り勾配のS字は全く逆で、フロントタイヤへの荷重をかけやすく、フロントタイヤの荷重がかかりやすい。フロントタイヤの荷重がかかりすぎてフロントタイヤがロックしてスリップダウンの転倒をする危険がある。また、重力がマシン加速を助けるので、アクセルを開ける必要性がやや少ない。
表を書いてまとめると次のようになる。
上り勾配のS字 | 下り勾配のS字 | |
チャーン・インターナショナルサーキットのS字 | 6コーナー~7コーナー![]() |
9コーナー~10コーナー![]() |
フロントタイヤの荷重 | 少ない | 多い |
発生しやすい現象 | フロントタイヤの荷重が抜けて、曲がりきれずにコースアウトする。フロントタイヤの荷重が抜けて、スリップダウンの転倒をする | フロントタイヤの荷重がかかりすぎて、フロントタイヤがロックして、スリップダウンの転倒をする |
ウィリー | ウィリーしやすい | ウィリーしにくい |
重力 | マシンを減速させる | マシンを加速させる |
アクセルワーク | できるだけアクセルを開ける必要がある | あまりアクセルを開ける必要がない |
難易度 | 難易度が高い。ライダーにとって鬼門 |
メインストレート~3コーナー
最終12コーナーから4コーナーまでは直線区間がひたすら続くエリアとなっている。
最終12コーナーはかなりキツい角度の低速コーナーなので(航空写真)、メインストレートはさほど最高速が伸びない。また、メインストレートには上下の勾配がほとんど付いていない。
1コーナーは直角よりも緩やかな110度ほどの角度が付いていて(航空写真)、車速を保って曲がるコーナーである。1コーナーにはブレーキを掛けすぎずスピードを残して進入する。ここでパッシングを仕掛けるライダーはほとんど見られない。ここで抜きにかかるとラインが崩れ、1コーナー~3コーナーの直線における加速が鈍ってしまう。
1コーナー~3コーナーの直線をバックストレートと呼ぶことが多い。本サーキットで最長の直線区間であり、1000mほどの長さがある。最初は平坦だが、そこから短い距離で一気に下っていて、エンジンパワーの乏しい車両も勢いを付けることができる(画像)。
1コーナー~3コーナーの直線のコース幅は18mでとても広い。すぐ隣にある3コーナー~4コーナーの直線のコース幅は11mで、それの1.6倍である(航空写真)。この広いコース幅の中でライダーたちはできる限り右に寄せ、2コーナーに備える(動画
、空撮動画
)。
ごくわずかに左に曲がる2コーナーがあるが、これは実質的に直線と扱われる。この2コーナー付近でも下り勾配となっており、スピードが乗る。ライダーはわずかにマシンを左に傾けて、2コーナーを走り去っていき、3コーナー入口でアウト側に到達する。3コーナーの入口ではマシンを垂直に戻し、各ライダーが激しいブレーキングをする。
3コーナーはパッシング多発地帯となっていて、2通りの抜き方がある。3コーナーの入口でインに飛び込んで先行車を抜き、そこから必死にバイクを止めて3コーナーでの膨らみを最小限に抑え、どうにか立ち上がっていくというものである(動画)。もう1つは3コーナーの入口でインに飛び込まず、先行車がブレーキしきれずにややオーバーランして膨らんだのを見てからインベッタリのラインを通り、器用に旋回して抜いていくというものである(動画1
、動画2
)。
3コーナー入口から3コーナー出口に向かって下り勾配になっていて(画像)、3コーナー出口が本サーキットの最底辺となっている。
3コーナー~4コーナー
3コーナーから4コーナーはまたしても長い直線となる。3コーナー出口からずっと上り勾配になり、4コーナーの直前でいきなり下り勾配になり、下り勾配のまま4コーナーに入っていく(動画1、動画2
)。
4コーナーは鈴鹿サーキットの130Rのような高速コーナーで、難易度が非常に高い。ここが一番難しいコーナーだというライダーがいる(記事)。
4コーナーはパッシングが難しい。パッシングを仕掛けて前に出ても止まりきれず、コース脇のゼブラゾーンに乗り上げ、段差を踏んでマシンが振動してマシンが失速して抜き返されてしまう(動画)。
4コーナー~7コーナー
4コーナーから最終12コーナーまではコーナーが連続するテクニカルなエリアである。
4コーナーから5コーナーまではすこしだけの直線で、傾いていたバイクを垂直に戻す。
そのあとの5コーナーはキツい角度の低速コーナーで(航空写真)、スリップダウンの転倒が多く見られる場所である。すぐあとの7コーナーが上りなので、5コーナーを高速で進入して車速を保って7コーナーに入っていきたいという思惑が生じ、5コーナーをついつい攻めすぎてしまう。2019年のMotoGPクラス予選で3人が相次いで5コーナーにて転倒した(動画
)。
6コーナーと7コーナーは巨大なS字になっていて、上り勾配であり(動画)、ライダーがいきなり出現するように見える(動画
)。
8コーナー~最終12コーナー
7コーナーを立ち上がるとまたしてもちょっとした直線となる。この直線は真っ直ぐ走る(動画)。
8コーナーは緩い角度の高速コーナーで、続く9コーナーはぐるっと回り込んだ低速コーナー(航空写真)。このあたりの外側は白いホテルが5件並んでいる(動画
)。
9コーナーからは左へ右へと切り返すS字区間になっていて、各ライダーがマシン操作技術を披露する場所になっている。9コーナーが右の低速、10コーナーが左の高速、11コーナーが右の高速である(動画)。
11コーナーを高速で脱出したあとは真っ直ぐになっておらず、「く」の字になっている。ライダーは真っ直ぐ走ることができず、バイクを右に傾けて右に曲がり、そのあとバイクを左に傾けて左に曲がり、最終12コーナーのアウト側へ進入していく(動画)。
最終12コーナー
最終12コーナーはキツい角度の超低速コーナーであり、パッシングポイントとなる(動画)。
2018年のMotoGPクラスも2019年のMotoGPクラスも、最終ラップの最終12コーナーで後続ライダーがパッシングを仕掛けたが止まりきれずに抜き返されるという展開となり、手に汗を握る展開となった(動画1、動画2
)。
最終ラップの最終12コーナーで抜かれないようにインに寄った走行ラインを通り、懸命に後続ライダーをブロックする姿がたまに見られる。この動画では青い42番の選手がアウト側の縁石に近づく普通の走行ラインを通っているが、青い10番の選手は必死にマシンをインに振ってオレンジ色のマシンに抜かれないように工夫している。
最終12コーナーは、ジャックナイフ気味になってリアタイヤを浮かせながらブレーキングするライダーもいるし(動画)、ジャックナイフしないライダーもいる(動画
)。
最終12コーナーを立ち上がってすぐのところにチェッカーラインがある。
コース学習用動画
- 4輪レース動画 2014年SUPER GT
- 4輪レース動画 2015年SUPER GT
- 4輪レース動画 2016年SUPER GT
- 4輪レース動画 2017年SUPER GT
- 4輪レース動画 2018年SUPER GT
- 4輪レース動画 2019年SUPER GT
- 2輪レース動画 アジアタレントカップ 2019年第2戦 Race1
- 2輪レース動画 アジアタレントカップ 2019年第2戦 Race2
- 2輪レース動画 アジアタレントカップ 2019年第4戦 Race1
- 2輪レース動画 アジアタレントカップ 2019年第4戦 Race2
- 2輪レース動画 スーパーバイク世界選手権 2016年 Race2
関連リンク
- チャーン・インターナショナルサーキット 公式ウェブサイト
- チャーン・インターナショナルサーキット 公式Twitter
- チャーン・インターナショナルサーキット 公式Facebook
- チャーン・インターナショナルサーキット 公式Youtube
関連項目
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